2018.10.21 石勝線夕張支線
石北沿線から車を飛ばし、昼前には夕張市に着いた。石北線よりも南に位置するからか紅葉はまだギリギリいけそうな雰囲気。泣いても笑っても最後の夕張支線の秋、半日ではあるが記録しよう。
まず見つけたのは市の運動公園裏手にできた小高い丘。荒涼として植生が周囲と違うことからボタ山とみられる。なんとなくの道があるので登ると、眼下に線路が見渡せた。迫りくる影を数秒の差でかわして背景の紅葉も輝いた。そのまま山を降り、清水沢の跨線橋から返しを狙う。こちらは光線バッチリ。新夕張に戻る単行列車を抑えることができた。
時間が空いたので新夕張に来てみると、ちょうど特急スーパーおおぞらの時間だった。283系のフル編成も適宜撮っておかないと気がつけばなくなってしまいそう。夕張川の橋を渡る姿を便乗的に抑えた。7連は美しい。
昼下がりは前々から狙っていた鹿ノ谷の俯瞰を探す。あたりを付けていた場所は外したものの、地形図と道路をにらめっこして、最終的に墓地の中から抜ける場所を発見。勝手に「鹿ノ谷の墓地俯瞰」と名付けた。駅から集落からが見下ろせるこの場所で、余命幾ばくの鉄路とともに撮影できる機会はもう訪れない。
追いかけて夕張駅へ。ホームには乗り納めだろうか、カメラを持った人の姿。踏切から望遠で構えて思ったのだが、頭端式だからといっても運転士用のミラーが両数ごとに設置されているのが少し面白い。
最後は鹿ノ谷の跨線橋。先ほど墓地俯瞰から見下ろした場所である。すでに日は沈み、夜が忍び寄る時間。ヘッドライトで線路は輝き、駅舎の灯りはほのかに壁を照らしていた。かつての栄華を忍ばせる大きな駅舎だが、乗り降りしたのは大きなカメラを持った人のみ。これが廃止差し迫った今の「日常」なのかもしれないが、そこに地域輸送機関としての使命は感じられなかった。