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ハナカイドウ【小説】
※残虐な描写、過激な描写が含まれます。苦手な方はお気を付けください。
りんごに惹かれるようになったのは高校一年の三月。修了式を間近に控えたある日の放課後。忘れ物を取りに教室に戻るとりんごは机に顔を伏せて眠っていた。
りんごの席は僕の隣。忘れ物を取るためには必然と彼女に近づかないといけなかった。
僕は自分の椅子を傾けて引き出しの中をしゃがんで見た。そして忘れ物を手に取り、ふと隣を見た瞬間、僕は心を射抜かれた。
隣の席だから顔は何度も見たことあるし会話だってしたことある。日直を一緒にやったり、教科書を忘れたときには見せてくれたり、優しい部分に助けられることが多かった。
でも、それだけ。ただの隣人。それだけのはずだった。
なのにあの瞬間、りんごの無防備な寝顔を見た瞬間から僕はりんごの虜になってしまった。
それから数日悶々とする日々が続いた。四六時中りんごの寝顔が脳裏に焼き付いて離れなかった。お陰で寝不足で授業中に自分の寝顔を晒す始末。
しかし修了式目前のこの時期、もう少しすればクラス替え。もしかしたらりんごと違うクラスになってしまうかもしれない。今までただの隣人でしかなかったから違うクラスになれば話す機会がなくなってしまうかもしれない。そう思うといてもたってもいられなかった。
修了式の日。僕はりんごに告白をした。もちろん付き合いたい気持ちは大きかったけど、フラれてもクラスが変わればダメージも少ないかなと打算しての決心だった。
「君の寝顔に一目惚れしました!」
って頭下げて手を差し出してもそれが告白だなんてりんごは思いもしなかったみたい。すぐに慌てて付き合ってくださいというと、りんごは顔を綻ばせ僕の手を取ってくれた。
そうして僕たちは付き合うことになった。
*
あれから四か月が経ち、何度かデートもしたし僕の家に泊まりに来たりもした。幾度とりんごの寝顔を見てきてその度に心が高揚する感覚を覚えた。スマホに収められているりんごの寝顔コレクションは百を超え、毎晩スライドショーで眺めてから寝るようにしている。
勘違いしないでほしいが、りんごの寝顔は撮影許可が出ている。毎晩コレクションを眺めるのもしぶしぶといった感じだったけど許可が下りている。周りの人からしたらドン引きものであることは承知しているが、これも僕たちの愛のカタチということで。
今日も昨夜見た寝顔コレクションのお陰で快眠できた。りんごと付き合いだしてから毎朝すっきり起きれて非常に調子がいい。
昨日一学期の終業式を迎え、遂に夏休みがやってきた。今まではほとんど平日の放課後しか二人で過ごせなかったのが毎日ずっと一緒にいられる。高校二年生という青春ど真ん中のこの時期、大切にしていきたい。
ピロン、とスマホが鳴った。枕もとのスマホを手に取りLINEを開くとりんごからだった。
『おはようございます』
と律儀に礼をしながら挨拶をするスタンプを送ってきた。僕もスタンプで挨拶を返す。
『今日どうしよっか』
いつも放課後流れるように合流していたから、二人家にいる状態でどう待ち合わせるか決めていなかった。なんとかなるって思って待ち合せ方を決めないでずるずる夏休みを迎えてしまった。
『とりあえずツルギの家に行くね』
『いや僕が出向くよ』
『私の家知らないでしょ? 私が行くから待ってて』
どこかで待ち合わせればいいのにと思ったけど、普段より口調が強いからりんごは僕の家に来たがっているように感じた。
『今日って親いるの?』
親がいると居心地悪いから気にしてんのかな。親のLINEを確認してりんごに伝える。
『今日も泊まり込みで仕事だって。次いつ帰れるかわからないみたい』
『わかった。じゃあ二時間後くらいに』
『了解!』
敬礼のポーズでそう言うスタンプを送り、スマホをベッドに投げる。
今までも放課後に度々りんごが家に来てたから片付けてはいるけど、この二時間のうちにもう少し掃除と片付けをしておこう。
