【詩】3度目の屏風の虎

ムチャブリに翻弄された虎と坊主
今度はどうしようか
上様は蚊帳の外で上から目線

頓智とんちを出すか出さないか
前足を出すか出さないか
そんな駆け引きも既に3度目

虎と坊主は視線で語り合う
次はどっちから喧嘩を売ろうか

人と猛獣
2次元と3次元なんて
いろんなコンプライエンスが纏わるよね

普段は仲が良いのに
ライバル対決なんて構図
僕らはどうして嵌められているかな？

1人と1頭だけの世界線で
おかしそうな虎と坊主

胡坐をかく上様の前で
3度目の正直
虎は初めて大地を駆け出した

上様は阿鼻叫喚
坊主は振り返って眺め
虎は牙を剝いた

観衆は静寂を挟んで歓声
すべては後の祭りのガヤ

そんなことがありましたなんて
信じられないでしょ　でもあるよ
似たような話がさ

地を這うように描かれる
時空を超える物語に途方に暮れ
私は気怠く振り返る

屏風のその絵を見るために

2022/07/30

トップ画像は、中目黒土産店さんからお借りしました。早くも2度目でございます。ありがたく使わせて頂いております！　現代的な「屏風の虎」だけれど、すごくよく馴染むタッチですね……。