橘始黄(七十二候)と万年大吉
12月2日頃は七十二候の「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」、橘の実が黄色くなり始める頃という意味です。秋は色々な果実が実る時期ですね。昔は柑橘類の総じて橘と呼んでいたそうです。
「橘」の読みが「吉(きち)」に通じることや、古事記や日本書紀に出てくる「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」という不老不死の果物が橘という説もあり、柑橘類は吉を表すとされます。煎茶席でもこの時期には好んで柑橘類を盛物として使います。取りあげた文人華は、大柚に万年青と霊芝を取り合わせた「万年大吉」です。オモトの万年と霊芝で長寿を寿ぎ、大柚が大吉を表す雅題を表します。