絶対なくならない仕事で若手をリーダーにする~社内のとある「塾」の実態~
「宮林塾は鍛えられると評判が良い」
ERPソリューション事業部の事業部長からそんな言葉が飛び出した。
宮林圭輔。
ERPソリューション事業部在籍。
新卒で入社し現在16年目。
私はそんな「宮林塾」の実態が知りたく、インタビューのオファーをした。
80人を超えるメンバーをかかえる事業部長から若手育成の登竜門として名指しされた宮林。
どんな人物なのだろうか。
筆者もコロナ禍入社であり、宮林と直接会ったことがない。
事実上の初めましての中、インタビューは始まった。
■宮林という人物
現在は新しく始まったばかりのプロジェクトに若手をひっぱるリーダーポジションとしてジョインしている。
朝、昼、夕方のミーティングの中ではリーダーとしてメンバーをまとめあげ、
仕事の割り振りや新人の課題の吸い上げなど業務は開発以外に多岐にわたる。
「面倒をみるのは好きですね。世話好きなんだと思います笑」
と宮林は答える。
今参加しているプロジェクトもメンバーの半数が若手だ。
おそらく宮林塾の新しい”塾生”となるのだろう。
筆者の宮林の第一印象は
「細かいところまで目が届く」というものだった。
■大きな2つの転機が自分を成長させた
今となってはプロジェクトのリーダー格を務める宮林だが、
今のポジションに至るまでにどういったことがあったのだろうか。
「入社して最初はSAPをやらせてもらっていました。
でも、新卒の頃はリーマンショックの影響でSAPの案件が全然なかったんです。
営業のデスクの前に待機のエンジニア達がずらっと貼りだされていて…営業の人達がピリピリしていたのを覚えています。
そのような中、2年目の時にたまたまSAPのCRMプロジェクトに入らせてもらうことになったのです。
が、その時の勤務時間がすごいことになりまして笑」
まだ今ほど労働時間の決まりが厳しくなかった時代。
筆者の想像する「SE=労働時間が異常で家に帰れない」
というそのまんまの像だったが、どうりでこの価値観が生まれたのはちょうど宮林がこのプロジェクトに参加している時期であった。
時代が時代だったのだろうがなるほど納得。
人によってはメンタルを崩しかねない状況だが、宮林はこの状況を苦とは思わず、笑ってこう答えた。
「時間的にはしんどかったのかもしれませんが、同じプロジェクトメンバーで一致団結してがんばろう!!ってなっていたので精神的には辛くはなかったです。むしろ充実していました。
今となってはお互い笑える話で、プロジェクト先で仮眠したり、前日と同じ洋服の人が何人もいました笑
あれ?昨日と同じ服じゃない笑?ってつっこみあったり笑
それこそリーマンショックの時代って本当に自分で頑張らなきゃどうしようもならないっていう時代でした。
周りの人がプロジェクト先のコスト削減でどんどん減っていくのを見てきているので、一日でも一か月でも長くいるために、
プロジェクトが少ない中で若い自分をアサインさせてくれた会社に恩返ししたくて必死に頑張っていましたね。」
そんな宮林、今はERPの中ではSAPではなく日本マイクロソフトが提供しているDynamics365のプロフェッショナルの一人だ。
宮林塾もDynamics365を触ることのできる若手を育てている。
SAPからDynamics365へ宮林のキャリアを変えたのは、意外にもたまたまな理由だったそうだ。
「当時の社長が『これからは Dynamics の時代がくる!』ということでDynamics AX 2009 (Dynamics365 Finance & Operation の旧パッケージ名)に力を入れ始めたんです。
そんな中、今でも非常に良い関係が築けている得意先なんですが、初めてDynamics AX 2009で直接契約、いわゆるプライムで契約できた会社がありました。
その得意先の導入のメンバーに選ばれ、何人にも支えてもらい本番稼働を迎えることが出来ました。
でも、そのあとの保守フェーズで、自分が保守の中心メンバーに抜擢されてしまったんです笑」
プライム案件でいきなり会社を代表する中心メンバーとなり驚いたという。
ただ、宮林はその環境があったからこそ今の自分がいるとも振り返る。
「すごい成長しますよ。自分で何でもやらないといけないし。
でも得意先の方たちもとてもいい人達だったので、
一人で悩むのではなく、色々話し合いながらDynamicsを触って、
お互い納得するところまでもっていったりしていました。
コミュニケーションをしっかり取りながら仕事ができていたので成長している実感がありましたね。
あと一番良かったのはお客さんの生の声が聞けたこと。
とても感謝されるんです。本当にやりがいを感じました。
最初のCRMの案件と、この最初のDynamicsAX 2009の案件でだいぶ鍛えられました。
僕、一つ一つのプロジェクト期間が長いんです。それでじっくりひとつのプロジェクトでDynamicsを触り続けることができたのも大きいかもしれません。」
そのようにしてDynamics365のプロフェッショナルとなった宮林。
年齢も30代後半となって脂がのってきた彼が次に目をつけたのは後輩の育成、いわゆる「宮林塾」だった。
■新人や若手の不安や焦りを払しょくするのが自分の役目
「宮林塾って別に塾みたいに授業やって、テストやって、はい合格っていう学習塾スタイルじゃないんですよ。
誰かが僕の下についた若手が優秀で次々と成長していく姿を見て宮林塾って表現をしたと思うんですよね笑」
そう少し照れながら話す。
