諏訪部佐代子VIVA滞在日記⑥展示初日
今日はついに展示初日、多くの方とお話しする機会が持てた。また君島くんや瀬古くんともトークの機会を持った。私の所属するアーティストコレクティブ、実践考古学のメンバーも来てくれた。
人のいない時間
夜の誰もいないVIVAの雰囲気が好きだ。
賑やかな、各々の仕事に集中するみなの姿を見ることができる時間ももちろん好きだが、夜アトレの閉店後VIVAにいて電車の音や雨音に耳を澄ませる時間が好き。最近はそれに薄ら蝉の声が重なって聞こえてくる。
そんな私の好きな時間に作品を見てくれた警備員の方からコメントをいただけたことが嬉しかった。
作品をどこまで触って良いのか?関わって良いのか?それがわかるとより良いかもしれない、また作品のコンセプトを話すとそれを掲示してくれたら嬉しいと言ってくださった。警備員さんの作品を見てくれた静謐な時間を勝手に想像して幸せに思った。
また、来てくれた一人の子どもとツアーしたのも楽しかった。さわっていいんだよと言ったらいっぱい触ってくれたのが嬉しい。おばあちゃまと一緒に遊んでくれたのも嬉しい。
トーク(君島+瀬古)
トークでは早速作品やその価値について話すことにした。
小作品群の前に来た際、君島から作品を販売した経験はあるか?と問われた。あると答えるとそれはなぜ?とも。
私は口説かれたら売りたくなる。その人とその作品の関係やこれからを教えてくれると殊更嬉しい。
「小説を書いている部屋にこの作品があったら素敵だなと思って」「絵を描いてる部屋にあったらいいな」と伝えてくださったことを話した。
自分と同じくらい大切にしてくれるならそれ以上最高なことはない。
今日のあれこれ
また今日初めて立体作品を売った。自分の作った彫刻作品を石膏で複製したもの。エディションは30。制作場所に置いてあったものを欲しいと言ってくださった。実作はまだ売る気にはなれないが、石膏で複製したものであればまだ気持ちがすうと楽になる。この気持ちはなぜ生じるのだろうか。
さらに、展示にいらした方から東京でお金のある人の見る場所で展示をやればいいと思うという意見をいただいた。これからの展開としてはアリかもしれないが、この場ではここで起こる対話にフォーカスして、一人一人と言葉を交えていきたい。
とても濃い1日だった。自分がどういう方向に進むのかは全く予想ができないが、今自分はクロスポイントに立っているのだという気持ちが強く残った。
7月23日 諏訪部