蟋蟀在戸(七十二候)と和合長寿
10月18日頃は七十二候の「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」、蟋蟀(きりぎりす)が戸の辺りで鳴く頃という意味です。ちなみに「蟋蟀」はコオロギとも呼びます。七十二候ではキリギリスと呼んでいますが、これは今のコオロギといわれています。
蟋蟀は昔から和歌にも登場します。
きりぎりす 鳴くや霜夜(しもよ)の さむしろに
衣(ころも)かたしき ひとりかも寝む
(百人一首91番 後京極摂政前太政大臣)
秋、虫の鳴く声は人恋しくなるものです。写真の文人華は万年青と百合、黄菊の取り合わせで「和合長寿」です。
和合長寿とは、夫婦が仲むつまじく過ごし、長寿と子孫繁栄を願う言葉です。和合は打ち解けて仲の良いという意味もありますので、夫婦に限らず深く長い繋がりを持つこともあわらしています。秋虫の鳴く声は、人との繋がりの大切さを思い出させているのかも知れませんね。
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