そうしている間に二時間が経ち、ピンポーンとチャイムが鳴った。りんごが来たようだ。玄関に迎えに行く。
ドアを開けると可憐な少女が後ろで手を組んでニカっと笑っていた。りんごは白いワンピースに鮮やかな黄色のショルダーバッグを斜めに掛け、麦わら帽子を被っていた。
「どうぞ上がって」
「お邪魔します」
初めてりんごを招いたときは緊張しっぱなしで噛み噛みのガチガチだったけど、流石に四か月も付き合っていれば慣れた。
家に上がるりんごの手にビニール袋がぶら下がっていることに気づき尋ねる。
「何か買ってきたの?」
「うん。今日ご両親いないんでしょ? お昼ご飯と夕飯作ろうと思って食材を買ってきたの」
「え!? 作ってくれるの?」
「腕に縒りをかけて作ってあげる」
りんごって料理できるんだ。知らなかった。
にしてもりんごの手料理が食べれるなんて幸せ者だなぁ。いつの日か毎日のように彼女の料理を食べれる日が来るのだろうか。
キッチンに案内する。
「何を作るの?」
「内緒」
「カレー?」
「内緒。テーブルで大人しく待ってて」
しかしレジ袋からじゃが芋、人参、玉葱、豚ひき肉、林檎、終いにはカレールーまで出てくればカレーしかない。まぁりんごが秘密にしたいなら大人しく楽しみにしておこうかな。
「調理用品はシンク下の引き出しに、食器は後ろの引き出しにあるから自由
に使ってね」
「うん」
りんごは手際よく食材を切り始めた。包丁の扱いにとても慣れているようで、林檎の皮むきに関しては一級品。するするーと素早く皮をむき角切りにしてのけた。
見覚えない包丁だと思ったらどうやらマイ包丁を持ってきたみたい。慣れている包丁の方がいいんだろう。
食材を十分炒めたらお水を足し数分煮てカレールーを入れて混ぜれば完成。オーソドックスなカレーだろう。
そろそろ完成かなと思ったらまだりんごの手は止まらなかった。
それから四十分後くらいでようやくりんごは料理を運んできた。
この四十分間でりんごは油で揚げたりオーブンで焼いたりと手の込んだことをやっていた。途中で薄々感づいていたけど、まさかメロンパンとカレーパンを作ってくれるなんて思いもしなかった。
「りんごがパンを焼けるなんて知らなかったよ」
「驚いた?」
「そりゃもう。普通のカレーを作るんだと思ってたから、生地を捏ね始めたときは不思議でしょうがなかったよ」
「ふふっ。でも食べたらもっと驚くと思うよ。とびっきり美味しいんだから」
「じゃ早速食べてみよう。いただきまーす」
カレーパンはサクサクの生地の中にピリ辛だけどほのかに林檎の甘味を感じられるルーが入っていて、味も食感もとてもいい。人参やじゃが芋も細かくされているので口当たりがよく素材の味をしっかり感じることができる。
メロンパンも砂糖の甘さとバターの香りで食欲を溢れさせてくれる。ザクザクのクッキー生地は食感が面白く何度も噛んでしっかり味わってしまう。カレーパンと一緒に食べることを考えてかしっかり甘く作られていて交互に食べれば一向に飽きる気配がない。
「めちゃくちゃ美味い! どこで教わったの? これ」
「ネットで漁ったやつをアレンジしたの。ツルギに喜んでほしくてたくさん練習したんだから」
なにこの彼女。尊すぎる。
初め僕の告白をOKしてくれたときはなんでOKしてくれたのかわからなかった。OKするということは少なからず好意を持ってくれていたんだろうけど、正直あまり好意を感じることができなくて関係を続けていけるのか不安だった。
でも今では彼女がこうも尽くしてくれる。この四か月、特別何か好かれるようなことをしたわけではないけれど、一緒に過ごしていく中でりんごの中の僕への気持ちが膨れ上がったのだろう。その幸せを噛み締めパンと一緒に飲み込む。
昼食を食べ終わると食器や調理用具を洗ってしまった。もちろん、あんなに美味しいお昼ご飯を作ってくれた彼女にやらせるわけもなく僕がやった。
