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『サマーヒル少女日記』を読んだことがある人いますか?

私には、人生観を変えた本があるのです。
それは、大塚千野さんが書いた『サマーヒル少女日記』という本です。
中学生の時に、出会って、その本きっかけにイギリスに興味を持ち、
「いつかイギリスに行きたい」という思いから、英語を勉強するようになり、
大学ではイギリス文学を専攻し、
今や高校で英語を教えてしまっているという、私の人生を導いてくれた本。

更には、私の教育観の根底となり、娘を育てている今も、
サマーヒルの概念が心の片隅にあるのです。

そんな「サマーヒル」とは何なのか?
サマーヒルとは、1921年に教育者A.S.ニールイギリスにある学校で、
完全に生徒主体の学校です。特にルールもなく、自由な学校です。
勉強もやりたいことをやればいいし、むしろやりたくないなら勉強しなくてもいい。

「何が自由か?』って一人一人異なるもの。
だから、たまに誰かが自由に行動すると、学校生活が成り立たないこともあります。その際のルール作りも完全に生徒主体。
校則はないけど、生徒が有志で集まってルールを作ったりはする。
そして、それを守らなかった場合のペナルティも生徒が決めるのです。

服装も、もちろん完全に自由。
著者の大塚千野さんは、パンクロックな格好をしていて、
髪の毛を昔のX JAPANみたいに立てていました。
当時中学生だった私は、パンクロックな格好をしたいわけではないけど、
中学校の服装検査で、スカートの長さを検査されたり、白いスニーカーじゃないとダメで、1本でもラインが入っていたら先生に怒られるという、校則が大嫌いでした。
自分が違反していたわけではないけど、違反している子に対して
先生が叱っているあの雰囲気が、本当に嫌でした。
(今の勤務校は、めちゃめちゃ校則厳しくて、LGBTQは何処に?というぐらい
“男子”は髪の毛が長いと指導されるというのはここだけの話。個性を尊重して校則に沿わないのを少しでも肯定してしまえば、私自身の人格が全否定されてしまうという世界なのです。私は、上記の経験があるので、きっと校則を守っている子の中にも、違反している子が指導されている様子を見て嫌な気持ちになっているんだろうなぁと不安に思っています。)

中学生だった私は、ただただ自由が欲しくて、サマーヒルみたいな学校に憧れていたけど、
親となった今は、違う意味でサマーヒルのような学校が素晴らしいと思っています。
それは・・・

「勉強って、自分がやりたいと思ってやらないと、物にならない」から。
どんなにいい大学を卒業しても、実生活で使えない知識、テストの点のためだけに勉強した知識は、何の役にも立ちません。

私自身も、「将来役に立つから」と自分に言い聞かせて
勉強しました。
クラスの順位のために、苦手な物理を頑張りました。
私にとっては、物理=暗記でした。これが世の中の何に必要で、
どう作用するのかなんて、考えることなんてありませんでした。
クラス順位が下がらないことばかりを考えて勉強していました。

数学もそうです。入試に必要だからと、問題集を何回も繰り返して、
解き方を暗記して、テストで点数を取っていました。
本当に苦手だったので、学校で買わされる参考書ではなくて、
優しく解説してある参考書を買って勉強していたのですが、
授業で、違う解法で説明されるとチンプンカンプンでした。

そんな風に、勉強した物理や数学は、それなりに今役に立っているのかというと
全然、役に立っていません。
科学館に行っても、「あ〜なんとなく、そんな感じなことならったかな?」レベルでしかありません。
ぼんやりとした知識って、本当に使えないですよね。
目安は、人に説明できるかどうかだと思います。

同様に、学生時代、歴史は不得意ではなかったけど、
好きではなく、ただただ暗記をしていただけなので、
歴史の映画やドラマを見ても、やはり
「その事件習ったけど、誰が何をしたんだっけ?」
というレベルです。

一方で、私は、英語と古典が大好きでした。
一般に苦行と言われる、英語と古典の予習ですが
私は、とにかく楽しくてしょうがなかったのです。
辞書を調べながら、文法をチェックしながら、日本語訳をしていく。
更には、より良い訳になるよう工夫する。
古典は、とにかく主語が隠れているので、それを推測しながら
考えるのがとても楽しかったのです。

そして、古典と英語に関しては、
今でも知識が残っており(英語は当たり前だが)
テレビでふと出てくると、すごく味わえるのです。

さて、あれほど苦手な物理でしたが、
というか、私は理科全般が苦手でしたが、
娘が、宇宙や地学や化学に興味を持って、小学生向けの科学の授業を受けると
どうでしょう?
一緒に授業を聞いていた私も、「めっちゃ面白いじゃん!」と思い始め、
いろいろ本を読んでみると、あれだけ時間をかけてもわからなかったことが
わかって面白くなってきたのです。
(昔と違って、今は小学生向けにすごくわかりやすく解説している科学本がありますね。)
(小学生向けの科学の授業に関しては、後にこのnoteで書いていくつもりです。よろしければフォローしてください。)

子供の時は、科学館なんて親に連れられて行くところで、
特に面白いと思ったことはありませんでしたが、
子どもを通して科学が面白いと思った今は違います。
めちゃくちゃ面白くて、解説読んでワクワクします。

さて、サマーヒルの話に戻りますが、
私は、自分の子どもに対しても、勉強する気になったらすればいいと思っています。
4大卒業したからって優遇される時代は終わりました。
有名大学出たって、義務感だけで勉強して、何も役立つ知識がなければ、意味がない。

でも、やはり知識がある方が人生は面白いのです。
年収が多くなるとかではなく、ふと科学館に行っても、
ふとドラマを見ても、
知識があれば、生活のちょっとした一部分がすごく面白くなるのです。

ですので、私は娘に、たくさん興味を持って
自ら学んでいってほしいという理想を抱いているのです。
それは、ある意味「有名大学卒業して」という理想よりも
難易度が高いのかも知れません。
逆に、勉強したくなければ、しなくてもいいとも思っているのです。
学歴がなくても、使命感を持って、やりがいのあることを見つけてくれればと
思っています。

そんな娘が、中学受験をしたいと言い出し、
「やりたくないなら、やらなくていいよ」という世界ではないので、
沼にハマっている最中なわけですが…。

こんな私ですが、今日も頑張っています。
エライぞ、私!
明日は、今日よりもいい日になる!

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