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人生を切り開く言霊 〜上司にもらった本気の言葉〜 #私とランサーズ

ランサーズ上場おめでとうございます。 「卒業生がつなぐ # 私とランサーズ」リレー企画に参加した、沼野です。
▼『卒業生がつなぐ#私とランサーズ』 のベンチャー熱が冷めないバックナンバーぜひ読んでください。(泣きました。)
01やましゅー「ベンチャー、ランサーズ、僕」
02みのぐち「嵐の中を突き進む力 #私とランサーズ
03さかえだ「「戦友」という存在を得た場所 #私とランサーズ
04ザック「RUNサーズ #私とランサーズ

ランサーズ社には 2015 年の初旬に入って、約 4 年勤めました。多くの貴重な経験とベンチャーの成長期ならではの熱気に巻き込まれていた気がします。
友人の手相占い師いわく「お前には自分で人生を切り開く力はない。」と言われたあとに「でも、多くの人の力を借りて、物事を成し遂げる素養がある」と、20代前半に言われて以降、振り返ってみると、確かにそうだったなと思うシーンが何度もあったと実感しています。ベンチャーにいると、自分の無力さに悔しい思いをするときがありますが、そのたびに、励ましたり、叱ったりしてくれる同志がいたからこそだと思っています。自分ひとりだけで立つのではなく、みんなに支えてもらって自分は立っているのだということに気づけた 4 年間でした。

自分で食っていけるようになりたい

自分がランサーズに入った当初は、会社も60人くらいから一気に倍くらいまで増えて行っているまさに成長期。私自身も第二新卒20代半ばという枠で入ったので、成長期真っ盛りでした。ちなみに、このとき転職活動をしている中で、内定をいくつかもらっていたのですが(エンジニアは売り手市場)「ぜひ来てください!」というような会社と違い、ランサーズ社だけが「まぁ来ても良いよ」ぐらいのスタンスだったので、逆にここなら自分はもっと成長できるかもという、なんだかよくわからない期待がありました。というのも、当時は自分で「自分の力で食っていけるようになりたい」という思いが強く、とにかくどんなスキルでも伸ばして成長しようという貪欲さがそれを後押ししていたように思います。

「君はエンジニアを本気で目指したことはあるのか?」


まず、最初にもらった強烈なパンチ。これはランサーズに入りたての頃、ディレクターかエンジニアか、自分のキャリアパスで悩んでいるときに、当時部長だったY本さんに言われた言葉です。「自分、エンジニア向いてないと思うんですよね。。」「なにを言っとるんだ。君はエンジニアを本気で目指したことはあるのか?何事も”本気”で目指してみないと向いてる向いてないとか、わからんでしょ」と言われました。

確かに、自分は中途半端なままで、本気で目指したことはなかったなと思い、その時から本気でエンジニアを目指すことに。本気で目指すためには、まず今の自分を知る指標として「今の僕に足りないもの」を、先輩エンジニアにGoogle Form でアンケートをとったりしました。先輩方には厳しい評価とアドバイスをもらったおかげで、自分に足りてないことがわかったし、本気でこいつは目指してるんだなということを周りにアピールできたおかげで、みんなが協力してくれました。

結果的に、今でもスゴい人には全然勝てないなぁと思う一方、意外と向いていたりする側面に気づけたりしています。自分の物分りが悪いが故に、逆にきちんと理解して説明できるというスキルが、わりと世間からは求められていたりして、好きなことを仕事にするより得意なことを仕事にしたほうが良いという仕事の真髄に至るには、なにごとも「本気」でやってみないとわからない、ということに尽きるというのを身を持って体験できた、素晴らしい言葉でした。本気で目指した瞬間、見える景色は変わる。この体験は自分にとって今でも忘れられません。


「イヌでもサルでもなくキミにしかない価値は?」


これは、入って1年目ぐらいの時の評価面談で CTO のY井さんに言われた言葉です。評価の結果に対して不満を漏らしたときに(俺はもっと評価されるべき!みたいな顔してたら)「そもそも、イヌでもサルでもなくて沼野くんにしかない価値は何なの?単なる実装者や作業者ではなく、どういう価値を会社に提供してくれるの?」とてもハッと気付かされた言葉でした。

もともとその評価期間では、個人的に結構イケてたと思ってたのですが、その言葉を聞いてから翌々考えてみると、自分が出した結果(出したと思ってた結果)は、自らの価値というよりかは、デキる先人たちについて行っていただけで、自分からシンボリックな価値を出せてなかったことに気づきました。頑張ってしっぽフリフリしてたら評価してくれてるとか、本当にイヌやサルでしかなくて、甘い学生気分が抜けてない、ダサいやつだなと、自分でも反省しました。誰かに与えられてやる仕事よりかは、みんながやらないけど重要なことを率先してやったり、会社にとって価値になることはなんだろうと、素直に考えるようになった結果、ようやくまともな社会人になれた気がします(フリーランスを経験してみてから思うのは、会社ってすごい会社員にやさしい仕組みなのに、「俺を評価しろ」とか、どの口が言ってたんだろうと思います。)

