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【詩】美味礼賛

故郷もすっかり忘れ果て
空っぽの腹と脳を満たしたいのですね

皿に並べられた7つの謗言は
コックを唸らす極上のスパイスに成り代わり

そこは常にカチャカチャじゅるっと満員客

ファーストフードが主食の白豚は
甘い悪魔と踊って口説こうとしている
狼は憤怒で焦がした虫を噛み締めて
銀製のチョコレートは酸欠してしまいそう

ところで料理のお好みはいかがでしょう
喉から手の出るほど成り代わりたい味ですか

あなたの驚愕を対価に
カチャカチャじゅるっと中毒性の毒盛り

メニューもレシピもメタバース仕様
誰もが知らずに舌鼓を鳴らし
舌なめずりで太鼓判を押し
ビートを刻まされているのです

さぁ お手を拝借
トロトロに煮込まれた皮肉をどうぞ

病みつきになる必要はないのです
あなたから自然に湧いてくるものだから



2022/04/29
noteを始めて以来、久々の書き下ろし☆笑
なんか暗くってすいませーん。

トップ画はjjppさんよりお借りしました。
美しいけれど妖しくもある林檎の味とは……。

詩を執筆中、不思議なレストランの短編を書いていたのを思い出しました。よろしければ、こちらもどうぞ。


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