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なぜNPOが「人材育成」に携わるのか?

こんにちは、はーちゃんです!現在、グローカル人材開発センターというNPOで、新卒NPOとして働いています。今日は、人財育成に携わるNPOで働く僕が、「人を育てる」ということについて、書いてみました。

①結局、「人材育成」とは、なんなのか?

最近、大学時代の友人や、昔の知り合いに会った時に、グローカルの説明をするのですが、上手に説明できないことが多々あります。

企業研修を行っていること
留学生向けの採用支援をしていること
高校生向けのアクティブラーニング(以下AL)をしていること
PBLという手法を用いて、人材育成をしていること

やっている個々の活動は紹介できるのですが、「結局この活動は何なのか?」と、改めて考えると、「人材育成」という言葉に落ちつけていいものなのかと、1人悶々としています。

そもそもとして、「人材育成」とは何なのか?

こんな問いが生まれてきました。

そこで、「人材育成」というワードについて、色々と考えてみました。

そもそも、「人材育成」とは、読んで字のごとく、人材を育成すること。
けど、いろいろと調べてみると、「人材育成」というのは、企業で、その人が力を発揮できるように育てるといった意味合いで、使われているみたいです。


たしかに、営業をする人、プログラミングをする人etc…
職種ごとに求められる能力は、様々であるため、企業が社員を人材育成するのは、当然のことでしょう。


しかし、では、学生に対して、人材育成は必要ないのか?
それを、考えると、そうでもない気がします。
なぜなら、グローカルでは、大学生や高校生に対しても、人材育成を行っていますし、世間的にもALやPBLという手法が、注目されているのは、学生に対する人材育成の注目度が高い表れでしょう。


そういう意味では、現在、「人材育成」は、学生から社会人まで広く、社会に求められていることのようです。


②「人材育成」に対する違和感


また、もう1つの違和感は、人材育成が目的を持っているということです。
人を育てるという行為には、目的が存在します。


自社で活躍する人になって欲しい。
俯瞰的に物事を検討できる人になって欲しい。


教育指導要領にも、「こういう子供を育てます」、という目指すところが明記されていますし、先ほども人材育成は、企業において活躍できる人材を育てることと書きました。


このように、人を育てるという行為には、何かしらの目的が存在します。

けど、その目的の良し悪しは、誰が判断するのでしょうか?

企業とは、経営を行い、利益を求める組織である以上、自分たちが儲けることが、目的としてあるわけです。そんな企業の人材育成は、果たして妥当なのか?

戦後から、マイナーチェンジはありながらも、詰め込み教育を行い、最近になってようやく、偏差値による相対評価を改め始めた、日本の教育に、果たして妥当性はあるのか?


「自分が、それに納得して、育成されるのであれば、問題ではないのではないか?」
という意見もあると思いますが、僕は、そもそも現在、人材育成を客観的に評価するものが無いということに違和感があります。


③なぜ、NPOが「人材育成」に携わるのか?


僕は、そういった違和感に対する1つの答えがNPOには、あるのではないかと考えています。


NPOは、営利ではなく公益性を目的として運営される組織です。


企業では、自社の利益と言った、個別の目的を持ち、ミクロに人材育成に取り組むことになります。しかし、NPOでは、公益性という、社会の利益を目的として、マクロに人材育成に取り組むことができます。


そういった意味で、現在行われている企業による、個別最適な人材育成ではなく、全体調和な人材育成に対する提案が行えるのではないか。と考えています。


だからこそ、学生や社会人といった対象を、絞らずに広く「人材育成」にグローカルが取り組む意味もあると思いました。


④「人材育成」に携わるNPOが立ち向かうべき壁


しかし、そうは言っても、問題はあります。

1つは、社会的理解です。
どれだけ、「人材育成」に対して、いい提案をしたところで、それが受け入れられなければ、意味がありません。
まして、自社の利益の為に行っていた、人材育成を、もっと社会全体がよくなるために、行うべきだと言っても、なかなか理解されないことでしょう。
実際、今も、考えに深く共感し、賛同してくれる企業の方もいますが、まだまだ、理解は得られていない実感があります。

ただ、相手の批判をしたり、想いを発信するだけでは、限界があります。
だからこそ、強かに共感してくれるステイクホルダーを増やす必要がありますし、そのために何をしていくかを考えていかないといけないです。

もう1つは、活動の存続です。
前に書いた記事とも通ずるのですが、NPOは公益性のために、活動する組織ではありますが、活動を存続させるためには、売り上げを上げていく必要があります。


だからこそ、理想論を掲げるだけでは、活動が存続しません。
NPOとしての役割を全うしながら、どう賛同者を増やし、どう活動を存続させていくのか。そこに、向き合う必要があります。

このように、NPOが立ち向かうべき壁はまだまだ沢山あります。
また、賛同者を増やすというのは、時間がかかる地道な作業です。
だからこそ、働いている1人1人の想いの発信も重要になってきています。


まだまだ、明確な答えがない「人材育成」というものに、これからも立ち向かいながら、少しずつ、理解者を増やしていきたいと思います!!

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