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音楽におけるオリジナリティとは

オリジナリティについて、作曲の立場から考えてみます。

オリジナリティー

名詞 〙 ( [英語] originality ) (考え方行動仕方などについて)世間なみでない独自の新しさ。また、独自の考え方や活動をしてゆく能力。独創性。

  1. [初出の実例]「W君を、オリヂナリチーを発揮する人間だと皆が褒(ほ)めるやら貶(けな)すやら」(出典:欧米印象記(1910)〈中村春雨〉プリンストン雑記)

辞書で引くとこのようにでました。
独自性を持ったと、いうことですよね。
音楽では、オリジナリティ(独自性)とポピュラリティ(大衆性)を兼ね備えているものが良いとされています。

先日、藤井風のライブを見に行ったのですが、藤井風は、デビュー前からYouTubeで、カバーをアップしてましたね。
その時から、見る人が見たら、これは化けるな、と思ってたみたいですが、
独自性を持つために、先人の多大な研究(模倣)が必要だと思います。
これは、理想論ですけど、模倣が足らないと二番煎じになったり、付け焼刃になったりで表現が浅くなると考えています。
深く、そして、自分独自のものを出すのは、相当大変だと思いますが、ここをなくしては、いけないと思います。
もちろん、まれに先天的に独自性を持った方がいると思いますが、基本は模倣なくして、先には進めないと考えます。
ビートルズだって、当時のR&Bなどのコピーから入ったと聞きます。

じゃあ、模倣だけ、していたら、独自性が生まれるのかという問題が出てきます。
ある程度、血肉になったら、自然に出てくるものがあると思います。
どうやったって拭い去れないもの。自分という存在を入れる余地はほんの少しだと思います。坂本龍一も言っていました。

1曲の中で5%は個人の本当のオリジナル。95%は伝統。自分は5%のおもしろい部分に興味がある(坂本龍一)

ネットからの引用なので、出典はどこからかわかりません。すみません。
自分の中で、できることなんて限られているけど、そこを発明するのが独自性を追求するものと、ニアイコールなのではと考えています。
結局、自分独自のなんて、思いつくことはたかが知れているし、先人たちの偉大な功績に、自分がいるだけなので、結果、謙虚にならざるを得ないと考えます。
ここからが、自分が手を動かしながら考える領域なのですが、
きちんと自分の中に信念があれば、哲学があれば、独自性はできるのでは、ないかという仮説です。
それは、知識、経験など、歴史を参照にしながら、現在位置がここにいて、現代を生きている自分は、こういうことを感じているから、このような曲を作りました。となるのかな。と思います。
それが、今までと同じパターンであってもオリジナル曲とは位置づけられるけれども、独自性を産むというのは、ちょっと及ばない気がします。
それは、自分と他者との対話、社会との接合という意味でもあるだろうし、とことん好きなもののオマージュから発展していくもの。作っていくうちに結果、そうなってしまった、というのもあるかもれません。

先ほどの藤井風の例でいうと、彼の楽曲はオリジナリティとポピュラリティがあると、定義します。
だけど、どこまで頭で考えて、いわゆる狙ったのかは、わかりません。
もしかしたら、膨大な模倣の先に、自然に出てきたもの。自分の曲を作り続けた先に出てきたものかもしれません。

そろそろ結論に入りたいと思いますが、
模倣と曲を作り続けること。つまり、インプットとアウトプットをし続けることが基本行動として、あとは、自分の持っている全てを使って曲に魂を刻み込むくらいの感覚で丁度良いのかもしれません。
才能と努力の話や、色んな話と絡み合うのでしょうが、それは一旦置いておきます。

自分の思考整理に繋がりました。
自分がオリジナリティを求めるときも、この方向で考えを進めたいと思います。

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お読みいただき、ありがとうございました。


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沼田 謙一
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