
思考は努力を生む
The Book of Life
2/28のテーマは
Thinking Begets Effort
J.クリシュナムルティの言葉を、1日1ページ 、365日分に編集された本
「The Book of Life」を 一日分ずつやさしく翻訳し、
気功的な補足や解説を添えています。
和訳&補足解説 天野泰司
和訳
「どうすれば、邪悪な思考から自由になれるだろう。
邪悪でわがままな思考から、自由になれるだろうか。」
「思考」とは別に、こう考えている「誰か」がいるのですか。
「邪悪でわがままな思考をしている私」とは別の、
「そんな思考から自由になろう」と考えている「誰か」がいるのですか。
自分の心をよく観察してください。
「私がある」と言いますね。
「わがままな思考がある」「これはいけない」
「この考えをコントロールしなきゃ」
「この考えに従わなければならない」と、自分が言っていると。
これは私たちが知っていることです。
私、思考者、批評者、判断をする者、検閲者とは別の
誰がいるというのですか。
思考とは異なる私があるのですか。
「私」は羨望とは違うのですか、邪悪とは違うのですか。
「私は邪悪とは違う」のだと言う「私」は、
永遠に自分を乗り越えようとします。
私を追いやろうとします。
何かになろうとします。
だから、こんな葛藤があるのです。
なんとか思考を追いやろうとし、
わがままではいけないと努力するのです。
注意深くお聞きください。
思考のプロセスは、この努力という問題を生み出してしまいます。
精神修養の訓練をして、思考をコントロールしようとするのです。
「これは良くない」と思考をコントロールする私、
「羨まない私になろう」「非暴力的な私になろう」
「あれになろう」「これになろう」とする私、ができてしまう。
つまり、「私」と、「私がコントロールしているもの」が存在する時、
まさにその努力のプロセスを
あなた自身が生み出しているのです。
これが私たちの日々のありさま、そのまぎれもない実態なのです。
訳・天野泰司
心の努力
気功の基礎は力を抜いて、ゆるむこと。
それは、身体をコントロールしようとする意思をストンと手放し、
「からだにまかせる」ことを意味しています。
そして、もう一つの基礎が、静かな心の状態に入っていくこと。
それは、思考をコントロールしようとする意識をどこかへ忘れて、
「こころにまかせる」ことを意味しています。
こうして、心身ともに努力から離れることで、
からだの中にある自然の働きが、全面的に花開きます。
NPO法人気功協会運営責任者 天野泰司
いいなと思ったら応援しよう!
