1 はじめに
いま予選が大盛り上がりのVALORANT Challengers Japan Split 1ですが、数日前には、数名の選手が突然契約解除やLFTを表明したり、また、とあるチームが過去の規約違反等を理由に参加資格剥奪処分を受けたりと、様々な騒動がありました。
VALORANTの大会出場は、大きなビジネスチャンスが見込める分、しっかりとルールや規約を理解して、試合に準備することが大事です。
今回、私なりにざっと読んでみて気になったことをまとめてみましたので、良かったら参考にして下さい。(一番情報量が多いのがルールブックなので、以下、別段の指示がない限りはルールブックから引用です)
※なお、私自身は、VALORANTのゲームを趣味でよくやりますがプレイ自体は下手なので、技術的な視点は除いた解説になります。
また、現場でなされる運営の判断は、実際のルールブックなどとは異なることがあり得ることにも注意が必要です。ただし、何かトラブルがあったときにはルールブック等が優先(※正確にはRiot側に有利な解釈が優先)されますので、やはりルールをしっかり読むことが大事ですね。
2 年齢制限や地域要件等
公式競技の初日の段階で満16歳以上であること、(居住する国等の法律に照らして未成年の場合は)法定代理人の同意が必要です。
その地域(日本)に居住する者が3人はスターティングロースターに必要。
海外選手は最大2人まで登録可能だが、APAC地域以外の選手は1名まで。
3 ロースター構成
スターティングロースターは5人、サブは2人登録することが可能です。
報酬の負担などから、実際には5人に絞っているチームが多い印象。
(※ぱっと読んだ感じ見当たらなかったですが、コーチはサブで登録できるんですかね?)
4 素行調査
これは選手が一番気をつけるべき点の一つです。
参加申込みの後、運営はプレイヤーの素行調査(明記はないがSNSも?)やアンチチートの調査を、最大1週間かけておこないます。
その結果、調査に不合格となった場合は制裁措置の対象となり、場合によっては失格となることがあるようです。
5 デバイス
オフラインの試合を念頭に置いた規定ですが、)PC用キーボード、(2)PC用マウス及び コードホルダー、(3)マウスパッド、(4)カナル型イヤホンはチームや選手で用意して使用することが可能なようです。
他方、大会運営者から給付されたもの以外のヘッドセット、イヤ ホン、マイクを持ち込んだり、使用したり、装着したりすることはできない、とのことです。
6 試合中エリア
PC周辺のエリアにおいて、試合中は参加プレイヤー以外はエリアに立ち入ってはいけない、と。
チューインガムはOK,タバコはダメ、メモ帳等もダメ。飲み物は大会運営が認めた蓋をした容器に入っていればOK
※オンライン試合の場合、その選手がいる部屋は部屋全体が試合エリアとみなされるため、ゲーミングハウスなどで試合を行う際は十分なスペースや部屋数が必要ですね。
※オフラインの試合の配信を見てると、レッドブルの容器に入った飲み物を選手が飲んでいた記憶がありますが、中身はレッドブルとは限らないということですね。
7 ペナルティー
違反行為については、警告や賞金没収、マップや試合の没収、トーナメント没収、スロット没収、出場停止、失格や出場禁止などが課されます。
故意でないものや、SNS向けの何らかのパフォーマンスの一環として行われたものも制裁措置の対象になります。
8 選手としてのふるまい
何かと選手の不適切な振る舞いが取り沙汰されますが、ルールブックにもその点は言及されています。
※死体撃ち、等の具体的な例示はされていないようですが、運営が不適切な振る舞いと判断すれば、それは制裁の対象になり得ます。
9 法的に気になったこと
その他、弁護士目線で気になったこと。
運営側の責任に起因する遅延など(債務不履行)については、逸失利益、間接損害、付随損害、結果損害、特別損害、懲罰的損害を請求することはできない、とのこと。
定型約款の有効性が問題になり得ますが、基本的には運営側の責任によるトラブルについてはチーム側、選手側から賠償請求は出来ないと覚悟しておいたほうが良いかと思います。
管轄裁判所がどこかは明記されておらず(翻訳の都合?)、また法律上の有効性は疑義がありますが、大会トラブルについては、損害賠償請求のみがなしえるものであり、差し止め等はできないと書かれています。
ルールブックの条項と運営が単独でした決定とが矛盾する場合は運営の決定が優先されるようです。また、運営は、その都度、ルールを変更等できるようですので、変更があったかはチェックが必要です。
国際取引の契約でもよく問題になりますが、日本語のルールブックは原文が英語であり、そちらが優先します。また、Riotの判断で日本語の方が有利な場合は日本語版も優先すると書かれています。
10 補足
ルールブック
https://assets.contentstack.io/v3/assets/bltb730eada072bdbf4/blt8a4ee8dab44c965b/65ae1ad7cdbb9614dfc50caf/VALORANT_Challengers_JAPAN_Competition-Rules-JPN_1.1.pdf
競技ポリシー
https://assets.contentstack.io/v3/assets/bltb730eada072bdbf4/bltb9d4ba1da9d75d46/65941cbfb6f924e517be1c02/VALORANT_Challengers_JAPAN_Global-Competition-Policy-JPN_1.0.pdf
オーナーシップ
https://assets.contentstack.io/v3/assets/bltb730eada072bdbf4/bltd40f3bee18a32000/65941cbfb177906ed9d026f1/VALORANT_Challengers_JAPAN-_Ownership-Policy-JPN_1.0.pdf
予選直前に資格剥奪されたチーム
以下は、予選が始まろうとする中で、契約解消などの事態が発生してしまった選手。苦難を乗り越え、今後頑張って頂きたい選手になりますね。
予選より約1ヶ月前に契約終了となったFlax選手(※その後、クレストゲーミングさんに加入)
予選数日前に契約終了となった茨城忍者選手