【詩】美味礼賛
故郷もすっかり忘れ果て
空っぽの腹と脳を満たしたいのですね
皿に並べられた7つの謗言は
コックを唸らす極上のスパイスに成り代わり
そこは常にカチャカチャじゅるっと満員客
ファーストフードが主食の白豚は
甘い悪魔と踊って口説こうとしている
狼は憤怒で焦がした虫を噛み締めて
銀製のチョコレートは酸欠してしまいそう
ところで料理のお好みはいかがでしょう
喉から手の出るほど成り代わりたい味ですか
あなたの驚愕を対価に
カチャカチャじゅるっと中毒性の毒盛り
メニューもレシピもメタバース仕様
誰もが知らずに舌鼓を鳴らし
舌なめずりで太鼓判を押し
ビートを刻まされているのです
さぁ お手を拝借
トロトロに煮込まれた皮肉をどうぞ
病みつきになる必要はないのです
あなたから自然に湧いてくるものだから