それから僕の部屋で談笑したりお互いのお気に入りの漫画を読み合ったりし、お昼に多めに作ってあったカレーを夕飯に食べ、りんごはお家に帰ることになった。
「今日は泊まれないの? 親いないけど」
「私の親が家に帰っているから帰らないと。ごめんね」
りんごの親も泊まりの仕事が多かったから僕の家にしょっちゅう泊まりに来ていたけど、今日は家に帰ってきているらしい。久しぶりだから親に会いたいよね。
というわけでりんごを見送る。
「気を付けて」
「うん」
「今日は美味しい料理をありがとう。またお願いするかも」
「そのときは任されるわ。じゃあね」
りんごはない胸を張り帰っていった。
*
もう夏休みが終わる。
この夏休み、りんごとの充実した日々を送ることができた。遊園地に遊びに行ったりプールに遊びに行ったりカラオケに行ったり色々した。
しかし、僕は飢えに飢え苦しくて苦しくて仕方がない。
この一か月半、一度もりんごの生の寝顔を見ることができなかった。
この苦痛は誰にも理解することはできないだろうが、例えるなら一週間飲まず食わずのような、いやそれよりも常用していた禁止薬物を中断したときの禁断症状のような感じに近い。
いつどこでもりんごの寝顔がチラついて離れない。瞼を閉じれば瞼にりんごの寝顔が映って眠れない。
前は寝顔コレクションを見れば眠れたのにいつからかそれでは物足りなくなってしまった。
依存症について一般的に言われているのは「繰り返す」「より強い刺激を求める」「やめたくてもやめられない」。まさに今の僕にぴったりの言葉たちだ。
僕は「りんごの寝顔依存症」になってしまった。あの日りんごの美しい寝顔に一目惚れしてからずっとりんごの寝顔に依存してきたんだ。五か月たった今、それはピークに達している。
夏休みの間、何故かは知らないがりんごは僕の家に泊まらなかった。りんごの寝顔を見るチャンスがなかったということだ。
お願いすれば見せてくれただろうか。泊まりはしなかったが僕の家には何度も来ていた。そこで寝てくれとお願いすれば寝顔を見れたのではないだろうか。
いや、りんごがせっかく家に遊びに来てくれているのに寝てくれっていうのは気が引けるし、変な意味に取られても嫌だし……。
最近、りんごとの関係に進展がない。五か月経ってもソウイウコトどころかキスすらしたことがない。このままではりんごとの関係に終止符が打たれ、りんごの寝顔を見ることができなくなってしまう。
それは我慢できそうにない。ずっとりんごをそばに置きたい。ずっとりんごの寝顔を隣に置きたい。
今日りんごに頼んで寝顔を見せてもらうか。いやそれではずっと見ることは叶わない。
ならどうするか。
りんごを殺せばずっと隣における。
数時間りんごを僕のものにするための計画を練った。りんごを殺したことがばれればりんごをまた奪われてしまうから、誰にもバレないような計画を念入りに練った。
これならいける。そう確信着いたとき言葉にしがたい高揚が胸を覆った。
ピリリリリピリリリリ……。
スマホが鳴る。画面を見るとりんごからの着信だった。
浮ついた心のまま応答する。
「もしもし」
「ツルギ? 今大丈夫?」
「うん。どうしたの?」
心臓は電話越しのりんごに聞こえてしまうんじゃないかというくらいバクバク音を立てている。興奮と緊張で全身に力が入らなくなりベッドに横になった。
「あの、その……」
言い出しにくい話だろうか。まさか僕の様子がおかしいと気付いて? いや寝顔を見れてないストレスなんて気づけるわけない。じゃあ別れ話?
全身から汗が噴き出した。冷える身体でりんごの言葉を待つ。
「きょ、今日、うちに泊まりに来ない?」
「……え?」
予想外な言葉に素っ頓狂な声が出た。
今までりんごが僕の家に泊まりに来たことは何度もあったけど、僕が彼女の家に行くことはなかった。りんごは頑なに僕を家に招こうとしなかった。
それがいきなりなんの前触れもなく今日りんごの家に呼ばれるなんて……。
もちろん嬉しい。僕とりんごとの関係が一つ進展する。そして泊まりということはりんごの寝顔を見ることができる!
