人間
人間辞めたいなと思うときもあれば、
人間辞めればいいのにと思うときもある。
けれど僕らは人間でしかない。
僕らには感じる心があるからほんとうにめんどくさい
どんなに綺麗になれなくても
触れてくれた君の手が
醜い僕に輪郭をくれるんだ。
だから君の手が僕の存在を確かなものにしてくれた。
立つことすらままならない僕の足が
君のおかげで歩けそうだよ
挙げることすらままならない僕の手が
君のお陰で何かを掴めそうな気がするよ
開くことすらままならない僕の目が
君の声を視たくて
君の香りを聞きたくて
眩しさにあらがい君を見ようとするんだ。
僕に輪郭をくれた君はいったいどんな形をしているんだい?
僕も誰かの輪郭に触れてもいいのかな?
人間辞めたいなと思うときもあれば、
人間辞めればいいのにと思うときもある。
けれど僕らは人間でしかない。
僕らには感じる心があるからほんとうにめんどくさい。