アメリカトランプ政権の人事を見る 注目の人物
こんにちは、ムラです。1/20にはアメリカでトランプ政権が発足します。今回はトランプ政権の人事の中から注目の人物をピックアップしてお伝えします。
①マルコ・ルビオ(国務長官)
まず、1人目はマルコ・ルビオ氏です。ルビオ氏はキューバ系移民の出身でフロリダ州の上院議員を務めいます。
2016年時点ではトランプ氏と大統領選挙で争うなど、対立も見られましたが、その後帰順しています。
ルビオ氏が国務長官に就任した場合、どのような外交態度を取るのか、述べいきます。
まず、ルビオ氏は対中強硬派で知られています。後述するエルブリッジ・コルビー氏などトランプ政権には対中強硬派が相次いで入閣していることから、中国には厳しい政策を取ると思われます。
続いて、ルビオ氏の出自で述べた通り、ルビオ氏はキューバ移民系のヒスパニックで、キューバや南米の左派政権には強硬的な態度を取っています。他にも候補がいる中、ルビオ氏が起用されたということは、トランプ政権は南米の左派政権とは対立する方向に向かう可能性を示唆しています。
また、ルビオ氏は日本に対して友好的な態度を取ってきました。2015年には沖縄県・尖閣諸島を「米国の同盟国である日本の領土だ」と明言しております。外交面では日本との関係深化が期待できるかもしれません。
②トュルシー・ギャバード(国家情報長官)
続いて2人目はトゥルシー・ギャバード氏です。ギャバード氏はハワイ州選出の下院議員です。アメリカ議会では初めてのサモア系国会議員です。
ギャバード氏は元民主党議員という異色の経歴を持ち、2020年の大統領選挙予備選にも民主党から出馬しています。その後無所属になり、2024年に共和党員になりました。
ギャバード氏は過去にロシアに同調するコメントや、2017年のシリア訪問などから親ロシア派親アサド派と見られています。この点については、共和党内からも懸念が表明されています。
国家情報長官という役職は各情報機関から上がってくる情報を選別して毎朝大統領にブリーフィングする重要な任務を負っています。前述した懸念から、ギャバード氏がトランプ氏に偏った情報を提供するのではないかという懸念が上がっています。ギャバード氏が上院から承認を得られるのか、注目です。
③エルブリッジ・コルビー(国防次官)
最後にエルブリッジ・コルビー氏です。コルビー氏は第一次トランプ政権で国防副次官補を務めました。
コルビー氏の考えの中で特筆すべきなのはアジア回帰論です。米軍は世界中に軍を展開するリソースはないから、軍事的リソースをアジアに集中するべきと唱えています。
コルビー氏は対中強硬派で知られ、対中国の戦略の重要性を説く著作を複数出版しています。トランプ政権の次期国防長官が軍高官出身でないことから、国防戦略はコルビー氏が主導するのではないかと見られています。
また、コルビー氏は日本に防衛費をGDPの3%まで上昇するよう求める発言をしています。就任後実際に同様のことを求めるかは分かりませんが、日本の役割り拡大を求めてくるのはほぼ間違いないでしょう。
以上、トランプ政権の注目人事について述べてきました。最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献・サイト
・https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241114/k10014638001000.html
・https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-11-24/SNGXH6DWRGG000
・エルブリッジ・コルビー著『アジアファースト新・アメリカの軍事戦略』文藝春秋 2024年