虎に翼 第46話
昭和22年、3月。寅子(伊藤沙莉)の飛び込み就活……怪しげな紳士・ライアンこと久藤頼安を経て、1話のラストの場面。司法省・人事課での桂場(松山ケンイチ)の前に至る。
アポイントメントがないので人事課長に取り次いでもらえないという現場に颯爽と現れ、スマートに助けてくれたライアンにホッとしたものの「なんてお呼びしようかな……ともこさん。ともちゃん」……
「サディ!」
これを聞いて(あっ。こりゃめんどくさい、あまり触っちゃいかんやつだ)と判断して、すみません一人で参りますので!ありがとうございました!となる寅子に大笑いした。
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OP明けの、寅子と桂場……伊藤沙莉と松山ケンイチの場面。
短いが、そうそう、これが観たかった!というテンポのよさ。
第1週5話、『竹もと』でのふたりの会話
「女学校で1番だったかもしれないが」
「2番です」
から始まった、ぐいぐいとこちらを引っ張ってゆく二人の掛け合い。寅子がこれからここに就職して、また観られると思うと嬉しくてたまらない。
そこに割って入ってくるライアン。
桂場と久瀬のこれまでの関係性を想像させる、沢村一樹と松山ケンイチのやり取りもいい。……そういえばライアン、親しそうなのに桂場は愛称で呼んでないんじゃないか?最初から名付けようとしていないのか、それとも提案された愛称を桂場が徹底的に拒否したのか。
桂場等一郎だから「トム」「トミー」「バーディ」?
次々挙げてみたところで、どれも一刀両断で却下されていそうだ。
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「GHQもサディを雇うことに大賛成してくれてね」
という言葉に喜べない、寅子も私も。婦人が特別扱いされるのは前と同じか……今でもある。個人の能力や実績ではなく、女性だからと特別扱いされてもな、というやつである。
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民事局民法調査室に「寅子の大学の同級生で、どこかの地裁から出向している」と聞いたら、そりゃ花岡(岩田剛典)では?!と期待する。
小橋(名村辰)かぁ……というのがあからさまに顔に出ちゃってる寅子に大笑いしつつも、いやでも、生きていてくれてよかったよ。悲しいことばかり積み重なった後なので、心からそう思う。生きててくれてありがとう、だから寅子につっかからないで。
でも小橋、寅子がガッカリ表情をする前に出迎えた「よう!」は、かなり好意的だったよねえ……わあ久しぶり!会えて嬉しいわ!という笑顔を期待したのだろうが、魔女だと囃し立てたり光三郎君の前で梅子さんを愚弄したりの過去を振り返れば、花岡や轟と同じ反応をしてもらえるだろうと思うのは、はっきり言ってドあつかましい。
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挨拶する寅子を迎える、低温の天ぷら調理のようなパラパラ音拍手。明律大学での魔女扱いほどではなくとも、歓迎はされていない。しかし、女だからという特別扱いだろうが歓迎されていなかろうが、とにかく家族を食べさせ、弟を大学に通わせねばならないのだ……当初の目的、婦人裁判官としての就職でなくとも。
と思ったら、ここで取り組むのは民法親族編・相続編の法改正!寅子が法律と向き合うきっかけ、「女性は無能力者」に「はて?」となった民法親族編・相続編。ここでも、物語の最初に立ち返った!
第3話で「戦後、この民法は大きく改正されることになります」というナレーションがあった。その改正に「はて?」を掲げた寅子が関わるのだ。
少女時代とは全く違う立場の、様々な経験を経て大人の女性になったヒロインが。
これは今週も見逃せないぞと、前のめりになる。
(つづく)