グリーン・フィンテックで里山再生 ~社会貢献活動にもサステナビリティを目指す「Nudgeの森」クラブ~
Nudgeは、自分の所属する「クラブ」を応援して特典がもらえるクレジットカードです。
普段の買い物の支払いの際にクレジットカードを利用すると、利用金額の一部が提携しているアーティストやスポーツチームなどに還元されるという仕組みです。
Nudgeには、ユーザーが自らの「推し」を応援したくなる魅力的なクラブが多数用意されていますが、自治体と組んだ地方創生や被災地支援、動物保護などの社会貢献にも、Nugdeは積極的に取り組んでいます。そして、共感してくださるユーザーに支えられ、Nudgeの機能を活用した社会貢献の輪が徐々に広がってきました。
本記事では、社会貢献に向けたNudgeの取組みについて、具体的事例を含め紹介します。
キャッシュレスによる「応援」を通じた社会課題の解決
現代では、地球温暖化や少子高齢化による地域の衰退など、さまざまな社会問題が表面化しており、日本でもデジタルネイティブ世代である若年層を中心に社会貢献への意識が強まっています。
一方で、若者層がいざ取り組んでみようとしても、いきなりボランティアや寄付に参加するのはハードルが高く、初めの一歩が踏み出せないのが実情です。
そこでNudgeでは、カードの「応援」機能を活用し、日常生活の中で意識せずに社会問題の解決に貢献できる仕組みを用意しました。
ユーザーは、普段遣いをNudgeカードに変えるだけで気軽に社会貢献活動に参加でき、Nudgeによる行動変容の促進が期待できます。
自治体やNPOなどと提携し、社会貢献(ソーシャル・グッド)への取組み
地域の課題を解決するためには、自治体や企業がそれぞれ単独で取り組むアプローチではなく、官民共同で多くの関係者が協働していくアプローチが重要とNudgeは考えます。
Nudgeは、これまでもフィンテックを通じた地方創生に向けて、石川県小松市をはじめ、福島県飯舘村、楢葉町など複数の自治体と地方創生推進協定を締結し、地域を応援するカードを発行するなどの取組みを進めてきました。
その他にも、少年少女野球の発展・普及、および野球を通じての少年少女の健全育成に向けた活動を支援する「松井55ベースボールファウンデーション」クラブや、戦渦のウクライナの人々に対する「ウクライナ人道支援」クラブなど、複数の社会貢献に向けた取組みを行っています。
植樹などの緑化活動(グリーン・フィンテック)の取組み
地球規模の課題であるカーボンニュートラルに向けた取組みを、金融テクノロジーを活用して推進する仕組みとして、近年「グリーン・フィンテック」が注目を集めています。
欧州を中心に、脱炭素に資する消費行動の見える化や、決済をきっかけに植樹を推進するようなビジネスが次々と生まれています。
Nudgeでも「広島Nudgeの森」クラブを開設し、ユーザーが普段のお買い物をクレジットカードで支払うだけで、Nudgeからの寄付を通じて広島のアカマツの森での植樹活動が支援できる仕組みを作りました。
広島Nudgeの森(グリーン・フィンテック事例)
ではクリーン・フィンテックの取組みとして、「広島Nudgeの森」が生まれた背景や、クラブの内容について詳しく説明します。
東広島のアカマツ林の抱える課題
広島Nudgeの森クラブの植樹活動の舞台となる森林は東広島市にあり、かつては豊かなアカマツ林でした。アカマツは、松茸の苗床となるだけではなく、土木資材や陶芸用の薪としても利用され、地域に多くの恩恵をもたらしていました。
しかし、寄生虫を原因とする「マツ枯れ」によりマツ林の枯損が進み、森林整備のための投資も進まず、「宝の山」といわれた広島の豊かな里山の景色が失われつつあります。
また、マツ枯れによって荒廃したアカマツ林では、森林機能が低下し、二酸化炭素吸収力が減少。さらに瀬戸内の地域の豊かな水資源を支える土壌の質にも影響を与えているのが実情です。
そこでNudgeでは、この森を「広島Nudgeの森」と名付け、自治体や地元企業と協働し継続的に植樹を行うことを決定しました。マツダスタジアムと同規模(約3ヘクタール)の土地で15年に渡る植樹活動を行い、豊かなアカマツ林を再生していきます。
植樹事業の概要
「広島Nudgeの森」の植樹内容は次の通りです。
実施場所:東広島市、入野財産区の保安林
広島空港から車で約15分の松林において、「マツ枯れ」で荒廃した森林を再生
事業期間:2022年から15年間実施
10年間毎年植樹を行い、植樹後の保育・保全活動を含め、計15年間にわたって活動を実施
協定締結:東広島市入野財産区・賀茂地方森林組合と協定
