コラム「境を越えた瞬間」2025年1月号-関根美穂さん‐
関根 美穂(せきね みほ)
看護学科 4年生、現役学生ヘルパー
大学1年生の10月にご自宅へ見学にいってからそのまま岡部さんの学生ヘルパーをスタートしました。
それから現在も週1~2くらいのペースで岡部さんの介助に入ってます。
好奇心が成長へ
境を越えた瞬間を過去のコラムを読んで、私はどんなときかな?
と考えてみると、岡部さんの講義を受けた時だと思いました。
大学1年次に自分で選択する授業の中からたまたま興味があるなと思ったのが「地域で暮らすを覗いてみよう」という境を越えての「カリキュラム化プロジェクト」の授業でした。
難病という言葉は聞いたことはあるけど実際にどんな病気があるんだろう、
在宅で暮らすってどういうことなんだろう、という興味と友達が一緒に受けるから、という軽い気持ちでこの授業を選択したのをいまでも覚えています。
実際にこの授業に参加し、
人工呼吸器をつけている岡部さんが在宅で1人で暮らしていること
文字盤を使って挨拶をしている姿
胃瘻でのお食事
アンビューバックを体験し「今、僕は君に生かされています」と岡部さんが友達に言っている姿
全てが初めて経験するもので自分にとっては衝撃的であり、それと共にもっと知りたいと思ったのが私が境を越えた瞬間です。
コロナ禍で実習に行けたのは1日だけになってしまった。
その1日もほぼ待機時間で終わるという仕方がないことだけど、もどかしい実習でした。
この授業後にそのまま介助のアルバイトをやっている友達が数人いるのを知りました。
せっかく授業を受けたのにこのまま実際を知らないで看護師になっていいのかな?と、疑問を抱いていたため、境を越えての事務局長に連絡をして岡部さんに繋げて頂き、学生ヘルパーを始めました。
「これから美穂ちゃんのこと口説いていくね」
という岡部さんらしいお言葉を貰ったのが約3年前。
(口説かれたどころか、胃袋も掴まれ...この先岡部さん以上に素敵な方に出会えないのではないか!?とも思っています。笑)
1人でケアに入る自信がなく、ひとり立ちの決意ができず、看護学生としてのこれからについても悩んでいた期間もありました。
ただ、岡部さんから何度も声をかけていただいたこと、より岡部さんと様々な景色を見ていろんな時間を一緒に過ごしたいと感じたことでひとり立ちの決心がつきました。
何度もひとり立ちをしないか?と声をかけてくださったこと本当に感謝しています。
それと同時に今はひとり立ちができて本当に良かったです。
それからは、一緒に新幹線や飛行機、観覧車にも乗り、授業内で聞いた通りに全国を飛び回る体験をして、様々なところへ連れて行ってもらいました。
また音楽のことについて話したり、夜中に一緒にオリンピックを見たり、何気ない日常を一緒に過ごし、本当に楽しいアルバイトだなと感じています。
岡部さんと出会って新しい景色を見せていただき、人として少しは成長できたのではないかと思います。
岡部さんは「私は自分の命を預けますが、その子の人生の一部を預かるのです」と言っていますが、人生の一部を預かるどころか、楽しくてキラキラした素晴らしい大学生活に変えてもらえたと思っています。
最後に、学生のうちから介助という経験ができること
知らない世界に、介助の世界に飛び込むというのはわくわくするのと同時に自分自身の成長に繋がり将来の糧になると思っています。
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境は至るところにあります。目に見える境もあれば目に見えない境もあります。境がないと壊れてしまうものもあれば、境があるから困ってしまうことがあるのかもしれません。
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