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全国から申込者200人!地域の人事部全国フォーラム in 塩尻の熱狂を振り返る - 第12回MEGURingより



みなさんは「地域の人事部」を知っていますか?

「地域の人事部」とは、地域の企業群が一体となって地域の自治体・金融機関・教育機関等の関係機関と連携し、将来の経営戦略実現を担う人材の確保(兼業・副業含む)や域内でのキャリアステップの構築等を行う総合的な取組みで、現在全国8市町村が、全国に先駆けて地域事務局を立ち上げ「地域の人事部」事業を行っています。

塩尻市も、その8市町村のうちのひとつ。MEGURUは、2020年から塩尻市の「地域の人事部」として、「はたらく」を通じて一人ひとりが自分の人生を生きるためのキャリア支援事業、中小企業に人事支援を行う人事パートナー事業、意志のある個人と法人を多様な形で結ぶマッチングプラットフォーム事業「ながの人事室」など、多岐に渡り活動を行ってきました。

そんな中で7月5日(金)、塩尻の人事部の連携体制をさらに強化し推進することを目的に、MEGURUを含む県内11団体を結ぶ『塩尻市における「地域の人事部」連携協定締結式』が行われました。地域の人事部に係る取組みで、連携協定を締結するのは塩尻市が初の事例。

MEGURUにとっては、これまでの4年間の取り組みがひとつ形になったような大切な日。

そんな記念すべき日に、「地域の人事部」の持つインパクトを、全国の仲間と共有したい!という想いから、NPO法人MEGURUとNPO法人G-netの共同主催で、同日午後に「地域の人事部全国フォーラム in塩尻」が開催されました。 

当日は申込者約200人、対面参加者が100名以上と高い比率で集まり、地域の人事部の注目度の高さがうかがえる結果になりました。

会場いっぱいに参加者が集まりました
塩尻市長による開会の挨拶

そしてフォーラム開催から3週間ほど経った、7月24日(水)。MEGURUの公開型社内イベント『第12回MEGURing』にて、ゲストに共同主催のG-netを迎えてフォーラム当日の振り返り会を行いました。

『第12回MEGURing』の様子


この記事では、『第12回MEGURing』で共有された「地域の人事部全国フォーラム in塩尻」の反響や参加者の様子そして全国フォーラムのインパクトについて、運営メンバーの目線から振り返ります。




◆「地域の人事部全国フォーラム in塩尻」開催概要

地域ぐるみで人材獲得・育成・活躍に挑む「地域の人事部」。
その勢いは全国に広がり、日本各地で地域の人事部事業が立ち上がろうとしています。
地域課題・社会課題・経営課題の根本は「人」。
その「人」にフォーカスを当て、多様な機関が連携し合い地域の人材戦略の立案と実行を担っていきます。
本企画では、全国で多様な団体が進める地域の人事部の現状を理解するとともに、
これからの社会における地域の人事部がもつインパクトを、
全国の仲間とともに切り拓き、明らかにする一日を創り出します。

◇日時/場所

日程:2024年7月5日(金)
時間:12:30~17:15
会場:塩尻市市民交流センター
   えんぱーく3階 多目的ホール 
   長野県塩尻市大門一番町12-2

◇タイムテーブル

◆全国フォーラムの振り返り

「地域の人事部」の取り組みを共有し、そのインパクトを明らかにすることを目的とした「地域の人事部全国フォーラム」。全国各地から集まった沢山の参加者に、受付担当も大忙し。

続々と集まる参加者

1. 参加者属性は?

