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#歴史小説

ミンギルとテウォン 1

あらすじ 1 牛小屋の隣 大陸の極東の端の半島の、そのまた北東の隅に連なる赴戦嶺や摩天嶺の山々の麓には、カラマツやトウシラベなどの原生林に抱かれた高原がある。  冬は寒冷で夏は涼しいその土地は、朝鮮で最も空気が澄んだ場所の一つとして知られていて、青々と茂る針葉樹林を映して深く静かに水を湛えた湖は名勝地として流行歌にも歌われている。  過ごしやすい季節には小綺麗で裕福な家族が別荘でくつろぎ、湖が凍る頃にはお洒落に厚着をした若者たちがスケートをして楽しむ行楽地が、そこにあった。

【短編小説集】偽王の晩餐と姫君の首(創作大賞2024中間選考通過)

あらすじ 評判の良い食堂を営む料理人である宵鈴は、ある日国に命じられて、王位を剥奪された廃王に仕えることになった。  廃王は現在の帝である叔父に毒殺されかけた際の後遺症によって精神退行しており、偏食の激しい子供のような人物になっていた。  宵鈴は味覚が過敏になっている廃王が美味しく食べられる献立を作り、廃王に気に入られる。しばらくの間、宵鈴は廃王のために料理を作り続ける穏やかな日々を過ごす。  しかし平和な日常は長くは続かず、宵鈴は廃王を毒殺することになり…。 「料理×歴