さっきまで殺す計画を立てていたというのにそんな気持ちはどこかに飛び去った。進展がないから不安になりりんごを奪うつもりだったけれど、こうして進展の兆しが見え、そして寝顔を見られるということで簡単に僕の心は翻った。
すぐに承諾してりんごの家に突撃することにした。
「絶対すぐに行く‼」
*
教えてもらった住所に赴くとそこは湾岸エリアに聳え立つ高層マンションだった。まぁ部屋番号を教えてもらった時点でお金持ちが住みそうなマンションってことはわかってたけど。
インターフォンを鳴らしマンション内に入れてもらう。三十階の家って災害でエレベーターが使えなくなったらどうするんだろうなんて思いつつエレベーターで昇る。
りんごの家のチャイムを鳴らし家に入る。
「お邪魔します」
「そんな固くならなくていいのに」
「いやだって初めてだから。家来るの」
「いつも通りでいいよ。別に今日お母さんもお父さんもいないし。あ、でも急に帰ってくることもあるからさ、靴は私の部屋に持っていって」
言われた通り靴を持ってあがる。偶に連絡もなく急に家に帰ってくることもあるらしいからそれを警戒してのことだ。どうやら彼氏が泊まりに来たことを知られたくないようだ。まぁ理由はいくらでもあるよな。
玄関廊下を通り抜けてリビングに入ると窓からの絶景が見える。さすが湾岸エリア。夜景が美しい。
そしてそのリビングの隣のりんごの部屋に入る。
一番初めに目に飛び込んできたのはベッドの上に置かれていた〝それ〟。
「とりあえずベッドに座って」
りんごの言葉に従いつつもどうしても〝それ〟が気になって釘付けになる。
「ねぇりんご。これ、何?」
「見ての通りて・じょ・う♪」
「ど、どうしてこんなものがあるの?」
もじもじしながらりんごは応える。
「ツルギって特殊な性癖あるでしょ?」
「せ、性癖? ね、寝顔のこと?」
「そう。そして私も特殊な性癖があるの」
そういうとりんごは僕に近づき、黒い何かを首に当てた。その瞬間バチッと音がして電流が走る。意識が途切れた。
目が覚めると僕はベッドに拘束されていた。
「りんご、……どういうこと?」
「あ、目が覚めた」
手足をベッドの四方に拘束され身動きが取れない。そうした犯人であるりんごはベッドに腰かけ僕を見下ろしていた。
「私、彼氏を痛めつける趣味があるの。でも今までの男はすぐに逃げ出しちゃったから今度は拘束してみたってわけ」
にっこりスマイルであざとくそういうりんご。いくら可愛く言っても言葉が可愛くないから台無しだ。
「なんで、こんなことするの?」
「仕方ないじゃない。もう我慢できないの。ツルギはわかってくれるよね」
わかるわけが……。いや今まで何度も他の男にしてきたような口ぶりだった。ということはりんごも彼氏を痛めつける行為に依存しているんだ。僕がりんごの寝顔に依存しているように。
「私、五か月間あなたの趣味に付き合った。だから次は私の趣味に付き合ってね」
見渡せば部屋の棚にハサミ、カッター、包丁などの刃物がずらっと並んでいる。りんごの手にはペティナイフが握られていた。
「最初からナイフっていうのはやりすぎじゃない?」
「嫌。半年ぶりだから豪快にいきたいの」
豪快に、とは「血が噴き出すほど」という意味だろうか。そんなことしたら死んでしまう。
「確かにりんごは僕の趣味に付き合ってくれた。でも流石に痛いのは嫌だよ」
「なんで? あんなに尽くしてきたじゃない」
「じゃありんごは僕にナイフを向けるために色々してくれたってことなの?」
「そうよ。悪い?」
悪びれる様子もなく堂々と言い放つりんごに僕は言葉に詰まった。
そもそもりんごは「あなたの趣味に付き合った」と言っていた。僕と付き合っていたのではなく僕の趣味に付き合っていたのか。つまり僕に好意を持っていなかった。そういうことか。
