CTO を退任、会社を退職し次なる目標に向けての所信表明
はじめに
創業時から7.5年、会社統合時の企業母体の1つスケールアウト社から数えると9.5年在籍したKDDI の子会社、Supership(以降SSと表記) 社を2023/03/31 付でCTO を退任し2023/05/15 付で退職しました。
この記事は約10 年に渡り貴重な人生経験をした記録の断片を残すと共に
今後の行動指針を所信表明という形でいつでも振り返られるようにしておく意図で書きました。
今まで何をしてきたのか?
三行で
12 年に渡りヤフー社でソフトウェアエンジニアとして働きました。Google に検索エンジンをリプレースするオペレーションを担当し、主だったトラブルなく完遂した事は今だに誇りを感じています。
KDDI グループの仲間入りをしたスケールアウト社に2013/11/01 にジョイン、以降検索事業を社内起業し事業を牽引してきました。
SS 社に統合後は2020 年からCTO に就任、2021 年からグループCISO を兼任し攻守一体の技術経営に尽力しました。Google Cloud Next'22 でオンライン登壇した内容はITmedia さんが記事にしてくれました。
なぜ退職をするのか?
三行で
10年を区切りに人生を見つめ直す事を最初から考えていました。この10年間で一介のソフトウェアエンジニアから己の才を自覚し経営インパクトのある成果を継続的に出しやりきった感覚もあります。何度も己の施策記事がYahoo!ニュースに配信されて嬉しかったです。
その最中2社の上場企業と面接を重ねる中で、転職する気持ちが芽生えていったのは2社共に対面で会話した経営者達と打てば響く会話ができた事が大きいです。無事に採用通知を受け経営者として己の可能性を更に拡張する最大のチャンスと捉えました。
50歳という節目の年齢を目前に控え、残り少ない仕事人生の時間と体力をかつてのヤフーのような社会に対し影響力のあるコトに向かいたい、その事に再び己のリソースを投入したいと考えました。
退職の決断をするまでのプロセス
まずは何より家族(主に妻)に相談です。2社から転職相談が舞い込んだ時点ではそもそも転職に対して否定的な意見を貰っていました。理由としては… ①妻としては所得面や子育て時間の確保など現環境に十分満足している(寧ろ感謝されました)②その環境面に少なくともあと2年間は変化を望まない(子が卒園するまで)という事でしたのでこの二点を両社の面談で相談しつつ、途中で不採用となる事も考え最終面接前まで妻に進捗を報告しませんでした。そして1社の最終面接前日に実は転職を考えており最終面接まで進んでいる事、妻の懸念事項はほぼクリアできるよう相談、交渉を行った事を伝え了承してくれました。
2社から採用通知を受けつつ、SS 社に残り山積みの経営課題に取り組み続ける事も視野に入れ(転職相談を傾聴し始めた段階では明確に転職意思は現状ないと断った上で聞いていたので)検討しました。検討中の期間2社とはかなりの回数のやりとりを継続させていただきました。ありがとうございました。
OODA は得意なのですが、今回ばかりは決断を下すまでに時間を要しました。普段懇意にさせていただいている他社のCTO や投資家、起業家の方々に社名を伏せた上で客観的な意見を伺いました。
その中でもある投資家の方から「失敗しても後悔しないと思える選択をすれば?」という言葉を頂戴した事が大きな要因となりました。
今後の予定
2023/05/16 から株式会社メルペイにジョインします。
なぜメルペイなのか?
数百億以上の市場規模が見込める事業に対し、ソフトウェアエンジニア以上の影響力をもって臨みたい、またその機会が巡ってきたと考えました。
「すごすぎる」と認識できる経営陣が集う環境で経営者としての可能性を更に拡張したいと同時に己の能力の底上げ(英会話能力など)が必須な環境に身を投じる事ができることを挙げます。
ミッションである「信用を創造して、なめらかな社会を創る」ことに大変共感しています。私が長年情報検索に携わってきたのは、少しでも世の中の情報格差を是正して持たざるものたちの人生に少しでも好影響を与えたいという想いがありました。
またメルカリグループ全体として循環型社会を実現していくこと、2025年問題以降の日本はどうなる、気候変動への取り組みなど富野由悠季信者として、2100年まで生きられる可能性を持つ子の親として人新世のヒトの業にどう立ち向かうか?という事を真剣に仕事の中で実装していきたいという想いがあります。
謝辞
という訳でSS 社を退職する事にしましたが
自分の人生を見つめ直すタイミングでヘッドハンティングがなければ
きっとそのままCTO を続けていたと思います。
コロナ禍ではこのような企画を立案しましたが、即行動に移行できる機動性の高い動きもできました。
2018年までこのハイブリッドスタートアップという言葉をSS 社は頻繁に使っていましたが、ボトムズで例えた上記フレーズがピッタリな印象です。
ただボトムズで言う所の異能生存体として数々の修羅場を乗り越えてきた事が今回の人生の選択に繋がっているのでその環境を用意してくださったKDDI グループ、SS グループ関係各社の方々には感謝しきれません。
待遇的な不満もほぼありませんでした。年収もスケールアウト入社時の2倍になりましたし、かなりの株数の新株予約権を付与してもらっていました。
各種制度も満足のいく内容でフル活用させてもらいました。
不満を敢えて挙げるならば
もっと会社の経営に深く関与する立場でありたかった
想像以上の超巨大企業による企業統治で折角の通信アセットを活用した事業企画が全くと言ってよいほど通らなかった
グループ内で市場を取り合う事が健全な競争原理上で機能してないように思えた
という自分の力ではどうしようもない部分なので
そういうもんだよねと今となっては受け流せます。
ただ退職したい旨をSS 社、SS ホールディングス社の両社長にお伝えした際に上記の不満点も伝える事ができましたのでそれで良いと思っています。
だって辞めるし
ただ本当にこの約10年の仕事人生は、やらねばならぬと思ったことをひたすらやり続けてきただけなのに
まさかこんなに仕事について深く考え、立場も与えられ人生が大きく変わったと実感できるようになるとは思いもよらぬ夢のような時間でした。
大変感謝しております、ありがとうございました。
最後に
SS グループでは積極的に採用活動を行なっています。
以下のオープン社内報で社外にも積極的に情報発信を行っています。
何かの弾みでこの文章を最後まで読まれました方で会社に興味を持ってくださる方がいらっしゃいましたらご一読くださいますと幸いに存じます。
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