虎に翼 第24話
罪状認否における直言(岡部たかし)の「ごめんな、トラ」の意味は、今まで迷惑をかけた娘・寅子(伊藤沙莉)への謝罪で、問いへの答えは
「私はすべて否認します」
よしっ!とテレビの前で拳を握った。
「よく言った!」と思わず野次を飛ばす傍聴マニア、笹山さん(田中要次)と、こりゃ面白いことになったぞ!と笑いが零れる新聞記者・竹中(高橋努)。傍聴席の表情も様々だ。
検察官・日和田(堀部圭亮)の扇子を叩くのを、直言が「やめてください!」と訴えたことにも「よく言った!」だ。あの扇子の打擲音は心の傷を抉る。やめてくれと言葉にするのは、トラウマの克服に繋がる。
少しずつでいいから、直言がかつての「お父さん」に戻ってくれることを祈りたい。
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はるさん(石田ゆり子)の手帳と、呉服店の帳簿との照会による裏付け。なるほど確かに、家庭の主婦が個人的につけていた記録だけでは証拠として弱いかもしれない。しかし外部の資料と照らし合わせることができたならば、その信憑性が変わってくる。寅子と仲間たちの、綿密な裏付け調査のおかげだ。
それに比べて、自白しただろう一点張りの検察の論拠の弱さよ……。
そこを衝く穂高先生(小林薫)、自白の強要は人権蹂躙にあたる、革手錠の長時間拘束の拷問についても追求する。そこで、寅子の「はて?」からの「あっ!」。監獄法施行規則第49条。
穂高先生がもともと刑法が専門ではない、そして寅子がバリバリ勉強している学生であるという設定で成り立つ、こっそり伝えるシーン。
そこから崩れ始める検察の「記憶が定かではなく……」
偉い人というのは、都合の悪いことだけをお忘れになる都合のよい記憶力をお持ちであるのは100年前も今も変わりない。
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あくまでも公正であろうとする裁判官・桂場(松山ケンイチ)に、水沼貴族院議員(森次晃嗣)からの威圧と脅しと懐柔。
そういうの、よく効く相手と逆効果の相手がいると思うんですけど。貴族議員センセイ、桂場の性格はお調べになりましたか……?
そして判決の時。直言は、猪爪家はどうなるのか。そして法廷の外で緊張による便意と戦う優三(仲野太賀)は無事か。
結果は明日、金曜日!
(つづく)