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パフォーマンスのダイバーシティ?


1. 独立変数のダイバーシティ?

ダイバーシティと聞くと,一般的には人種,性別,年齢,性的嗜好などの多様性を指しています。外見的な多様性(人種,性別,年齢)や内面的な多様性(思想,信条など),タスク(職歴の多様性)などがあり,それらが,パフォーマンスに影響を与える研究が大半です。

しかし,上記の話は独立変数側のダイバーシティであって,従属変数側のダイバーシティではありません。従属変数側の多様性は考慮しなくてもよいのだろうか?,という疑問が今回の内容です。

2. 従属変数のダイバーシティ

従属変数のダイバーシティとは,私が勝手に考えた言葉で,チームの構成が多様になるのなら,当然,成果も多様になるはずで,組織が求める方向性とズレない範囲で,成果の多様性「も」独立変数のダイバーシティ同様に配慮されるべきである,という考えです。

例えば,企業では利益を出すことがもちろん目標になりますが,成果として利益を出すことが得意な人もいれば,顧客満足度を高めることが得意な人もいる。あるいは研究開発が得意な人もいれば,顧客折衝が得意な人,トラブルの火消しが得意な人もいます。いずれもモデルの置き方によっては,従属変数(=成果変数)と置くことが可能なわけで,その人なりの貢献があるはずです。

でも,独立変数側のダイバーシティに注目するあまり,従属変数側のダイバーシティにはほとんど考慮されておらず,画一的なモノサシで評価が下されているように思われます。また,画一的な評価モノサシを用いることが,かえって独立変数のダイバーシティを制約することになりかねないのだと思われます。

どの人にも適用可能な従属変数の方は納得性が高まりますが,真のダイバーシティとは,独立変数側だけでなく,成果の出し方や貢献の仕方も多様であり,それをどのように可視化して評価するのかだと考えます。

ダイバーシティとは何なのか?アカデミアのモデルを考えると奥が深い。

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