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『PERFECT DAYS』(2023)非日常を観測するもの
『PERFECT DAYS』は日常の形成過程を描いた作品であり、役所広司演じる平山は、日常の中に潜む非日常を観測する者として存在している。
日常への執拗なこだわり
日常は、日々反復される一定数の行動によって形成される。行動の数や予想外の出来事に対する許容範囲は人によって異なるが、今作の主人公である平山はこの日常というものに対する異常なこだわりを持つ。彼は意図的に日常を作り出している。
日常を
『スミス、都へ行く』(1939)②座らせること
先日、『スミス、都へ行く』を鳥という観点から分析した。
今回は今作において重要な運動である「座ること」と「立つこと」そして「座らせること」に焦点を当てて分析していきたい。
※2023/08/31追記
この映画はいかなる映画か
まず、この映画がいかなる映画であるかについて中村秀之氏は以下のように述べている。
つまり、この映画においては「立つこと」が非常に重要な運動になっている。
特に後半の議場
『スミス、都へ行く』(1939)①鳥かごの中のスミス
『スミス、都へ行く』はフランク・キャプラによるアメリカの精神性を体現した傑作である。
そして、この物語は田舎で暮らしていた鳥としてのスミスが、鳥かごに入れられ、その中で倒れるまでの物語であると私は考えている。
スミスという名の鳥
1人の上院議員がなくなったことで、子供から絶大な支持を受けるスミスは新たな上院議員として担ぎ上げられる。
そこには、ジムとペインの思惑が関わっているわけだが、これを私
ギトリ映画における「数字」の支配
先日、シネマヴェーラ渋谷にて「知られざるサッシャ・ギトリの世界へ」という日本初のギトリ特集上映が行われた。
以前、同館のラインナップにあった『新しい遺言』(1936)や先輩からDVDを借りて『とらんぷ譚』(1936)を見て以来、彼の特集上映を熱望していた私にとって非常に嬉しい上映であった。
今回の特集で上映された作品は以下の通りである。
これらの作品からギトリ映画における「数字」について論じてみ