あの日。「君の寝顔に一目惚れしました! 付き合ってください」と告白したあの日。りんごは僕の趣味に付き合いだし、僕がりんごの趣味に付き合ってくれるように色々尽くし始めた。
そして頃合いを見計らって僕に寝顔を見せないようにし、僕がりんごの寝顔に依存していることをわからせ、りんごが彼氏を傷つける行為に依存していることを理解してもらえるように仕向けた。
「わかった。じゃあ私の身体も一緒に切ってあげる。それなら文句ないでしょ? おそろいの傷跡つけれるし」
あの美しく可愛いりんごのイメージが壊れていく。本当は狡猾で残忍でサイコパス。普通ならこんなやつと付き合うやつなんていない。今までの男がりんごの本性を知った途端逃げていったのも頷ける。
しかし僕はもうりんごの罠にかかってしまった。彼女の寝顔の虜になってしまった。
そして一時は彼女を殺して自分のものにしようとしていた。ならりんごに殺されてりんごのものになっても変わらないのではないか。
「それならいいよ。おそろいなら」
「ほんと!? じゃあ遠慮なくいっちゃうね」
翌日。湾岸エリアにある高層マンションの一室で二人の高校生、天草剣と花海棠の遺体が発見された。二人はお揃いの傷をつけてキスをした状態でその生涯を閉じた。
あとがき
こんにちは、奴衣くるみです。
親がコナンにハマリ、重要回をピックアップして見させている今日この頃。釣られて自分も見てしまい時間を浪費してしまいます。
さてこの作品は、砂が落ちきると世界が創り変えられる「砂時計」の世界で、繰り返される男女の恋愛を描く連作短編小説集「Ebb and Flow」の第3作品目です。以下から他の作品も読んでいただけると幸いです。
今回は「寝顔」をテーマに書きました。
実際主人公がヒロインの寝顔に一目惚れするところから始まります。
おそらく多くの人がタイトル『ハナカイドウ』にした意味にピンと来ていないと思います。
それと最後になぜ二人の本名を明かしたのかも。
「寝顔」をテーマにするということで、色々調べたところ
「美女の眠り」という花言葉をもつ植物を見つけました。
それが『ハナカイドウ』だったというわけです。
そしてそこからヒロインの名前をハナカイドウを漢字で書いた「花海棠」にしようと思い至りました。
本当は、棠という漢字は人名に使えず、りんごとも読まないんですけど、無理やりやっちゃいました笑。
そして物語を書き進めていくうちに「依存」というキーワードが出てきました。
そこでまたもや花言葉辞典をひくと、昼顔が「依存」という花言葉を持っていることがわかりました。
昼顔を主人公の名前にすれば、この物語のキーワード二つがうまく登場人物に現れ上手くまとまるかななんて思いつつも、昼顔をそのまま使うのは難しいので、昼顔の別名「天剣草」を使うことにしました。
見ての通り「天草剣」は「天剣草」をもじった名前です。
無理に本名を出す意味はあまりないと言えばないんですけど、このこだわりが伝わればいいなと思いつつ書いちゃいました。
行き当たりばったりで書いている割には上手くまとまってよかったと思っています。
もともとはりんごちゃんをこんなサイコパスにする予定はありませんでした。
「拘束」が趣味のつもりで書き進めていたんです。
ラストシーンのために私が一週間くらい「拘束」言ってしまえばSMプレイの勉強をしていたんですけど、
ちょっと奥が深すぎてハマると抜け出せそうにないので、私の保身のためにりんごちゃんにはサイコパスになってもらいました。
りんごちゃんには悪いことをしたなと思います。はい。
今書いている長編小説で重大なミスを見つけてしまったため、大きく書き直すことが決まり萎えていたのでこの短編を仕上げました。
短編も書き上がったことだしまた長編の方を進めたいと思います。
なので次の短編がいつあがるのかわかりません。
おそらくまた長編の方が行き詰まったときに短編に戻ってくるでしょう。
それではまた。