改めて参加者の属性を見てみると、会場参加者120名のうち最も割合が多かったのは民間企業。そしてその多くが、地域の人事部に興味がある、あるいはこれからチャレンジしたいと思っている層でした。

参加者属性グラフ

2.トークセッション・座談会について


今回、メインとなるトークセッションの内容は3つありました。

1つめは、『地域の人材戦略を担う「地域の人事部」 ~幸福度とすこやかさから紐解く~』と題し、塩尻市の「塩尻未来投資戦略」でなぜ幸福度が重視されるのか、また産業、NPOの視点から地域の幸福度を高めるためにどのような連携ができるかをセッションしました。

トークセッション①の様子

2つめは、「全国の地域の人事部事例紹介」
前半は地域の中小企業の人材活用と人材戦略の強化に取り組んでいる関東経済産業局の事例や、新潟県燕市における学生向けインターンシップやキャリア教育、企業のマッチング支援、副業人材など様々な事例が紹介されました。
さらに後半は、岐阜を拠点とするNPO法人G-netから、地域の人材不足を解決し地域経済を活性化させるための取り組み事例が共有されました。

トークセッション②の様子

3つめは、「地域の人事部が持つ社会的インパクト ~集合知による社会課題解決の可能性~」。「地域の人事部」の役割、具体的な取り組みについて触れるなかで、その取り組みが雇用の機会を増やすだけでなく、各人のスキルを向上させたり、地域の結びつきを強めるなど、地域の経済や社会に良い影響を与えることが示されました。

トークセッション③の様子


トークセッションに参加した方のアンケートからは、

これからの人口減少社会の中で地域社会を持続可能なものにしていくヒントのようなものが得られた気がする。また登壇者や参加者の皆さんがとても明るくこれからの地域社会の変革を考えている様子が伝わってきた。

今、各地域で起きている取り組みを学ぶことができました。知らないことが多く驚きました。様々なフィールドで活躍する皆さんの意見をお聞きできて、人事関係のみならず、社会・経済など複数の領域にまたがる新たな知見を得ることができました。

トークセッション参加者のアンケートより

など、多方面からの新たな知見が得られ参考になった、という声を多くいただきました。

一方運営メンバーの振り返りとして、
会場参加者それぞれの「地域の人事部」への取り組みの度合いが異なるなか、これから始めるという人にとっては今回実践フェーズの話が弱かったかも?という意見が。これについては参加者の方からも「立ち上げ段階での苦労話や具体的な課題解決方法が聞きたかった」という声をいただいているので、今後さらに掘り下げていきたいところです。

なお、トークセッションと別室・同時並行で行われていたテーマ座談会は、「自地域の地域の人事部を考える」など、より実践的な内容に焦点を当てて行われていました。

テーマ座談会の様子

主にテーマ座談会を担当していたメンバーからは、座談会ではより具体的な話ができるからこそ、「この施策ってコーディネーターがいるからできるけど…」「収益化できるかな?」などのネガティブな意見も取り上げやすいという側面があるので、各々の参加者が「話すこと」に焦点を当てる場を今後もっと増やしていくとよいのでは、という意見が上がりました。

3. 「地域の人事部」の曖昧さ

フォーラム全体を通して、「地域の人事部」という言葉の概念が曖昧だった。

振り返りの中で、そんな声が上がりました。「地域の人事部」を初めて知る人などにとっては、今回の内容は少し分かりづらくなってしまっていたかもしれません。

一方で、この曖昧さがかえってフォーラムの面白さにつながっており、それぞれの地域の特色や色が際立つほか、受け手によってさまざまな解釈ができる側面もあるという意見も。

地域の人事部って言葉が曖昧。地域の人事部ってなんぞやも解釈さまざま。フォーラム通して、やっぱり曖昧だなと思った。それぞれ違う、やってない人から語られる地域の人事部もある。それぞれ刺さるもの、持って帰るものが違う。「そもそもこの場って何を学べます、と明確じゃない。それもまた地域の人事部らしいかも。

運営メンバーからの声

今後の展開としては領域をわかりやすくしてセッションを置くことも必要になると思いますが、今回のような形だからこそ生まれたインパクトも多々あったのではないでしょうか。

◆全国フォーラムのインパクトとは?