評価をしてもらうというスタンスではダメで、そもそも評価というのは会社の中だけでなく、ちゃんとユーザー(ユーザーというのはこの場合サービスのユーザーもそうだし、一緒に働く周りの人達にとっても価値ある存在になるということ)に提供した価値そのものが、自分への評価(リターン)なので、それこそ、自分の価値を探して行くプロセスの中で、自ずと自分の価値は見えてくるし、返ってくるものだと思います。


「カロリーをさげなあかん」


A木さんという、とても変わったプロデューサーのアシスタントディレクター的な立場で仕事をしていたときの話です。サイトのお客様相談のページで、どうやって多くの人の声を聞いて、サイトを改善していくか?という企画をしていたときに言われた言葉です「たとえば、キミがコンビニでラーメンを買って、箸がついてなかったとする。わざわざコンビニに連絡する?しないよね、でも友達には言っちゃうよね?箸ついてなかったって。友達に言うのんとコンビニに言うんは、カロリーが違うんや。もちろん、お客様と友だちになれって言ってるわけじゃないけど、お問い合わせへのカロリーを下げなあかん。そうじゃないと本当に思ってる不満は出てこない。」当時の自分にはセンセーショナルな一言でした。企画はボツになりましたが、カロリーという言葉をきっかけに変わっていき、エンジニアの三代美徳の一つである「怠惰」に行き着きました。

まず自分の行動からカロリーを低くして行くべきだという思考になり、コードを書くまでのカロリーを下げるには?ショートカットを駆使して、いつでもコードを書けるようにしたり。。etc そして、行動や作業のカロリーを下げた結果、本当に大事なことに注力することが可能になるのだということを、気付かされてくれた言葉でした。


「結果にコミットすることだけが、お前の不安を消してくれる」


これは、1on1 を通じて、Sとしさんと一緒に導き出した言葉なのですが、社内で会社の歴史の本を作ろうという企画を主導してやることになった時の話です。社内向けではありますが、ガチで本を出版するという、全くやったこともない作業に、何をすればいいかもわからず、とにかく指示されたことをやっていました。なかなか思うように仕事が進まず、いろんなことが不安になって、逃げ出したくなっていた時期がありました。しかし、厳しいスケジュールの中で仕事を仕上げなければならない日を繰り返すうちに、やるべきことがはっきりしてきて、向かうべきゴールがわかってきた感覚はありました。

そしてある日、頼るべき人が休んでしまっており、自分が一人でどうしても仕事を進めなければならなくなったとき、自分の体は勝手に動いて主体的に作業を進めていることに気づきました。とにかくこのプロジェクトを何が何でもすすめるしかないと言う気持ちで一杯だったせいか、不思議と不安はなかったです。後で 1on1 で壁打ちしてもらったときに振り返ると、「結果にコミットすることだけが、お前の不安を消してくれる」という言葉に落ち着きました。

なにか別のことに逃げたとしても、不安は一生つきまとってくるだけなので、それを根本的に解決するには、結果にコミットする。つまり、仕事をすすめる以外の選択肢は無いのだと、悟りの境地に達した瞬間でした。


「未来の君は、今の君にどんな声をかけるか?」


これは、入って2年半くらいのときに新規事業をやっていく中で、とても辛くて夜しか眠れないときに、メンターをしてもらていたSとしさんからもらった言葉です。当時は 0 -> 1 楽しそうだなぁ、自分もチャンスが有ればやってみたいなぁと楽観的に考えていたのですが、実は新規事業はとんでもなく大変でした。ユーザーは使ってくれるだろうかという疑念を拭いきれないが故に、仕様がなかなか決まらず、スケジュールがパンパンになっていったり、その上で日々の技術への挑戦やモダンな開発環境への追従で地雷を踏みまくって、本質的ではないところに時間を使ってしまって疲弊したり、精神的にも健康的にもつらい状況がつづいてました。

正直この状況が続くなら、ギブアップしようかなと思っていた矢先の出来ごとです、隔週で 1on1 をしてもらっていたSとしさんに、こんなことを言われました「そこに椅子が2つあるけど、左の椅子には、今現在のぬまぬー(沼野のこと)がいて、右の椅子には未来のぬまぬーがいるとする。右の椅子に座ってる未来のぬまぬーは、今のぬまぬーになんて言葉をかけると思う?」。

未来の自分は今の自分になんて言うのだろうか?未来の自分になりきってみると、彼はこう言ってました「今が辛いかもしれないけど、これは理不尽に辛いわけじゃなくて、これを乗り越えれば確実に強くなるし、間違いなくレベルアップしている。諦めずに耐えて乗り越えた結果が今の俺だ。」と、びっくりするほど自信満々に語ってました。めっちゃ辛かったんですが、未来の自分がそんなふうに言ってたので、信じてやりきるしかなかったです。実際、あの谷を乗り越えられなければ、今の自分はいなかったなと確信しています。今でもなにか苦しい状況に置かれたとしても、未来の自分は常にマッチョでポジティブで輝いているので、安心できます。