東広島市入野財産区の保安林をNudgeが無償貸与を受け、Nudgeから賀茂地方森林組合に対し森林の保全・管理を委託
広島Nudgeの森クラブ概要
ユーザーが普段のお買い物をカードで支払うだけで、ご利用料金の一部が、広島のアカマツの森での植樹活動の支援に使われます。
ユーザーのキャッシュレス決済が、何本もの苗木の植樹につながる仕組みです。
また「広島Nudgeの森」の再生には、広島県内の自治体や企業等のサポートをいただいています。
広島の森を、広島の力と共に再生することが、地域が共生する持続可能な森林再生の取組みにつながるからです。
そして、広島Nudgeの森クラブの会員は、カード利用による支援のお礼として、協賛企業が用意している様々な特典を受け取れます。ポイント制ではないので、期限を気にする必要もありません。
Nudgeが担う、グリーン・フィンテックの効果
「広島Nudgeの森」の取組みによる効果について解説します。
ユーザー累計額10万円ごとに、1本の苗木
「広島Nudgeの森」クラブのユーザー全員による貢献は、相当する苗木の本数に換算され、アプリ上でリアルタイムでチェックすることができます。
クラブユーザーの累計決済額10万円ごとに、1本の苗木に相当する支援が行われます。
広島Nudgeの森の植樹事業の完了により、自販機約800分のCO2を吸収
「広島Nudgeの森」における植樹活動が完成した場合、植樹を行った森林において今後50年間で期待される推定CO2吸収量は、約389トンとなります。アカマツ林の再生によって、自動販売機約800台が1年間に排出するのに相当するCO2を削減できるのです。
行政、地元企業、Nudgeの連携により、地域活性化
協賛企業が用意している特典は地元に密着したもので、特典を使うことでさらに地域が活性化するような工夫がなされています。主な特典は次の通りです。
「広島Nudgeの森」事業開発責任者の大塚和慶のご紹介
グリーン・フィンテックを促進する「広島Nudgeの森」の開発責任者をご紹介します。スタートアップであるNudgeに入社した理由や、広島Nudgeの森を通じてどの様な世界を創っていきたいかなども紹介します。
国家公務員からスタートアップへ転職
国家公務員として金融庁や海外の日本国大使館で勤務。
金融庁では地域銀行や金融商品取引業者等の監督業務、省庁間の政策の総合調整業務などを担当。
在英国日本国大使館に勤務していた際に日本のフィンテック企業とロンドンのVCとのミートアップイベントにて、フィンテック協会の代表でもある沖田(Nudge代表取締役)と出会う。
自分も新規事業の創出に携わってみたいという思いが強くなり、転職を決意。
広島Nudgeの森にかける願い
「欧米と比較して、日本は寄付文化が希薄であると言われることがあります。しかし、日本人の地域社会やコミュニティへの帰属意識はとても高く、社会貢献に気軽に参加できるツールがあれば、より多くの方々が社会問題への取組みを身近に感じられると考えて、「広島Nudgeの森」プロジェクトを実施しました。Nudgeによる行動変容で社会にインパクトをもたらすことが目標です。今後も多様なステークホルダーと共に、ソーシャルグッドや地域課題の解決に取り組んでいきたいです。」(大塚)
「東京-ロンドン グリーンファイナンスセミナー2022」の様子
東京都、駐日英国大使館、シティ・オブ・ロンドン・コーポレーションの共催による「東京-ロンドン グリーンファイナンスセミナー2022」(2022年10月25日開催)にて、ナッジ株式会社事業開発責任者の大塚和慶が登壇し、グリーン・ファイナンスの事例として「広島Nudgeの森」を紹介しました。
本セミナーは、小池百合子東京都知事による開会挨拶・基調講演で始まり、シティ・オブ・ロンドン ロード・メイヤーのヴィンセント・キーヴェニー卿による基調講演や、日英政府関係者による対談、国内外の企業による事例紹介、パネルディスzカッションを通じて最新の動向や先進的な取組などが紹介され、ジュリア・ロングボトム駐日英国大使の閉会挨拶により閉幕しました。
詳細は、プレスリリースをご確認ください。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
Nudgeは、今後も「広島Nudgeの森」クラブを通じて広島の森林再生に貢献してまいります。
また、SDGsの達成に向け、自治体や地域の企業等と連携し、キャッシュレスを通した地方活性化や社会課題の解決を支援するプロジェクトを拡大していきます。
Nudgeは、さまざまなクラブオーナー様と一緒に、「未来の金融体験を創る」会社です。
少しでもNudgeにご関心あれば、お気軽にご連絡ください。