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【圧力】 水圧の具体的な計算と計測(真水と飽和食塩水を例に)


今回は具体的な水圧の計算をして、これもまた実験で観測が可能であることを確かめる。観測機器は、登山用の気圧測定の時計を用いれば出来た。

一般的な水圧の式

地上での水中の水圧の式は

重力加速度:$${g=9.8\ [m \cdot s^{-2}]}$$
大気圧:$${p_0=1013\ [hPa]=1013\times 10^2\ [Pa]}$$
流体の密度:$${\rho\ [kg\cdot m^{-3}]}$$
圧力を測る場所の深さ:$${h\ [m]}$$

として

$$
p=p_0+\rho hg\ [Pa]
$$

で計算することが出来る。今回、流体の密度:$${\rho\ [kg \cdot m^{-3}]}$$は

真水の場合: $${\rho_{water} = 1000\ [kg \cdot m^{-3}]}$$
飽和食塩水の場合: $${\rho_{salt} = 1200\ [kg \cdot m^{-3}]}$$

の2パターンで計算を行う。
深さは$${50\ [cm]= 50 \times 10^{-2}\  [m]}$$とする。(このくらいの深さなら用意は比較的容易い)

具体的な数値の計算

真水の場合

圧力の理論値は

$$
p=p_0+\rho_{water}hg \\ \ \\=1013 \times 10^2+ 1000\times 50\times 10^{-2} \times 9.8 \\ \ \\ = 1013 \times 10^2+ 4900 \\ \ \\ = 1062\ [hPa]
$$

という計算結果になる。

飽和食塩水の場合

圧力の理論値は

$$
p=p_0+\rho_{salt}hg \\ \ \\=1013 \times 10^2+ 1200\times 50\times 10^{-2} \times 9.8 \\ \ \\ = 1013 \times 10^2+ 5880 \\ \ \\ \fallingdotseq 1072 \ [hPa]
$$

という計算結果になる。

真水の場合と飽和食塩水の場合での圧力の比較

真水の場合と比べて$${10\ [hPa]}$$の差が生じた。($${10\ [hPa]}$$の差は観測可能である)

圧力の値についてもう少し考えてみる

大気圧の時よりも$${49\ [hPa]}$$物体は圧力を余分に受ける。
もし$${1\ [cm^2]}$$あたりに換算すると、

$$
49\ [hPa] = 4900\ [Pa] = 4900 \ [N\cdot m^{-2}] = 0.49 \ [N \cdot cm^{-2}]
$$

と計算できる。

$${0.49\ [N]}$$を地上の物体に働く質量で換算すると、$${0.49 \div 9.8 = 0.05 \ [kg] = 50\ [g]}$$となる。

すなわち、1$${cm}$$四方の面積に$${50\ [g]}$$の物体が乗っているだけの力を受けている。ちなみに $${50\ [g]}$$とは、$${10}$$円玉$${11}$$枚程度の重さである。

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