レンタルスペースを始めた直後の心理とイケア効果
自分がいらなくなった本をブックオフに持っていったら、店員さんに1冊10円という値段を付けられてがっかりしたことはありませんか?
最近だと、自分で価格も設定できるメルカリで出品する方が楽ですが、自分で価格を決められると、ついつい自分が出品する本には高い価格を設定したくなってしまいますよね。
そしてそれが売れれば良いのですが、たいていの場合はなかなか売れず、結果として少しずつ値段を下げることに。
ヒトは一度でも自分が保有してしまうと、他人よりもその所有物を高く評価するようになる傾向があり、行動経済学では「保有効果」と呼んでいます。
保有効果(endowment effect)
自分が所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと感じる心理現象
ちなみに同じような効果で、イケア効果というのもあります。
イケア効果(IKEA effect)
自分が作ったものに本来以上の価値を与えてしまう心理効果
これは、2011年にハーバードビジネススクールのマイケル・ノートン氏、イェール大学のダニエル・モション氏、デューク大学のダン・アリエリー氏によって発表されています。
利用者の感覚を持つことが大事
前回はレンタルスペースを始めた直後は、利用者のレビューを増やすことが重要であることを書きましたが、今回はレンタルスペースを始めた直後のオーナーさんがついついやってしまうことについて、保有効果の観点から考察してみます。
さまざまなきっかけでレンタルスペースを始めるオーナーさんは、物件探しから、家具や備品などの調達など、オーナーの方は本当にたくさんの時間とお金をかけてスペースを作っています。
当然ですが、時間とお金をかければかけるほど自分のスペースに対してどんどん愛着が湧いていきますね。
そんな心理状態の中で、利用者に貸し出す価格を決めることになるとどのような価格にするでしょうか?
実際に初めて掲載したばかりのスペースの価格をみると、「ここまでこれだけの時間とお金をかけたのだから...」という思いから、ついつい高い価格設定をしてしまい、価格が相場よりも高くなってしまうことが多いのです。
ただ、オーナーさんの苦労を無かったことにはできないので、短期的な戦略としては価格を相場に合わせたり、場合によっては少し相場よりも低くすることで、利用者とレビューを増やしていくのが良いと思います。
そして、レビューも増え、利用者が増えていけば、自分のスペースに見合った価格に調整していくことができるはずです。
実際、複数のレンタルスペースを運営しているオーナーさんと話すこともありますが、このような考え方を持っている方が多いです。
レビューを増やすために、レンタルスペースを始めた直後は特に利用者の感覚を持って価格設定をすること
まだ書き始めたばかりですが、レンタルスペースをされている方が少しでも参考になる情報をこれからも書いていこうと思います。
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