ご質問から
「音読指導について」
小学生1年生をお持ちの保護者の方から、「音読でひらがながすらすら読めないどうしたらいいか」というご質問がありました。既によくコメントをお書き頂く「森下」さんがお答えのように、音節指導が効果的だと思います。そこで、言語教育の指導を改めて考えて見ましょう。
言語教育は母国語を習得した2歳から指導を開始します。大切な事は、ご両親から愛情の籠もった美しい言葉の数々を受け、母国語を学ぶ事です。教育の基本はここから始まります。私は、幼児教育の中の言語教育を、幼児教育の第一人者である故水野茂一先生初め須田清先生から学びました。その後の国語教育に結びつく指導の体系化は、当時の文部省にはなく、教育現場の先生方が苦労され構築されたものです。歴史的な背景はともかく、この指導体型は、右脳教育で話題を呼んだ、故七田眞先生も言語教育の基本として、「落ちこぼれ教育論」水野茂一著を参考に自らの教育に組み込まれていました。
この時期、ひらがなをしっかり読めない子どもが数多くいました。例えば、まるで宇宙人と言われるように、すべてを一音ずつ発音する子です。「私は東京に十年住んでいます。」という文章を「ワタシハトウキヨウニジユウネンスンデイマス。」となります。まるで宇宙人かコンピュータの発音です。これは、長音の発音に代表されるように、ひらがなを全て一音として捉え、発音しているからです。小さい「つ」を使った促音や拗音も同じです。この状態は場合によっては大人になっても続きます。それは、発音を一文字ずつとする、音数・音節指導ではなく、文字数で行うからです。指導としては、単語から直接指導するのではなく、五十音表を使って行います。指導の順序をはき違え、語形法による教え込みの指導を取ると、間違った表記や発音となり、文章を読む際の妨げとなってしまいます。
ご家庭で行う指導として、五十音表を使います。ます、清音を一音ずつしっかり発音します。その際、既に1年生では五十音が解っていると思いますから、お母さんが一文字ずつバラバラに指し、発音させます。次に、促音(詰まる音)です。「あ」「い」「う」「え」「お」のカードを手製で作ります。ア段の文字の下に「あ」のカードをおき、「かあ」「カー」と発音させます。イ段の文字には「い」を、ウ段の文字には「う」を付けます。エ段は「い」の文字を付けてイ段の長音になります。オ段は「う」を付けます。ねえさん・こおり等は旧仮名遣いの単語ですから注意が必要です。
拗音は、拗音の五十音表をお使い下さい。長音の五十音表もあります。もしなければ石川教育研究所にご連絡下さい。
促音も小さい「つ」のカードを使用し五十音表で行います。こうして、単語指導の手前でしっかり五十音表を使い一音指導を行います。その後は単語へと写り、習ってきた音節で発音をします。この際、文字の数と音の数の違いに気付かせます。「とって」は文字の数は3、音の数は2であるということです。これが書き方の表記のミスを防ぐことになります。言語指導は、聴くこと、話すこと(発音)が大切です。1年生でもこうした基礎学習は大切です。この指導で多くの言葉も学ぶことが出来ます。語彙数の獲得です。
更に、本の読み聞かせを十分行って下さい。そして、基礎学習が済んだら、書写と、書き写した文章の読み合わせを行い、十分読み込んでいきます。今不得意であっても、小学1年生ならばだ十分間に合います。言語の基礎教育、国語の基礎教育をしっかり積み上げていきましょう「聞きこむこと、読みこむこと」その次に「書きこむこと」十分行いましょう。これを小学生の間で確実に積み上げていくと、語彙数も増え、読字率も高まります。
2013/1/12
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
石川先生監修!
幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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