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算数の文章問題に音読学習

「声に出す学習を!」

お母さん方から、「ケアレスミスを直すにはどうした良いか」という質問をよく受けます。何度かこのブログでも取り上げました。教育現場では、最近、益々このケアレスミスが増えてきていると聞きます。では、何故ケアレスミスが起きるのか、文章問題を中心にいつもの通り箇条書き的にあげてみましょう。

  1. 性格的なもの(おっちょこちょい・短気・注意力欠如等々)

  2. 問題文を最後まで読んでいない。(問題の見落とし)

  3. 文字や数字を丁寧に書いていない。(乱雑な文字からミスを誘発)

  4. 直ぐに計算し答えを求める。(思考せず、機械的に計算処理)

  5. 自分勝手に問題を変えてしまう。(指示に従えない)

  6. 自分自身で解こうとしない。(直ぐに諦める)

  7. 問題文の読み間違い。(最後までしっかり読んでいない)

  8. 間違った学習の仕方が定着してしまった。(自己流の学習)

子ども達は、彼らの置かれた環境で、様々な年齢から学習をスタートさせます。そして、正しく学習の仕方を教わることなく自己流で行う子が出てきます。しかし。ここで間違った学習の仕方を覚えてしまうと後からの修正が大変です。

 学習の基本は、「見る」「聞く」「書く」「読む」「話す」です。ケアレスミスを防ぎ、問題を解く力を付けるには「見る」「聞く」「読む」の3要素に、「書く」を加えた学習法をお薦めします。

 「見る」「聞く」「書く」の3要素が入った学習法は、「音読学習」です。文章問題を、声を出して読みます。そう、当たり前の学習法です。しかし、子どもの学習の仕方をよく見て下さい。声に出して読むとい学習は思ったより少ないことに気付かれる筈です。問題が解らないとき、解けないときは声を出して読みます。また、式を立てた後も声に出して式を読みます。計算も同様です。それぞれ、ゆっくり5回は読むようにします。「音読」という学習行為は次のような脳の経路を辿ります。

〔文を読む流れ〕

  • (文字を見る)視覚中枢→感覚的言語中枢へ運ばれ文字を認識する→

  • (文字を読む)運動的言語中枢へと運ばれ、筋肉と声帯を使い音声へと変換

  • (音声を聞く)聴覚器官から音声を通し、また視覚中枢から文字の確認をする

 「音読学習法」は多くの脳神経を使った理想的な学習法です。読む事で思考も促されていきます。それは、何度も繰り返し読まれたことばが、過去の経験や指導の記憶を想起させるからです。また、自ら立てた式も読みます。計算も答えも同様です。そこから、自分のミスに気付かされます。計算は、計算の過程までしっかり音読します。

  1. 計算は1の位からします。

  2. 1の位は 0と8

  3. 0-8は8?(よく間違える計算です)

  4. 訂正します。0から8は引けないので、十の位から10を借りてきます。

  5. 10-8は2。

  6. 次に十の位の計算をします。

  7. 十の位の数は5と2?(繰り下げた数を忘れる)

  8. 訂正します。十の位の数は一の位に10貸したので、4。4-2は2

  9. 次に百の位を計算します。百の位は2と0です。

  10. 2-0は2

  11. 答えは222です。

こうして声に出す「音読学習」は、目で、耳で自分の解いた問題を確かめることができます。殆どの場合、目だけで学習をしているのではないでしょうか。耳も鍛える。学習では大切な事です。ただ、目だけを使っている学習も、目を鍛えているかというとそうでもありません。見る事を意識する学習が必要です。見る事を意識する学習があります。それは「書写学習」です。書写学習は、丁寧に書くことが唯一と言える条件であり約束です。丁寧に書くこというは、文字の線をじっくり見ることに繋がります。字形も視覚的にしっかり捉えることができます。3分間という短い時間を集中して文字を写し取ります。見る事・聞くことを意識する学習は、幼児期から行う事で、目も耳も鍛えられます。勿論、小学生からでも十分間に合います。ケアレスミスが定着してしまう小学校低学年の内に、家庭学習の充実化を計り行って下さい。高学年でケアレスミスが目立ち始めた場合は、書写や音読の時間を増やしていきます。ただ、一回の書写は5分まで、それ以上行うときは、1分ほど休憩してから行います。音読も同じです。

 この「音読学習」は算数だけでなく、元となる国語にも、そして社会や理科にも応用できます。声に出す学習、これは家庭学習には欠かせない学習方法です。何故なら、お子さんが学習していることを、お母さんが声を聞いて確認できるからです。国語の教科書など、しっかり音読させましょう。そして、算数や国語の文章問題では必ず「音読学習」で行いましょう。すると、苦手だった文章問題が得意になっていきます。文章を読むことに慣れるからです。

 また、算数の計算では、先ほどの「アルゴリズム法」を使い1問ずつ行います。アルゴリズム法は、その後の掛け算や割り算の筆算でも可能です。

2014/9/4


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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