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「死の状態」を感じる

The Book of Life
11/11のテーマは
Feel the State of Death

 J.クリシュナムルティの言葉を、
 一日一ページ 、365日分に編集された本
 「The Book of Life」を 一日分ずつやさしく翻訳し、
 気功的な補足や解説を添えています。

 和訳&補足解説 天野泰司


和訳

私たちは、死を恐れています。
死の恐怖を終わらせるには、
死と直に向き合わなければなりません。

思考によって作られた、死に関するイメージに関してではなく、
死という状態そのものを、実際に感覚しなければなりません。
そうでなければ、死の恐怖が終わることはありません。
なぜなら、「死」という言葉が恐怖を生み出しているからで、
死について口にしたいとすら思いません。

健康で、心身が正常で、はっきりとした判断力を持ち、
客観的に考えることができ、観察することができる。
そんな私たちが、
死という事実、その全てと、直接に向き合うことは可能でしょうか。

生物は、身体的消耗や、病気を通じて、いずれは死にます。
健康であれば、死とは何かを知りたいと思うでしょう。
これは不健全な願いではありません。
なぜなら、おそらく
死を通じて、必然的に生を理解することになるからです。

生きるということは、現状では苦痛であり、
延々と続く混乱であり、矛盾対立です。
そのために葛藤があり、苦悩があり、困惑があります。

毎日会社に行くこと、快楽を繰り返すこと、
苦痛を伴い、心配で、手探りで、不確か。
これが、私たちが「生」と呼んでいることです。
こうした生き方に、私たちは染まってしまっています。

それをそのままに受け入れて、
こうしたものたちと共に老い、そして死んでいきます。

死とは何か、ということだけではなく、
生とは何かを見出すためにも、死と直接向き合うことが不可欠です。

すなわち、毎日、
知ったすべてのことを終わらせなければなりません。
自分に対して作り上げたイメージを終わらせ、
家族に対して、また自分が関係する人たちに対して
作り上げたイメージを終わらせ、
快楽を通じて、社会との関係性を通じて
作り上げたイメージを終わらせ、
すべてを終わらせなければなりません。

これは、実際に死に直面したときに起こることなのです。

J.クリシュナムルティ  訳・天野泰司


生死と先天

NPO法人気功協会運営責任者 天野泰司

先天は笑う、後天は泣く。

禅密気功を学んでいたときに
劉漢文先生がおっしゃった言葉です。

生まれて以後、記憶や経験が積み重ねられて、
そう思い込んでいく世界が、後天の世界。
そこには、悲しみや苦しみ、
悩みや葛藤が満ちています。

そうではなく、
生まれる以前からずっと続いている、
分別や経験の蓄積のない世界が、先天の世界。
日々刻々と更新新生していくその世界は、
ワクワクとしていて、喜びに満ちています。

先天の土台の上に、
後天が重なって、私たちは生きています。
そして、後天の雲に覆われるようにして
先天を忘れて生活していることがあります。

だから、時々、思い出します。
先天という、生まれたときのことを。

そして、感じます。死ということを。

この世に生まれること、死んでいくこと。
どちらも自然で神々しい。

そして私たちがこうして生きていることもまた
自然で神々しい。


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