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【プール・ボランティアのお話】脊髄小脳変性症(SCD)の歯医者さん(2007年10月)
『プール・ボランティアのお話』は2007年4月から毎月1回和歌山保険新聞に掲載していたものです。内容は、掲載した当時のままです。
脊髄小脳変性症(SCD)の歯医者さん
石川さんは歯医者さんでした。奥様も歯医者さんです。現在68歳。10数年前にSCD(小脳変性症)という進行性の病気になりました。プール・ボランティアが石川さんをお世話するようになってすでに7年。最初は水中で機能訓練をして病気の進行を少しでもくいとめようと考えてお世話をしていました。でも、いろいろ考えてやっぱり水泳を楽しもう、泳ぎを上達させよう、リハビリの効果はその先にあるのだと指導方針を転換しました。
石川さんは、もともとマラソンランナーであり体を動かすことが大好きなのです。水泳というスポーツを選択したのもリハビリ目的ということが、もちろんあったのでしょうが、それ以上に水泳を楽しみたいと思っていらっしゃるように思いました。25メートルを泳げるようになろう、今はその目的に向かって週に一度はプールに通っていらっしゃいます。石川さんはとても明るく面白い人で、いつもニコニコして悲しい顔など一度も見たことがありません。病気を受け入れ、人生を楽しんでいるように見えます。僕は石川さんにいつも言います。「長生きしてください。そのうち医学が進歩してSCDみたいな病気はウソのように簡単に治る世の中になります。そしてそれはもうそんなに遠い先の話しではないのです。だからウンと長生きしてください。」
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