読書感想文「店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる」
この本は経営評論家で「商業界」を創刊した倉本長治氏の「商人はかくあるべき!」という言葉と真意について解説している本です。
タイトルの通り小売業の方にもっとも刺さる内容ですが、他の業種の経営者もサラリーマンにも通用する内容です。商売のやり方というより、どんな気持ち・心でお客様に接するか、そして喜んでもらえるか…商人のコアについて書かれています。
難しそう?いいえ!めっちゃ読みやすい!!
読む前は「難しいかなぁ…」と思っていましたが、予想を裏切ってかなり読みやすい本でした。
構成としては
・右ページが一行程度の言葉(格言)
・左ページが言葉の解説
この繰り返しです。
スキマ時間で読むのにピッタリですよ。
全十章ありますが、集中して読んだら1日で読み終えられると思います。
そして繰り返し読むことがオススメの内容です。
「楽して儲ける」とは真逆の話
倉本氏は「商いの目的は儲けることにはない」と言います。
お客様の暮らしを豊かにする、その先に「儲け」があります。
最近は「楽して儲けて自分だけヒャッハー!できればOK」みたいな風潮がありますけど、それは商売とは言えないですよね。
倉本氏は「誠実を尽くすこと」「愛と真実で適正な利益を追求すること」を説いています。
これが商売の大前提。
もちろん商品知識や変化の重要性も語られています。
繁盛するためには従業員の知恵や力が不可欠で、そのためには「従業員と真実と愛情の絆が必要」と本書に書かれています。
やや「性善説」寄りか?
倉本氏の言葉は間違いなく正しいと思います。
ただ「ちょっと性善説に偏っているかなぁ?」という感想も持ちました。
・真心をもって接客しても踏みにじる輩がいる
・クレーマーみたいな怪物もその辺にゴロゴロいる
そういった困ったお客に対しての話はなかったです。
あくまでも「自分はどうあるべきか」にフォーカスした内容となっています。
今の時代、どんなにきちんとした商売をしていても、ネットの評判ひとつで吹っ飛んでしまう…これを何とかする方法は、私たちが倉本氏から残された宿題かもしれませんね。
一番刺さった言葉
最後に一番心に刺さった言葉をご紹介しますね。
「財布の中の紙幣は良い商人を選ぶ投票券である」
うまいこと言うなー!
自分のやっていることを見直したくなりました。