今回塩尻の地でフォーラムを開催したことで、「地域の人事部」というムーブメントや、自地域にさまざまなインパクトがあったのではないかと思います。以下に、運営メンバーが今回感じた「全国フォーラムのインパクト」をまとめました。

1.参加者の意識の変化

ひとつはフォーラムを通じて、多くの参加者が「まだやっていないが、これからやりたい・興味がある」と感じるようになったこと。地域の人事部が直面する課題や機会についての認識を深めるきっかけとなり、特に、地域の人事部が積極的に取り組む意義を感じた人が多くいました。

説明を受けるだけでは「自分の地域で成立しないかも」と感じていた人が、フォーラム後には具体的な行動計画を考えるようになったりと、オフィシャルな場で情報提供を行うメリットも見えてきました。

2.地域間の比較と学び

フォーラムは、参加者にとって他地域の取り組みを知り、自分たちの現在地と比較する機会になり、自地域の取り組みの改善点や新たなアプローチを見出したという方が多くいました。

フォーラムの最後には近くにいる参加者同士で感想を共有する場があったのですが、これが大変な盛り上がりで、それぞれの地域の方が自分たちの地域をより良くするために熱量を持って取り組んでいることが伝わってきました。

フォーラムの運営を通じて情報共有が進み、これから更に地域間での共創の機会も増えていくと思います。各地域の取り組みの横串となる場が提供され、地域間の協力関係が強化されるというのも、フォーラムの大きなインパクトでした。

3.自地域へのインパクト

フォーラムによって、改めて市内関係者にも「地域の人事部」の重要性が広く認識されたように思います。

MEGURUとしても、全国から「地域の人事部」のトップランナーとして認識され、活動内容や連携状況が広く紹介されたことで、地域外からの視察の申込が増加したりと、自分たちの組織の全体像や意義が改めて明確化されました。

また、フォーラムに向けた準備を通じて、自分たちの活動への理解と関心がより深く。また、大規模なイベントの実施により新しい経験をするスタッフが増え、社内での一体感も高まりました。

初•司会の2人も頑張りました

フォーラムによる自地域へのインパクトをさらに高めるための展開として、今後イベントを開催するにあたっては、どうしたら地域の参加者を引き込むことができるか?というのも重要な視点になってくると思います。
これに関しては運営メンバーから以下のようなアイデアが挙がり、今後主催するイベントでも考慮していきたいポイントになっています。

イベントに合わせてマルシェなどのイベントを同時開催することで、フォーラムに関心のない層も集まったり、地域経済にもプラスの影響があるのではないか(実際、今回フォーラム会場近隣の宿泊施設はほぼ満室だったそうです)

地域就職に関心を持つ若者や学生に対して、実際の取り組みや成功事例を共有することで、彼らのモチベーションや興味を喚起することができるのでは?例えば、学生を対象としたアワードなどイベントと連携することで、若者の参加や関心を促進する可能性がある。

◆まとめ

全国からたくさんの人が集まった「地域の人事部全国フォーラム in塩尻」。

フォーラムではさまざまなテーマで「地域の人事部」を取り上げ、各地域の具体的な事例を共有したり、座談会では他の参加者と自地域の課題を共有するような場面も生まれるなど、参加者それぞれにインパクトのある1日になりました。


次回の「地域の人事部全国フォーラム」の開催地は2025年8月29日に三重県、2026年には岩手県釜石市で予定されています。

今回のフォーラムをきっかけに「自地域でもチャレンジしたい!」と思った方が、ゆくゆくは登壇者になって地域の取り組みを発表するようになったり。それはそう遠くない未来に実現しそうだなあ…と、参加者のみなさんの笑顔や、会場の熱気あふれる様子を見て感じていました。

MEGURUも、今回市内関係機関と連結協定を結んだことで、新たなステップに踏み出します。

塩尻の、すこやかな未来のために。これからも力を合わせて地域の課題解決に取り組んでまいります!



◆アーカイブ動画

当日の様子をご覧になりたい方は、こちらから^^

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