【イベント記録】 ヒトラボ信州Vol.4 〜人事のこれからを考える「キャリア自律」と「人的資本経営」〜 By塚田亜弓さん・ 須田仁之さんを2022年1月28日に開催しました。
ヒトラボ信州とは、長野県内の「人事・人材業界」に携わる経営者・人事・キャリアコンサルタントなどが、地域におけるこれからの「人事」について共に考えて、学び合うコミュニティです。参加者同士の関係性の構築も目指しています。今回は20人の方にご参加いただきました。
本日のテーマオーナーは、HRラボ株式会社 代表取締役の塚田亜弓さん、エンジェル労働家を名乗る須田仁之さんです 。
※新型コロナウイルスの影響を鑑み、オンラインのみで開催しました。
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塚田亜弓さんは、経営者に伴走する外部人事部をテーマとするHRラボ株式会社の代表取締役として、企業内キャリアコンサルティング制度の導入サポートや、キャリアコンサルタントのためのコミュニティ「キャリコン」の運営、キャリアに関する新事業など幅広く活動されています。しかし、仕事の大半は”現場”での研修やカウンセリングに力を注いでいるそうです。
塚田さんは、実は新卒で入った会社は半年で退職したのだそう。自身も”キャリア迷子”になった原体験が、今の”キャリア迷子”に陥る人へのサポートにつながっています。
まず、お話いただいたのはWithコロナがもたらした影響です。コロナ禍では「これまでのキャリアを振り返る機会になっている」と言います。これからの働き方を考える上では「働き方の多様化」「職業人生の長期化」「リスクへの対処法」がポイントとなっていて、人事やキャリアコンサルタントは、変化の時代に合わせた支援を目指して向き合う必要があります。
その中で、厚生労働省が令和3年度から令和7年度までの5年間にわたる職業能力開発施策の基本方針を示した「職業能力開発基本計画」は必読とのこと。
計画内では、労働者がキャリアコンサルティングを受ける環境の推奨や、企業におけるキャリアコンサルティングの推奨、キャリアコンサルタントの資質向上の強化を掲げていて、今後キャリアコンサルタントが活躍できるような追い風が吹いていることが分かります。
また、人間の幸福モデルについても言及されました。他人との比較によらない「非地位財」で喜びを感じられるキャリアプランを目指すと、キャリアにおける幸福が長続きすると考えられています。
そして”現場大好き”と話す塚田さんが「今熱い!」と思うワードは「計画的偶発性理論」。計画的偶発性理論とは、 個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定されていて、その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうとする考え方です。
この「計画的偶発性理論の体現者である」と、参加者の意見が一致したのが、2人目のテーマオーナーの須田仁之さんです。
須田さんは、新卒でイマジニア社長秘書を務め、その後ソフトバンクグループでは衛星放送事業(現スカパー、ブロードメディア)、YahooBB事業の創設、独立して弁当屋の開店などを経験しています。ソフトバンク時代の孫さんとの仕事エピソード、独立時の失敗談などは著書「恋愛依存症のボクが社畜になって見つけた人生の泳ぎ方」にしたためられています。
現在は数々のSaaS、エンタメ、HR企業の社外役員労働家として活躍していて、自らを「エンジェル労働家」と名乗ります。
須田さんにキャリア自律に至った経緯を聞いてみると「いろんな人の”わんこそば(仕事)”を食べてきた。意図せず周囲の方に巻き込まれた結果、今がある」と話します。一方で「SNSなども見ずに、自分のキャリアを邁進してきた」ということから、現在のキャリアは、非地位財的な仕事を積み上げてきた結果なのかもしれません。
参加者には、すでにキャリアコンサルタントである方、あるいは志す方も多く、塚田さんの話からは、キャリアコンサルタントの活躍の可能性を感じられて、モチベーションが上がった様子。
また、須田さんの話からは、幅広いキャリアをうかがい見ることができて、今後の知見となりそうです。さらには参加者自身がキャリアを見つめ直す機会となりました。
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次回のヒトラボ信州も、お楽しみに!
人事に携わっている方、関心のある方も、これからのイベントにぜひお気軽にお越しください。