N-SaiCom

Nursing Science Communicator Mission:臨床の看護師が研究を実践する文化を創ります  Vision:看護学に関連する論文や研究方法を発信することで、臨床からエビデンスが創出することを支援します

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♯0 自己紹介なるもの

始めまして。N-SaiComです。この時点で、N-SaiComって何?となる方も多いと思います。大丈夫です、僕もその一人です。(では、なぜ名付けた?) noteの運営方法を分かっておらず、初めから記事を書いてしまったのですが、まずは自己紹介をするものなのですね。というわけで自己紹介をしていきます。(まだ、間に合いますよね?) プロフィール 専門学校を卒業後、看護師として9年間病院で勤務しました。現在はとある国立大学で学生をしています。現在は博士論文を執筆中です。(うまく

    • ♯8 Multimorbidityについて:概要

      今回は、教科書にはまだ掲載されていないが、重要な概念であるMultimorbidityについて解説をしていきます。 Multimorbidityとは 世界的な平均寿命の延伸により、先進国を中心にMultimorbidityの高齢者が増加の一途を辿っている。Multimorbidityは、特定の診断基準に基づいた医学的な診断ではないため明確な定義は存在しないが、従来のCo-morbidityと異なり、複数の疾患が独立して存在しているという特徴を持つため、同程度の重篤性を持つ

      • ♯7 陰部洗浄の真実:毎日行う必要はあるのか?

        N-SaiComです。自称、Nursing Science Communicatorとして、ガイドラインや論文内容を発信することで、臨床現場のケアや業務の改善を期待しています。 ガイドラインの紹介 今回は、ガイドラインの紹介をします。 その名称はこちら「泌尿器科領域における感染制御ガイドライン」 こちらは、日本泌尿器科学会の泌尿器科領域における感染制御ガイドライン作成委員会が作成したものです。 ガイドライン紹介に至った背景 このガイドラインを紹介しようと思うに至った背

        • ♯6 院内の看護研究は個人ではなく、病棟単位で複数年にかけて継続して行う

          続けて院内の看護研究に対する提言です。 このような発信を続けることで、院内の看護研究の支援体制が改善することを願ってやみません。 今回の提言 院内の看護研究は個人ではなく、病棟単位で複数年にかけて継続して行う 今回の提言は、実際に大学院で研究を行っている僕の経験から生まれたものです。おそらく、大学院で研究に従事したことがある人は共感をいただけるかと思います。 課題 院内の看護研究の研究期間は1年間と短い 研究期間が短いと必然とアンケートを用いた実態調査になりやすい

        • 固定された記事

        ♯0 自己紹介なるもの

          ♯5 院内の看護研究に関する指導は、若手研究者に委託する

          ♯4で紹介した論文の研究結果と実体験をもとに、次からは院内の看護研究体制に対する提言を行っていきます。 今回の提言 院内の看護研究に関する指導は、若手研究者に委託する もう少し詳細に言うと、院内の看護研究に関する指導は、当該病棟の管理者の観察下のもと、最初から最後まで若手研究者に委託するです。 次にこの提言に至った背景を説明しますね。 背景 ♯4の論文の結果にもありましたが、院内で行っている研究支援として研修会を開くが68.5%、看護師長・主任・先輩看護師が指導し

          ♯5 院内の看護研究に関する指導は、若手研究者に委託する

          ♯4 院内の看護研究体制に対する提言

          どうも、N-SaiComです。3回に分けて、かねてより抱いていたCQの紹介とそれに関する論文を紹介してきました。今後も、臨床現場で活用できる論文を紹介する傍ら、僕のMissionである臨床の看護師が研究を実践する文化を創るを実現するために日頃考えていることや実践して得た知見を発信していこうと思っています。 論文紹介 今回は、その基盤となる院内の看護研究に対する全国調査の論文を紹介します。今回の論文はこちら。 目的 100床以上の病院を対象に、看護研究の現状と課題を明ら

          ♯4 院内の看護研究体制に対する提言

          ♯3 人工呼吸器下の患者に対する腹臥位は死亡率を減少させる

          さて、CQの改良もできたところで、論文を見ていきましょう。 今回紹介する論文はこちら はい。論文のタイトルに結論が書かれているので、潔く書きます。 結論 P/F比(PaO₂/FiO₂比)が100mmHg未満の人工呼吸器下の患者に対する 腹臥位は、死亡率を16%減少させる 結論だけ知りたい方はここで読み終えていただいても構いません。しかし、本論文には腹臥位実施による合併症に関する記述もあるため、ぜひ最後まで読み進めていただけると幸いです。では、まず本論文の研究方法から

          ♯3 人工呼吸器下の患者に対する腹臥位は死亡率を減少させる

          ♯2 人工呼吸関連肺炎(VAP) 疫学とCQの改良

          無事、自己紹介を終えたので改めて記事を書いていきます。 前回は、人工呼吸器装着下の患者を受け持ったことがある多くの看護師が抱くであろう臨床疑問(CQ)を紹介しました。 次のステップとしては、CQにケリをつけるべく論文を探すのですが、まずは人工呼吸関連肺炎のことを知るべく、ざっくりと情報収集をします。 定義 発症率 死亡率 リスク因子 VAPバンドル ここまで概観して VAPは、発症すると治療に難渋し、死亡率も高い。また、VAPの定義が曖昧なため、誤嚥性肺炎など

          ♯2 人工呼吸関連肺炎(VAP) 疫学とCQの改良

          ♯1 人工呼吸関連肺炎(VAP) CQ

          疑問 人工呼吸器を装着している患者の体位交換時に、こんな疑問を抱いたことはありませんか? 私自身、救命救急センターで勤務していた期間中、多くの人工呼吸器装着中の患者の体位交換を行ってきました。レントゲンやCT画像、血液ガスデータを見ながら通常の側臥位よりも角度(45~60度)をつけた側臥位や完全側臥位、腹臥位なども行ってきました。実際に通常の側臥位よりも角度をつけた方が、吸引時により多くの喀痰を回収できた感覚はありました。 しかし、これらの手法が本当に有効なのか、確証

          ♯1 人工呼吸関連肺炎(VAP) CQ