たのしいぞ郷土資料館 「豊島区立郷土資料館」
兄弟性を追いかけて北区・板橋区・豊島区の郷土資料館めぐり。最後は豊島区を訪れた。誰が兄で弟なのかって?
板橋区と豊島区はいずれも1932年に誕生、北区は王子区・滝野川区の合併によって1947年に発足している。北区の三男は確定である。
いつの世もチャラいのは次男
長男:板橋区
次男:豊島区
三男:北区 ということでひとつよろしくお願いしたい。
1. 施設概要
・施設名称 豊島区立郷土資料館
・営業時間 午前9時から午後4時30分
・入館料 無料
・休館日 月曜
・写真撮影 全景として撮影はOK、展示や説明のズームはNG
※すみませんトップの写真がOKラインにあるかの自信はありません
今年で開館40周年。2025年1月11日から3月16日までは開館四十周年記念企画展「新・豊島風土記」を開催中だ。
2.まずはホームページで予習
どんな郷土資料館面(づら)をしているのか。まずはホームページで予習していこう。
清々しいまでに豊島区の間借りサイト。やっぱり郷土資料館ってのはこうでないとね!
入館者数推移の掲載があったが令和4年度にいったい何が?
この施設、企画展に前後して臨時休館を繰り返しているような節がある。たとえば令和3年度は令和3年9月27日から翌年1月31日まで126日にもわたり臨時休館していた。令和4年度には区制90周年特別展を開催しておりこの集客が異常だったのか。はたまた年間を通じてガチで営業すれば5万人クラスのポテンシャルを持っているのか。謎だ。
3.オリジナルキャラクター発見!「むじなくん」
おいおいおい! 誰だねキミは!
今年度(令和6年度)から登場のオリジナルキャラクターだそう。豊島区・長崎地域に伝わるお話「小さい桶」に由来する。鼻と口の具合がかわいいじゃないの。モノクロで表現できるからコスパが良いし表情がないのは汎用性が高いぞ。けど、むじなくん・・・足・・・どうなってんの?
とりあえず民話については現地で押さえる必須ポイントだ。こいつはたのしみになってきたー!
さて。
東京都の郷土資料館でキャラクターを持っている施設が増えました。
・文京区「ブンタ」火鉢の妖精
・江戸川区「まーくん」学芸員松島さん由来の三毛猫(オス)
・北区 「コン吉」しのぎは缶バッヂ
・東久留米市「タネちゃん」未調査
・西東京市 「椎太」「したのやしーた」「したのやのーや」
最多の3キャラ展開。詳細は未調査
・豊島区「むじなくん」 ←New!!
・清瀬市「ひいらぎちゃん」←New!! ※1
・新宿区「しょうどうたくん」←New!! ※2
※1:今日このあと訪問する清瀬市郷土博物館にもオリジナルキャラクターがいた
※2:はしごの訪問先で調べていたところ新宿区立新宿歴史博物館にもオリジナルキャラを見つけてしまった
郷土資料館オリジナルキャラクターについてはいずれまとめていきたい。
4. アクセス
池袋駅南口から徒歩7分。郷土資料館にあるまじき好立地である。
5.外観と周辺環境
郷土資料館は「としま産業振興プラザ IKE・Biz(イケ・ビズ)」の7階にある。
会議、研修等に最適な会議室から音楽室、美術室、工芸室、和室、調理実習室、体育室と多種多様な貸室あり、男女平等推進センター、商工会議所などの団体事務所も入居する複合施設だ。
複合施設内のテナント入居は江戸川区郷土資料室と同じタイプ。
青・赤・白
なんだろう
この既視感・・・
あ・・・
東武&西武百貨店だ!
