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都立高校入試に英語のスピーキングを導入。課題から目を背けないで…


こんにちは!ライターの花井です。

今回は先日正式に発表された「都立高校入試において英語のスピーキングが導入される」というニュースについて私なりの考えを書いてみようと思います。

都立高校入試で英語のスピーキングを導入

9月22日、東京都の教育委員会が2023年度の都立高校入試に英語のスピーキングテストを導入することを正式に発表しました。

通信教育大手のベネッセコーポレーションが運営し、生徒の録音音声をフィリピンの現地スタッフが採点するそうですが、
何万人もの受験者の音声データをズレなく正確に評価することなどできるのかなど、多くの疑問点や懸念点が挙げられています。

しかし、これらの疑問点や懸念点に対して、東京都の教育委員会は十分な説明を行っていないとされており、適切な対応が求められています。

そんな中で私は、三重県内で無料塾(Twitter:@hazu_jyuku)を運営していることもあり、経済格差が入試結果を左右しやすくなっているという問題を忘れてはならないと思っています。

困窮家庭と英語のスピーキング

小学生から英語が必修となり、中学生が学習する英語の内容も複雑化してきています。

2021年に改訂された中学英語の教科書ではアルファベットや簡単な英単語は小学校で学習したものとして進められ、現在大学生の私たちが高校で初めて習った仮定法などの文法を中学校で習うように構成されています。

このように、文法が難化したり、出てくる英単語数が増えたりしているなかで、学校の授業内で英語のスピーキングに力を入れる余裕がある学校がどれくらいあるでしょうか。

スピーキングに力を入れるために文法を疎かにしていては、元も子もありません。

実際に私は無料塾をしたり、塾講師のバイトをしたりしていますが、英文法でつまずき、リーディングやライティングが苦手であるために英語が嫌いだという生徒をよく見かけます。

そんな中で、入試に有利になる・英語に強くなるのは、特別な対策をしてくれる塾や、普段から英語を話すことに慣れている英会話教室に通っている生徒なのではないでしょうか。

塾や英会話教室に通えるほど経済的に余裕がない家庭では、十分に対策できなかったり、速くて難化していく授業についていけなくなったりすることが予想できます。

このようなことは経済格差による学力の差をより顕著なものにしていくのではないでしょうか。

もちろん、無料塾のような場所で学ぶこともできますし、私もできる限り努力したいと考えていますが、それには限界があると思います。

人数制限を設けていて入れない子がいたり、情報量が少なかったり、塾や英会話教室ほどのクオリティーの授業をすることが難しかったり…

無料塾にも多くの課題が残されています。

誰もが平等に学べる環境を

ここまでで書いてきたように、経済格差が教育格差を生み、それが入試などの将来の選択に大きく影響してしまっているという現状に目を背けないでほしいと、私は思います。

もちろん、英語の4技能をバランスよく身に着けることは大切です。
また、入試にスピーキングを導入することによって、実践的な英語を学ぶことや、生徒の意欲向上につながるという面があることも確かだと思います。

しかし、多忙な教員ばかりに任せるのではなく、民間企業やボランティアを適切に活用しつつ、誰もが平等に学べる環境を整えることも忘れないでほしい。

課題はたくさんあり、何か1つの課題を解決しようとしたとき、他の課題にぶつかることも多くありますが、
今ある課題から目を背けずに1つずつ、少しずつでも解決に向けて取り組む姿勢を示すことが大切だと思っています。

親ガチャで将来の選択肢が狭まる、そんな世の中にはなってほしくない。

少しでも経済格差が教育格差につながる環境を是正できるよう、無料塾などの事業を通して活動したり、声を上げたりしていきたいという想いを再確認したニュースでした。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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NPO法人ふらいおん
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