ボストン・レッドソックスの吉田選手が気になる
これまでみてきたMLBの試合は、テレビでみることができるドジャースの試合ばかりだった。
一試合だげ、今永投手と鈴木選手がいるカブスのゲームをみた。
先日、インターリーグでドジャースと戦ったボストン・レッドソックスの吉田選手を久しぶりにみた。
元気のなさが気になった。
昨年、WBCの活躍やレッドソックス入団当初の活躍がウソのように感じる。
また、笑顔がない。
もっとも、表情を変えないのが吉田選手の特徴でもあるが、少し気になる。
オリックスというチームは中嶋監督のもとで大らかなチーム運営をしていたように思う。
山本投手もそうだが、自由ななかに個人が責任をもって行動をすることが好まれる球団のように、私はみていた。
中嶋オリックスは、さらにチームワークがよい球団だろうと思う。
今年は山本投手も抜けたが奮闘しているほうだろう。
もともとオリックスは、個人の能力をベースに各選手の主体性に基づくチーム運営をおこなっていたように思っていた。
対極は、元巨人、原監督のチーム運営だろう。
チームメンバー個々の力がうまく噛み合わなかった。
能力が高い選手が多いと思っていたが、どこか巨人の選手は萎縮しているようにみえていたのは、私だけだろうか。
オリックスも巨人もたくさんテレビをみたわけではないので、私の独断と偏見に基づく見方だ。
吉田選手は、職人肌だろうか。
私はそのようにみていた。
自分の間合いやバッティングスタイルは、試合に出続けることでその能力を発揮させていたよう感じる。
その点、レッドソックスのアレックス・コーラ監督は、原監督タイプではないかと、感じている。
選手の特徴を生かすよりも自分の能力を信じて采配するようにみえる。
だからだろうか、打てなくなればすぐにベンチではないか、と想像される。
日本で実績がある吉田選手は、どちらかといえば実戦で戦いながら能力を発揮していくタイプのように考えていた。
日本における実績を理解して起用してほしいものだ。
チームのマネジメントは、やはり監督の性格が反映されるのだろう。
その点、ドジャースのロバーツ監督は、比較的選手を固定しながら、選手の能力をみているように思える。
気が長いタイプだろうか。
しかも、陽気で明るいタイプだ。
あまりくよくよしないようにみえる。
また、ロバーツ監督は、多くの選手とビジネスライクにうまくやっているようにみえる。
他方、レッドソックスのコーラ監督は、就任1年目でワールドシリーズを制覇している監督だ。
それなりに権威があるのだろう。
私がみた限りだが、コーラ監督と吉田選手はよいストロークがかかっているようにみえない。
吉田選手は、日本の実績からすれば一流だ。
私のような野球知らずでも、それなりの使い方があると思っている。
つい、会社における部下のマネジメントを思い出してしまう。
対照的なチームのひとつがカブスだ。
今永投手は、カブススカウト陣が調査した能力通りの使い方をされている。
カブスの鈴木選手は、守備で落球などもあったが、その試合で本塁打するなど使ってもらうことで実績を残せているのではないか、と思っている。
ちなみに2023年は、打率.285、20本塁打、74打点だ。
今年はけがもあったようだが、7月25日時点で打率が264、本塁打14本だ。
試合に出ることが続けば、もう少し数字はあがっていくだろう。
日本人右打者としてMLBで20本以上のホームランを打ったのは鈴木選手がはじめてらしい。
松井投手もパドレスというよいチームと監督の存在があるようだ。
なんといっても、ダルビッシュ投手の存在が大きい。
ダルビッシュ投手もたくさんの苦労を重ねて日米で200勝を達成した。
見事だ。
やはりチームや監督との関係は大事だ。
これから挑戦する選手は、選手自らがチームのマネジメントや監督の性格などをよく調べて自分に合う球団を探すべきだろう。
契約金や人気球団に目がいくのはわからないでもないが、むしろ大谷選手が挑戦したときのようにエンゼルスとの契約金約2億6000万円とはいわないが、せめて自分のポジションや使い方について明確なビジョンをもって契約する必要がありそうだ。
この点でも大谷選手は特筆すべき存在だ。
自分の起用法にこだわるなど、自分自身をマネジメントしていくという強い意志とこだわりがある。
だからこそ、高額な契約金が後からついてきた、とみるべきだろう。
ヤンキースなど人気が高く、契約金もはずむが、短期勝負(打てなくなればすぐにベンチ、勝てなくなればすぐにマイナー降格)になる球団に行かない理由も明確だ。
吉田選手がこのままの使い方をされると、他球団へ移るにしても値踏みされた使い方になるだろう。
この点、弱いチームだったマリナーズで実績を積んだイチロウ選手のような野球人生もあり、職人肌の吉田選手は、むしろ毎日確実に試合に出してもらえる環境があったほうが合っているのではないだろうか、と思ってしまった。
日本においても球団や監督と選手の関係はむずかしい。
私のようなわがままな人間でさへ、会社人生を思い出してしまう。
まして外国におけるそれぞれの関係は、さらにむずかしいものだろう。
言葉ができない分、短期間で実績を残すしかない。
日本以上に厳しい世界だ。
吉田選手が、筒香選手と同じようにならないことを願うばかりだ。