【web_article】AIと自動化が後押しするバーチャルキッチンの時代
バーチャルキッチンとは?
サンフランシスコを本拠とする Virtual Kitchen Co は、多くの企業が参入している配送専用フードビジネスの一角に加わる。データ、オンデマンド配送インフラ、戦略的に配置されたキッチンを活用することで、レストランが最小限の先行投資でサービス提供範囲を拡大する手助けをする。
データを活用して配送に適したキッチンを設立する最適な場所を見つけて、これを借りる。他方、レストランに対しては、新たな立地場所で迅速にスケールできるようオペレーションとテクノロジーの根幹にアクセスできるようにしている。
サービス提供範囲を拡大したい既存のキッチンからすれば、従来からある来店型店舗を設立するのは費用がかかり、リスクの高い施策となる。繁華街で長期間リースするとなると費用が高くなり、ビジネスが軌道に乗る保証もない。バーチャルキッチンでは配送面にのみ気を配ればよいので、サービス提供地域が近いのであれば、概ね場所を問わず事業を開始できる。そしてレストランは注文を増やすのと同時に間接費を削減できる。
大事なのはデータ
こうした取り組みの多くで中でも特筆すべきは、「フードの起業家」がどこにキッチンを置くべきかが分かるだけでなく、どのようなサービスを提供すべきかを教えてくれる大量のデータの存在だ。ローカルな人口地理データを使うことで、特定の地域でどのようなフードの店舗ならうまくいくかが分かるほか、リアルタイムの消費者データや業務運行データを組み合わせることで、メニューの調整や新たな試みができるようになる。
「2030年までには現在家で調理されている食べ物のほとんどがオンラインで注文され、レストランやセントラルキッチンから届けられるようになるというシナリオもありえる。食品小売業、食品メーカー、レストラン業界、さらには不動産市場、家電、ロボット工学への影響は重大なものになる可能性がある」という。