ゴールデンカムイ現地学習 〈北海道大学植物園・1〉
2023.11.3
北大植物園は通勤途中にあって毎日外から見てるのに、入った事がなかった。
すごく充実した施設で、こんなに見どころ満載なら春夏秋冬それぞれ見に来たいなと思うほどだった。
北大植物園の中は植物園だけでなく、博物館や北方民族資料室など施設もある。
博物館は、ゴールデンカムイ江渡貝くんの家のモデル。
北方民族資料室にはアイヌ関連の展示があるということで、その2つを目的にして行った。
結果、植物園もすごい見応えだったのだけどまずは博物館と資料室について。
博物館
元は明治15年に、開拓使の博物館として建てられたもの。
北海道初の博物館。
当時は主に屯田兵らが開拓中に手に入れたものを収蔵・展示していて、開拓使が廃止されてからは所有が北大に移った。
今は主に動物の剥製を展示していて、入ると無数の剥製がケースの中に佇んでいる。
まるで生きているかようなのに生きてない。怖い。
美しさと不気味さの両方が際立っていて江渡貝くんのイメージそのもので、この建物に剥製作家の江渡貝くん住まわせた野田先生すご!って思った。
北海道や樺太や千島に生息する固有種がたくさん展示されていて、エトピリカとか、北海道に住んでてもほぼ100%見ることのない生き物もすごく間近で見る事ができた。
なんか怖くてあんまり写真撮れなかったけど、これは撮らねばと思った生き物たちを。
格子の展示ケースがすごく可愛いなと思って、説明を読むと、明治の頃はこの格子のケースだったのが、いったんふつうのケースになった時代もあって、そのあとまた格子のケースに復元されたらしい。
だから、明治の頃も来たという人がもしまた来ても、わりと当時の雰囲気をそのまま味わえるのかなと思った。
北方民族資料室
主にアイヌと、あとニブフとウィルタの道具も少し展示してある。
入り口に掲示されてる貼り紙が、心に重くのしかかる。
北大が、当時の大学のアイヌに対する姿勢をきちんと否定していてすごいなと思った。
確かに展示されてるほとんどの収蔵品は収集場所や年代が明記されているので見やすい。保存状態も良い。ただそれが、そういう研究意義だったからなのだと思うと、その見やすさや状態の良さに心が苦しくなった。
けれど、意義に決して許してはいけない部分はあっても、そのお陰で場所もわかって状態の良いものが今こうして多くの人の学びに役立っているのも事実で、すごく難しい問題だなぁと思った。
神々しすぎて写真が撮れなかったのだけど、標茶で昭和に行われたイオマンテ(熊送り)のヌササン(祭壇)が展示してあって、そこにピンネシリ(雄阿寒岳)のイナウ(木幣)もあったのがとても印象的。イナウにも地域性がすごくあるんだなと思った。
あと、昭和10年に旭川の川村カ子トアイヌ記念館で行われたイオマンテの映像もあった。当時のテロップがそのまま入っている映像資料。
映像を見た感じだと観客もたくさんいたので、たぶん自然発生的に行われたというよりは「見せるため」「北大の資料として記録するため」に行われたものなのかなと思う。
ウポポイでもイオマンテの映像は見たけど、やっぱり神々しくて尊くて、動物として考えると辛いけど、それもそうやって熊と生きてきた中でアイヌが選んできた共存方法なのかなと思うとただただ畏敬の念を感じる。
信仰が結局、北で生きる人たちの理にかなっている。
アシㇼパさんのイオマンテの解釈の通り「大きく育てた方が取り分が多くなる」もそうだし、いま全国で熊の被害が多発してるけど、母を撃たれて孤児になった子熊が、山で生活する術も人間の怖さも何も教えてもらえてないまま人里に下りてきて作物を食べるというケースも結構あるというニュースを見たけど、孤児の子熊をそういう風にしない為に連れ帰って人間が檻で育てるようにしたのかなとか。
知れば知るほどアイヌの生活は理にかなっていて凄いなぁと思う。
あとは、これ!!!と思ったものの写真。
ゴールデンカムイ現地学習 〈北海道大学植物園・2〉へ続く。