6.いざ、入館
展示構成は地形の成り立ちから旧石器、縄文、弥生と歴史をたどる基本を踏襲するように見せかけて、豊島区としての「原風景以前」と「原風景形成後」と表現してスマートに流しているのがうまい。弥生時代くらいまでって江東区でもない限り掘れば何かしら痕跡が出てくるもんだとおもう。ここに固執した展示は”だれる”。
パネルのヘッドコピーのフォントがわたしはすきです。
文字情報は豊富で読みごたえがある。自分に刺さるポイントを探して一生懸命読んだ。刺さったのは三兄弟の農業の扱いだ。
兄弟でも(って、わたしが勝手に兄弟にしているだけだが)北区、板橋区、豊島区では見せたい農業史が違うのだ。
板橋区は屋外展示に大根の漬け樽がダイナミックに登場するなど、練馬(練馬大根)の系譜が色濃く、ザ・生産者!の顔をみせていた。
北区でも大根の影がチラつくが板橋区と同じ大根でも「種を売る」商売のにおいが強くなる。
そして豊島区だ。大根はなりを潜めて花卉となる。巣鴨に興った菊づくりと豊島区発祥のソメイヨシノについての展示なのだ。都会的だ。
郷土資料館のベン図がおぼろげに見えてくる。兄弟(って、わたしが勝手に兄弟にしているだけだが)は似ているようで違う。
企画展「新・豊島風土記」
わたしのお気に入りは「豊島」の地名の由来コーナー。
ここの展示の出典に三男の北区飛鳥山博物館がいくつも登場するのがイイ!やっぱ兄弟だねぇ助け合うねぇ。ニヤニヤしちゃう。
わたし中世の武蔵野のボロクソ具合を各地の郷土資料館で確認するのがすきなんですよね。「とはずがたり」では草っぱらが3日も続こうかというほどなにもないとディスられているし
「更級日記」でも「情緒のかけらもなくただただ鬱蒼とした草っぱら」ひどい言われようだ。
7.ん、クイズ?
クイズラリーをやっているではないか。
このクイズ、太田道灌って馬に乗って鷹狩りにでかけたんじゃないの?!とか、わたしにはチョウチョに見えるけれどひょっとしたらかざぐるまなのかも?!とか、深く考えると微妙に答えに迷う設問だった。ハズレたらむじなくんステッカーがゲットできないかもと緊張して受付に持って行くと、回答になど一瞥もくれずステッカーを賜るにいたった。ありがてぇ(なみだ)
みんなだいじょうぶ!全問正解しなくてももらえます!
8.グッズ販売あります
豊富なオリジナルグッズが展開しているよ。
同じくたぬきをモチーフにする文京区(ブンタ・平成21年生まれ)はグッズ展開にまで至っていないというのに、むじなくんてば令和6年登場のくせに早くもキーホルダーにしてもらっている。
さすが豊島区はフットワークが軽い。
「隣(北区)はコン吉でやっていますし」
「え、北区がやっているなら」
北区がやっているのにうちがやらないわけには(兄貴風吹かせる)みたいな稟議を経たか?
こりゃぁ令和7年度中にカプセルトイの販売にも至るやもしれませんぜ。
8.よりみちは和菓子屋「池袋 三原堂」
昭和12年(1937年)創業 地元の名店なり。三原堂というのはのれん分けで東京のあちこちにあるみたい。
「池ぶくろうもなか」と「池袋乱歩の蔵(チーズバター)」を買った。
9.最後に
板橋区:郷土資料館らしく実直な長男
豊島区:フットワークの軽い次男
北区:出典?任せて。レンガの家を建てた三番目の子豚だ
郷土資料館三兄弟それぞれが助け合って生きているではないか。
むじなくんの由来の豊島区・長崎地域に伝わるお話「小さい桶」
これ、結局わからないまま帰ってきてしまった。むじなくんとおじいさんのハートウォーミングなお話しなんだよね?鍋にして食べられちゃったりしないよね?ちょっと心配している。
今の世の中なにがどう作用してバズるかわからない。むじなくんがどえらいことになる可能性だってある。むじなくんキーホルダーは1個300円、むじなくんステッカーはタダ。クイズが全問不正解でもタダでもらえるぞ。むじなくんスタンプも押し放題だ。行くなら今だ!
豊島区立郷土資料館、たのしいよ。是非!