マガジンのカバー画像

8時15分以降の『虎に翼』6月

12
『虎に翼』感想文のまとめ、6月分です。
運営しているクリエイター

記事一覧

虎に翼 第61~65話

虎に翼 第61~65話

※61話から65話まで一気見したので、一気見の感想となっています。

なんということだ。前回のテレビドラマ感想文(記事はこちら) で

>子に徹底的に甘えられてしまう母という存在を、ここから先このドラマ
>は、どう描いてくれるのだろう。

こう書いたら、第13週は梅子さん(平岩紙)と大庭家の一族の相続問題でそれへのアンサーが出た。子だけでなく、家族に、家制度というものに徹底的に甘えられてしまう「母

もっとみる
虎に翼 第57~60話

虎に翼 第57~60話

※57話から60話まで一気見したので、一気見まとめ感想です。

福祉に繋がるべき人の議論で、よく揶揄として上がる声
「そんなこと言うなら、あなたの家でその人を引き取ったらどうですか?」
それを本当にやっちゃったら……というのを描いた週だったと思う。
朝ドラなので、最終的には上手くいく。しかし、そこに至るまでに綺麗ごとでは収まらないあれこれを随所に差し挟んでいた。

大人の男性である小橋(名村辰)さ

もっとみる
虎に翼 第56話

虎に翼 第56話

昭和24年1月3日。
滝行がわりの水垢離。滝藤賢一を毎週一回脱がせて筋肉を見せつけるつもりだろうか。水を滝のように浴びながら家庭裁判所の五大基本性格を叫ぶ。

独立的性格
民主的性格
科学的性格
教育的性格
社会的性格

「寒い!」
でしょうね!
日課ということは毎日やってるんだろうけれども、ご近所から苦情は来ていないのか。来てるだろ絶対。

************

この年から、ついに寅子(伊

もっとみる
虎に翼 第55話

虎に翼 第55話

直明(三山凌輝)がメンバーとして活動している、東京少年少女保護連盟の学生たちが、家庭裁判所設立準備室にやってきた。直明といい学生達といい、YouTuberか?というくらい瞳の中心が輝いている。キラキラしている。
少年裁判所の壇(ドンペイ)と家事裁判所の浦田(野添義弘)に

「おふたかたとも、見ている方向は一緒ということですね!?」
「手を取りあい、団結できるということは素敵なことです」

キラキラ

もっとみる
虎に翼 第54話

虎に翼 第54話

「その名前で呼ばないで」

ヒャンちゃん(ハ・ヨンス)に寅子(伊藤沙莉)との再会の喜びはなく、はっきりとした拒絶が返ってきた。はるさん(石田ゆり子)は、ヒャンちゃん……いや、香子の態度に理解を示した。

「ご結婚されたんでしょう。あなたの同僚(汐見/平埜生成)と」「私も直言さん(岡部たかし)と一緒になるとき、故郷の友人と縁を切りました。生きていれば色々ありますよ」

直言との結婚は、実家の旅館の利

もっとみる
虎に翼 第53話

虎に翼 第53話

少年審判所を家事審判所を合併し家庭裁判所を勧めるための話し合いは全く進まない。
「少年家事裁判所か・家事少年裁判所か」など、死ぬほどどうでもよい言い争いで時間が浪費されてゆく。このまま家庭裁判所が成立しなかったらどうなるんだ?という話で、小橋(名村辰)が責任取って誰かの首が飛ぶんだろと稲垣(松川尚瑠輝)と共に寅子(伊藤沙莉)を見る。
いや……嘱託職員の首に責任取る力はないよ。落ち着きなよ同期3人組

もっとみる
虎に翼 第51話

虎に翼 第51話

花岡(岩田剛典)が死んだ。

配給分以外にまったく食料がないのならともかく闇買いで得ることができる状況なのに、配給だけで生きてゆけという法を守った者が死んだのなら、国の失政の証だ。戦死、戦病死した人々と同じく「可哀想に」と涙するだけで済ませてはならない犠牲者だ。

チラリと映る新聞に「花岡判事の日記」が記事として載っている。
「食糧統制法は悪法だ、しかし法律としてある以上、国民は絶対にこれに服従せ

もっとみる
虎に翼 第50話

虎に翼 第50話

穂高先生(小林薫)の善意100%の、しかし完全に的外れな言葉が、ついに寅子(伊藤沙莉)から「はて?」を引っ張り出した。

「私は好きでここに戻ってきた。戦争や挫折で色々と変わってはしまったけれど、でも。私は好きでここに来たんです。それが!私なんです!」

足音高く部屋から出て行き、力いっぱいドアを閉める。
漲る怒り。そう、悲しみと積み重なったダメージによって萎れた寅子を内側から膨らませるのは、身の

もっとみる
虎に翼 第49話

虎に翼 第49話

花岡(岩田剛典)と寅子(伊藤沙莉)がお昼ご飯を食べながら、お互いの近況報告。
彼は東京に戻り、経済事犯専任判事として食糧管理法違反の事案担当をしている……

ヤミ米。『サザエさん』原作漫画の連載開始はちょうどこの頃(昭和21年)で、初期の漫画ではヤミ米と、闇商売で手に入れた食料が警察官に摘発される場面が描かれている。配給の食料だけではとても足りなかったのだろう。磯野家とご近所の人々の描かれ方で、当

もっとみる
虎に翼 第48話

虎に翼 第48話

「国民すべてが(君のように)法に明るいわけじゃない」
「国民は何もかも変化を強いられて苦しんでいる」
「まず未来ではなく、今目の前の苦しむ人を救いたいと私は思うが」

神保教授(木場勝己)の言葉に、花江ちゃん(森田望智)の泣き顔が蘇る。またこのドラマの巧いのが、神保教授が頭が固いだけのヴィランじいさんというわけではない、言葉に一理も二理もあるところだ。だからこそ、スンッとならざるを得ない……。

もっとみる
虎に翼 第47話

虎に翼 第47話

GHQの働きかけにより、個人の尊厳と両性の本質的平等を基本にして、多くの改正を目指す民法親族編と相続編。

寅子(伊藤沙莉)の言うように、これが実現したらどんなに喜ぶだろうと、去っていった仲間たちの顔が浮かぶ。

新民法、いいじゃない!どんどん改正を進めようよ!と思うのだが、妻が夫の家に隷属し縛られる形を完全に変えろというGHQの案をそのまま実現した場合、夫に先立たれた妻は婚姻関係がなくなるため、

もっとみる
虎に翼 第46話

虎に翼 第46話

昭和22年、3月。寅子(伊藤沙莉)の飛び込み就活……怪しげな紳士・ライアンこと久藤頼安を経て、1話のラストの場面。司法省・人事課での桂場(松山ケンイチ)の前に至る。

アポイントメントがないので人事課長に取り次いでもらえないという現場に颯爽と現れ、スマートに助けてくれたライアンにホッとしたものの「なんてお呼びしようかな……ともこさん。ともちゃん」……

「サディ!」

これを聞いて(あっ。こりゃめ

もっとみる