話題のゲーミングマンションの法的論点を整理・予想してみた
1 はじめに
今話題のゲーミングマンション。ストリーマーさんや競技選手の方々は、最適な通信環境を求めておられ、また騒音等の近隣トラブルに悩まされることが多いです。ゲーミングマンションは、ゲーマーの方々の需要に特化した居住サービスになります。
かなり反響があるようで、全国的にこうしたサービスが広がりそうですね。
面白い試みで是非とも応援したい気持ちがありますが、弁護士目線で見ると以下の事項を気にすべきじゃないかな、ということを思ったので、以下ご紹介します。こうしたトラブルを予防して、素晴らしいサービスを提供いただきたいですね。
2 身バレリスクが高まる
集合住宅に複数の活動者さんが住まわれることになります。配信や動画などで、新しい居住環境を撮影して視聴者やファンの方にご紹介することも多いでしょう。そして、「今住んでるマンション、○○さんもいるよ」なんて話題も出てくることは容易に想像できます。
ファンの中には、歪んだ愛情表現を抱くストーカーのような人間が紛れていることは往々にしてあります。そんな人物は、情報を収集し、気になる活動者さんを特定しようとすることは考えられるでしょう。
入居される活動者さんにおかれては、必要「以上」のプライバシーを晒さないように配慮することが大事です。
参考までにこちら。実際にVtuberさんが入居してたかは分からないですが見る人が見れば場所は分かってしまう(候補は限られる)ということですね。
3 集合住宅「外」との近隣トラブル
集合住宅内は、同じような境遇の入居者が多いでしょうから、多少の騒音や(あり得ない時間帯の)大声等については「お互い様」と受け入れられることが多いでしょう。
他方、集合住宅「外」にまで被害が及ぶようであれば、それはゲーミングマンションの管理・支配領域から外れてしまいます。相隣トラブルについては気をつけましょう。
※地域によって異なりますが、夜間は40デシベル以下に押さえるのが無難とされています。
4 失火の危険性
活動者さんは、一芸に秀でた、優秀な方が多い分、私生活がだらしないことも多いです。
ゴミが散乱していれば、失火の危険性はあるでしょう。
これは伝説ともいえる動画でしょうが、、配信中にタバコの火を消し損ねた結果、大火事に至った事案です。
ゲーマーの場合は、PCが高熱を帯びて失火につながることもあり得るでしょうから、注意が必要ですね。
なお、失火責任法という法律があり、軽度の過失であれば失火の責任は問われないことがありますが、重過失の場合は通常通り責任を問われてしまうので注意してください。
5 活動者間の情事
活動者さんたちは、若い子が多く、良いお年頃ですから、恋愛をすることはあると思います。
恋愛するのは自由ですが、未成年淫行や児童ポルノなどは絶対にやめましょう。今は本当に刑法の改正が続いており、昔以上に厳しい世界になっています。
6 収入不安定による賃料滞納のリスク
活動者さんは配信・動画収益は一定するとは限りません。チームに入っている選手も、多くの契約内容の多くは業務委託であり突然の契約解消もしばしば話題になります。
個人事業主一般にいえることですが、こうした立場の方は賃料収入として不安定になり得ることが多いので、保証会社の利用や、賃借人は信用力のある方にした上で更に転貸借をするなど、配慮が必要です。
7 薬物等の犯罪の温床に?
今、本人はものすごく頑張っているでしょうからあまり触れるのは本意ではありませんが、、フォートナイトの実況者のねこくんは、友人とシェアハウスで住んでいた際、コカインや大麻を所持したことで逮捕されたことがあります。
ユーチューバーは、プレッシャーやストレスを多く抱える仕事だと思いますが、その発散の仕方がおかしな方向に言ってしまうこともあり得るため、注意が必要です。ねこくん!の場合は、関係者全員についてまで薬物が浸透していたわけではなかったようですが、ゲーミングマンション内でそのようなよからぬ動きがあれば、止めなければなりません。
8 その他
ゲーミングマンションとは異なりますが、最近はこういう防音室も販売されてるみたいですね。
これは2021年の投稿。Vtuberさんの界隈では似たようなビジネスが始まってたみたいですね。
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