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【プール・ボランティアのお話】どこで泳ぐの?(2007年5月)

『プール・ボランティアのお話』は2007年4月から毎月1回和歌山保険新聞に掲載していたものです。内容は、掲載した当時のままです。

「どこで泳ぐの?」

さて、障害者が泳ぎたいと思ったとき、どこへ行けばいいのだろう?
大阪市には障害者専用プールが二つある。ひとつは、大阪市の中心部にあり交通の便はいいのだが老朽化していて、お世辞にもきれいなプールとは言えない。もうひとつは素晴らしく立派な施設なのだが、大阪湾の島の上にあり、そこへたどり着くまでが大変。
そして当然、どちらのプールにも障害者ばっかりしかいない。
う~ん!どちらにも行きたくない。
ところで、大阪市には「一区一館構想」というのがあって、24の各区に必ず一つ、きれいな温水の市民プールがある。市民は、みんな歩いて行って、そこで泳いでいる。
そうだ!そこへ行こう。障害者である前に、ひとりの市民なのだから・・・。
「ここは、市民プールですので、障害をお持ちの方は、障害者専用施設で泳がれた方がいいですよ。」って、いつも丁寧なアドバイスをいただく。
今まで、健常者として何も考えずに、気楽に泳いでいたプールが、障害者と行くというだけで、こんなにも不自由な世界だったのかと、その現実に率直に驚き、その不合理さに義憤を覚えた。
「障害者も一人の市民として、みんなと一緒に市民プールで泳ぐんじゃい!」というわけで、PVは市民プールを使っています。

プール・ボランティア 理事長 岡崎 寛