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6日目〜退院日。(完)

2022年6月30木曜日(術後6日目)
もう退院が見えてくるとだいぶ気持ちにも余裕が出てくる。
朝起きて日課となったデイルームまでの散歩(という名の元気アピールタイム)の際にはわざわざナースステーション前を通り(通らずに部屋まで往復出来る)、缶コーヒーを買って戻る。

数日前にお向かいのベッドの患者さんが栄養指導に来ていた栄養士さんに「コーヒーが大好きで…」という話をしていて(盗み聞きするつもりではない)飲みたいけど歩行許可が出ていないので買いに行かれないという話を聞いちゃってから、テレビカードで使えるテレビ棚の冷蔵庫には1本コーヒーを置いてあるのだけど、渡す勇気もなく、大体この状況で知らんオバハンにコーヒーなんか貰っても警戒するだけだろうと渡せる訳が無いのに何故か毎朝買うコーヒー。

勝手に親近感(なんかキモい)

…お互いに早く元気になりますようにとカーテン越しに念を送る。(これまたキモい)

午後からは診察があり、看護師さんと歩いて主治医がいる診察室へ。
顔を見てすぐ「のぼせの実感はありますか?今お顔に赤みがありますが」といわれ、ようやくこれが『のぼせ』なのか!と答え合わせが出来て、今日の採血した血液からホルモン値も測ってみましょうとなった。
約1週間の頃には結果も判るということで、退院後の診察日の予約も入れる。

傷の具合は問題なし。

診察終わり部屋に戻るところで大して暑くは感じて無いのにべっとりと襟足に汗をかいていることに気づく。
それに気づいた途端、頭皮から汗が流れてきた。
…何これ…これも更年期症状…???

ベッドに腰を掛け汗を拭きながら窓の外を眺める。
シャワーの許可も出てるし…汗を流せばいいか、とも思ったけれど……更年期症状か…全部無くなっちゃったから…この先どうなるんだろう…
不安しかない……………。

2022年7月1日金曜日(術後7日目)
家族がお昼にはお迎えに来れられるとのことで、朝食のみ食べてから回診のち退院。
昨日中に入院費用の概算を出して貰っていたが大部屋、手術費用諸々込みで約25万円…。

かれこれ、度重なる入院を経て都度保険の大切さを痛感していたけども…日々の生活費を見直す際に『もう手術なんて無いだろう』なんて、なんの根拠もなく思っちゃったりするのが保険料。

結果として手厚いままプランは少々変われど継続をしていたので…安心なんだけど、やっぱ病気にはならない方が良いのは勿論で…。

健康しか取り柄がないと過ごしてきた独身時代はなんだったんだろかな。


体調は良し。
だいぶ歩けるし、外は既に暑いだろうけどもまあ、少しの移動ならなんとかなるかな。

ちょっと愛着の湧いた病衣ともさようならをして私服に着替える。

靴…………靴が履けない…
腹が…傷がつっかえて…
あー!痛いバリって破れるかも…
なんていうのも日毎善くはなるけども、
靴は諦めてスリッパ(サンダル)のまま帰る事にする。

家族が迎えに来てくれて精算をし、慣れ親しんだ病院を後にした。

…駐車場までの道のり…こんなに長かったろうか…

既にじっとりと汗をかき右、左と足を出すのだが思っているほど足も上がらず前に進んでいない。…ような気がした。

いくら院内で歩いてると思っていても、実際に外を…この午前中にも関わらず茹だる暑さを感じながらの屋外での歩行は自分の理想とはいかないもんだ。

車に乗り、1週間ぶりに対面した家族と話をする。

こんなことあんなこと、色々と話したいのだけど、これまた思うように口が…下が回らず上手く喋れない、息継ぎができない。
でも、喋るんだけど…ハァハァ言っちゃって娘からは「落ち着けよ」と言われる。

たかが1週間、されど1週間。
日常に戻るまではもう少し掛かりそうだ。

これが今回の卵巣嚢腫摘出手術、入院日記。


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