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家にいながら、本屋を散歩したいみなさん。「わたしたちがブックストア」にようこそ。

(2020年8月追記)「わたしたちがブックストア」は、サービスを終了させていただきました。以下はサービス開始時の記事です。

移転したばかりの下北沢「本屋B&B」は、新型コロナウィルス感染拡大に伴う外出自粛要請に対応して、2020年4月4日(土)と5日(日)を臨時休業しました。

4日(土)には、オンラインストアを立ち上げ、主としてデジタルデータを売ることにしました。

本日6日(月)から、平日がはじまります。少なくとも昨夜の時点では、平日の日中だけでもオープンするという選択肢も、ゼロではありませんでした。

ですが、中心となるスタッフで議論した結果、「本屋B&B」は6日(月)~12日(日)まで、休業を続けることにしました。

とてもありがたいことに、オンラインストアにはたくさんの反響をいただいています。さっそく新しい作品を販売できるように準備中ですので、どうかご期待ください。

ですが同時に、この状況下で本屋としてできることを、もっと考えたい。もっとまだ、あるはずだと思い、この週末ずっと、準備していました。


家にいても、本屋を散歩したい

本屋に行くたのしみのひとつは、棚を眺めることだと思います。

この本は知っている。隣のこの本は初めて見たな。この本は何年か前に読んだぞ。あれは面白かったな。あ、この本は気になっていた本だ……!しかし、世の中には、なんてたくさんの本があるんだ。どう頑張っても読み切れない……。そんなふうに思ったり、思わなかったりしながら、棚と棚のあいだを、ぼんやり歩く。

もちろん、そのうち、気になるものを手に取って、パラパラとめくって、その場で買う。そこまでが、本屋という空間のもつ一連の機能として、セットではあると思います。

けれど、買わなくても、なんなら、手に取ることさえしなくても、最初の、そうやって背表紙を眺めながら、本屋のなかを散歩している時間だけでも楽しい。なんならそれが一番楽しい、と思える瞬間さえも、あるのではないかと思います。

せめてそれだけでも、家にいながらにしてできないだろうか。そう思ったとき、ぼくは自分の部屋にいました。

誰かの本棚を見たい

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これはぼくの家の本棚の一角です。建築とか都市とかの本のうち、大判のものが入っているあたり。なぜか『テトラスクロール』が2冊あります。

9年ほど前、「本屋B&B」ができるより前の話です。当時できたばかりの原宿のコワーキングスペースで、いろんな人に本棚の写真を送ってもらい、それをスライドで映しながらしゃべる、というトークイベントを、のちの共同経営者の嶋と、編集者の柴田隆寛さんとやったことを思い出しました。

スペース自体がなくなってしまっていて、検索してもなかなか情報が出てこなかったのですが、メールのやり取りの中に、イベントの告知文を発掘しました。

他人の部屋や事務所に行くと、ついどんな本が並んでいるか気になって、
本棚をチラチラと見てしまいます。あなたもそんな本棚愛好家ではありませんか?
「BOOKSHELFLOVE」は、本好きの自邸やクリエイターの事務所にある本棚の写真を収集・共有し、みんなで愛でようというnumabooksによる新しいプロジェクトです。
「THE TERMINAL」にて行うトークイベントは、このプロジェクトを通じて集まった本棚写真を、中秋の名月のように、みんなで眺め、本棚についてあれこれ語り合う「空耳アワー」ならぬ「本棚アワー」。
読書の秋、本棚の秋。秋の夜長を本棚好きの3人と一緒に、お酒を片手に楽しみませんか?

「新しいプロジェクトです」と書いておきながら、それからずっと、何もしていないようです。

何かの記事にちらっと書かれているのも見つけました。

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トイレの一角とか、机の上とか、とにかく本が並んでいる場所の写真を送ってもらったはずです。その中でどうやって大賞を決めたのか、ぜんぜん覚えていないのですが(たぶん最も話が盛り上がった写真、とかだったと思います)、とにかく楽しかったことは覚えています。

ともあれぼくは、本棚の写真や映像がとても好きです。

映像の背景に本棚が映りこめば必ず一時停止して凝視しますし、『本の雑誌』もいつも巻頭の「本棚が見たい!」から読みます(書籍化もされています)。

せっかくできた棚を見てほしい

移転したあたらしい「本屋B&B」の棚は、みんなでつくりました。

もちろん、オンラインストアも立ち上げたばかりです。けれどやっぱり、せっかくつくったお店を、棚に本が並ぶところを、見てほしい。

なかなか家から出られない人たちにも、休業している間、せめて写真でもいいから、見てほしいという気持ちがわいてきました。

「家にいても、本屋を散歩したい」気持ちと、「誰かの本棚を見たい」気持ちと、その「せっかくできた棚を見てほしい」気持ち。

それらがひとつに重なって、思いつきました。

オンラインストアに並ぶ、いまこの状況下でできること第2弾として、いそいで準備をはじめました。

わたしたちがブックストア

「わたしたちがブックストア」は、本屋B&Bが主催し、みんなで本棚の写真を共有して、それを眺めるのを楽しむ、月額会員制のグループです。

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1 移転して新しくなった「本屋B&B」、および、いまはもうない移転前の「本屋B&B」の本棚の写真が、毎日少しずつアップロードされます。

2 内沼の自宅の本棚の写真も、毎日数枚ずつアップロードされます。

3 グループに参加するみなさんも、ご自宅の本棚の写真を、自由にアップロードできます。また、たまにはスペシャルゲストもお招きしたい、と考えています。

4 写真にコメントをつけることができます。内沼は毎日、コメント欄に出没します。「この本なんですか?」とか「この本いいよね!」みたいな会話で盛り上がることができます。

5 欲しい本をみつけたら、メモしておいて、いつか買いに行くのを楽しみにするのもよいですし、電子版が出ていれば、それを買うのもよいでしょう。

家にいて、本屋に行けなくて、悶々としている人たちが、きっとたくさんいるのではないかと思いました。

そして、そういう人が面白がってくれるなら、自宅の本棚を見せてもいいよ、という人も、少なからずいるようにも思いました。

また、ぼくたちの新しい「本屋B&B」を、まずは写真でも、いちはやく見てみたいという人も、いてくれたらうれしいなと思いました。

いわば、ただ本棚の写真をみながら、コメント欄でお話するだけの場所です。

けれど、本屋B&Bと、そこに参加してくださるみなさんとで、そういう場所をつくることができれば。

それはまるでみんなで大きな本屋をつくるみたいにも思えるし、そう見立ててしまって、本屋を散歩するように写真をめくりながらコメントしていくのは楽しいはずだ、と思いました。

そう考えて「わたしたちがブックストア」という名前をつけました。

よろしければぜひ、ご参加ください。

ふつうにお店を開けて、みなさんをお招きできるようになる日が、1日も早く訪れることを願いながら。

まずは写真の本棚の前で、みなさんと本の話ができるのを、楽しみにしています。







いただいたサポートは「本屋B&B」や「日記屋月日」の運営にあてさせていただきます。