筆者が想像していた「宮林塾」は完全に「学習塾スタイル」だったので面食らってしまったが、
逆にじゃあどうやって部下を成長させているのか興味が湧いてきた。
「でも『宮林塾』って言われているのだから何かあるんですよねえ」
と踏み込んで聞いてみた。
「特に新人の後輩に向けてなんですけど、色々と不安だと思うんですよね。
今このご時世が不安にさせているのもあるし。
中途で入社したとしても、ではDynamics365など新しい勉強をしましょうというのは、すごく漠然とした不安があると思うんです。
あとはその会社にずっといて大丈夫かなとか。
僕はそこを何とか払しょくしたいと思ってるんですよね。」
実際今の若手世代はキャリア焦燥感が見て取れる調査もあるくらいだ。
その不安と宮林はとことん向き合いたいという。
「最終的にはこの会社でやっていってもいいかなって思ってもらえればいいなと思っています。
じゃぁそれってどうすればいいかとなると、まずは先輩の僕を信頼してもらわないきゃいけなくて。
じゃぁ信頼してもらうにはどうすればいいのかってなってくると、彼らが求めているものは何なのかというのを自分なりに吸い上げていくんです。
プログラムを物凄く勉強したいということであれば、こういう風にやればいいんだよって伝えるだけでなく、悪い例も伝える。
悪い例を知ると良し悪しの比較ができます。
そして、なぜ良いか、なぜ悪いかという観点で学んでもらいたいです。」
なるほど、きちんと段階を踏んで論理的に分析している。
教えることが好きなこととこういった論理的思考が宮林塾の原動力となっているようだ。
「ずいぶん前になりますが、入社して数か月で悩んでしまう若手もいました。
昔すごく優秀だった若手がいて、色んなこと教えて吸収もすごかったし考える力もあった。
ですが、その後辞めてしまったんです。
彼は何で辞めてしまったんだろうなって考えたんですけど
「仕事って何なの?」
っていうところの折り合いがつかなかったんじゃないかなと思っています。
学生の時って基本的に教えてもらえるじゃないですか。
でも社会人になったら、全て自分で調べて行動しなくちゃいけない。
環境が全く違う。
その中で仕事と上手く折り合いがつかなかったり着地点がうまくいかない、それで悩んでしまう事がある。
そういう若手の悩みを吸い上げて色々と教えてあげたいんです。
大丈夫だよという所まで自信を付けさせたい。
悩んでしまう若者を減らしていきたいんです。」
思わず泣きそうになってしまった。
こんなに人のことを若手のことを考えている社員がいて
活き活きと私にぶつけてくるプラスのエネルギーが圧巻すぎたのだ。
ここまで力強く語っていた宮林がここでふっと笑みをこぼして本音をポロリと言った。
「あとは後輩たちに成長してもらって、今の僕の仕事を割り振りたいんですよね笑
そのために教育は必要と思っています。
僕の作業ができるようになれば、いずれプロジェクトのリーダーといった立場の仕事もできるようになります。
それは本人のためにもなるし、最終的に自分のためにもなるんです。
僕は一歩引いて次の人にバトンを渡す役割をしたいですね。」
次の言葉を聞いたとき、筆者はエヌティ・ソリューションズという会社の社風を感じ取ることができた。
「疑問に答えてあげるっていうのが先輩の立場だと思っています。
昔は社会的に技術や知識は自分の持ち物だからあまり渡さないという風潮もありましたが、今は検索すれば、調べれば出てくる。
だから僕も隠さずやり方を教えてあげるのがいいと思ってやっています。
自分の経験してきたことや技術的なことを、経験者にはレベルアップしてもらいたいし、
新人の子達にはエヌティ・ソリューションズという会社へ定着してもうために頑張っていきたいですね。」
筆者がそういう会社に今までいなかったから特徴として感じ取るのだと思う。
《1回聞いたら、同じ質問を二度と聞くな》
そういうところにいたのだ。
でもエヌティ・ソリューションズは違っていた。
事業部や部署が違っていても同じ。
《疑問に答える、質問に答える、全員でレベルアップしていく》
そう感じられるのだ。
■宮林塾の塾長が言うエヌティ・ソリューションズのすすめ
「ERPはなくならない。会社っていうものがあれば絶対必要なものですから。」
自信を込めて宮林は言う。
間違いない。
地味と言われているERPだが、業務がある限り無くなりはしない。
組織のシステムを形成するために絶対必要な工程であるし、
市場も堅調な伸び率を維持している。
常に成り手不足なのも納得できる。
むしろ成り手不足で常に困っているのがこの業界なのだが。
最後にエヌティ・ソリューションズと
所属するERPソリューション事業部についてこう話していた。
「僕が15年ずっとやってこれたのは、やっぱり自分が成長できるし、事業部内が縦割りというわけではなく、割とフラットなんですよ。
だから結構物事を言いやすい。
自分からプロジェクト変えてほしいって言うこともできるし、
Dynamics365を触りたいとかやりたいことを言えばそういうプロジェクトに入れてもらえる。
事業部長と二人でラーメンとか行けちゃうんだから笑
心の距離が近いんだと思いますよ。」
適度なガス抜きができる環境、そして自分のやりたいことができる成長できる環境。
転職活動中、または就職活動をしているこの記事を読んでいるあなたへ届きますように。
「宮林塾は鍛えられると評判が良い」
2023年7月、男子高校生がなりたい職業の1位に
「ITエンジニア・プログラマー」が躍り出た。
宮林塾でぜひ鍛えてみたらどうだろうか。