「自立とは、依存を増やすこと」

冒頭でも書いていたように「自分の力で食っていけるようになりたい」とずっと考えてきました。新規事業の開発で悶々と過ごしていたとき、それを見かねた当時の広報部長であるS木さんが、急に一緒に飯を食おうと誘ってくれたときに頂いた言葉です。「沼野さんって、何でも一人でやろうとしてますけど、自立するっていうのは、依存先を増やすことですよ。」最初聞いたとき、一見矛盾しそうな発言なので、何を言っているか意味がわからなかったのですが、「これは熊谷晋一郎さんという人の言葉で、彼は五体不満足で、生まれた結果、親にとても依存して生きていた。でもある時一人暮らしを始めると、親以外にも友達や社会に手を貸してもらえるようになって、親から離れて自由に暮らせるようになった。そのとき、自立するというのは、何でも自分ひとりでやるんじゃなくて、「自立とは依存先を増やすこと」」(ちなみに、S木さんは都内に3階建ての家を持っており、1階はフレンチレストランにテナントとして貸し出しており、そのテナント料で家賃を払ってもらっている系の方)。

まさに鱗が目から落ちた瞬間でした。自分一人で何でもできるようになるのは限界があり、そこを極めていくのはとんでもなくしんどいものだと思っていましたが、依存先を増やすという方向で考えれば、本当に自立できると思います。例えば「給料」の依存先を増やしたのは自分にとって大きな変革でした。会社だけでなく自分でもランサーズを使って週末フリーランスになり「複業」することで、お金を稼げるようになってくると、自分の自信にもなるし、会社という1つの枠に依存することなく働くことで、まさに自由になれた気がしました(27の夜)。


「ランサー第1主義」

最後に一つ、ランサーズらしい言葉を紹介したいと思います。社内には L-way と呼ばれる行動指針があり(これをまとめた本を作っていたので感慨深い)そのなかでも、自分が一番好きな言葉が「ランサー第1主義」です。

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(代表の秋好さんの説明文なのですが、とても熱意がこもってて好きです)
徹底的なユーザーになりきって思考することで、考え抜いたプロダクトを作ろうという考え方にとても共感しています。また、ランサー第1主義だからこそクライアント第1主義ですという言葉も奥が深いのですが、最終的に中長期的な視点ではランサー(フリーランス)の価値提供を第一に考えようという点は、まさに社名にもあるように、フリーランスのことを考えた会社であって、多くの人が才能を発揮したり、なにか理由があって他の人と同じように働けない人たちを支援して、新しい当たり前をつくっていこうとしている方向を向いているところがカッコいいなと思うわけです。そういう思想に集まってきた人たちが、熱意を持って仕事をしたことによって、世の中が少しづつ変わっていくきっかけを、この言葉が生み出していると、自分は思っています。


ほんとにランサーズではいろんなことを経験させてもらいました。社員本を出版したり、寿司をおごってもらうためにダーツを企画したり、C2Cで新規事業を立ち上げて畳んだり、副業フリーランサーとして仕事して失敗したり、副業がきっかけで結婚したり、記事の書き方をランサーさんに習って、書いた記事がバズって登壇にお呼ばれしたり、さすらいワーク制度で、いろんな地域へ旅行しながら働いたり、新しい働き方関連でテレビに密着取材されたり。etc...

そして、その困難や喜びの影には、いつも志が高く、本気で向き合っている人たちに、多くの言葉をもらい、支えてもらっていたなというのが、振り返ってみて思うことです。皆さんにもらった言葉を借りると「本気で目指す」ことをすれば、周りは助けてくれるし、結果として多くの仲間の助けを得ることにより「自立とは、依存を増やすこと」につながり、自分で食っていけるようになる。でも、最初から誰かに助けてもらおうというスタンスではだめで、本気で自立することを目指した結果、周りも協力してくれると言うのが一番重要なエッセンスです。冒頭の占い師には「お前には自分で人生を切り開く力はない。」と言われましたが、今の自分は多くの人の助けを得ながら、自分で人生を切り開いていっていると自信を持って言えます

今一度、文章を読み返してみると本気というキーワードが何度も出てきて、自分がちょっとひいて来ているものの、この熱く激しい戦いの中でつちかった、キラキラしたものは、自分の中に息づいているし、もちろん今、上場した会社にも、自分たちが過ごした形跡は形を変えながらもつながっているのだと思うと、とても感慨深いです。まだまだもっとアツくなっていく時期だとは思いますが、メンバーの一員として、大変嬉しく思うのと、これからも、自分はユーザーでもあり、今後も応援していきたいなと思っています。

素敵な企画をしてくれた、みのさんありがとう!

まだまだ本気の人たちの投稿が続くので、みなさん期待していてください。


技術記事は以下 https://qiita.com/numanomanu サポートよりもはてブやスキが欲しい!