見出し画像

子育てと少子化

「親子関係は大丈夫ですか?」

 教育界で、子ども達について、これから起こる問題を予想できるのは幼児教育者と言われています。親子が初めて出会う教育機関が幼保園であり、幼児教室です。時代と共に保護者は変化しています。その時代その時代の特徴を持ち成長されているからです。こうした背景は、子育てに表れてきます。幼児教育者は、その時その時に表れる親子の変化、またそこから生じるある種の「違和感」を感じる事があると言いいます。そして、幼稚園や保育園の先生方や、幼児教育に携わる方々の話を分析総合していくと、子ども達や親子間の近未来の問題点が浮き彫りされてきます。そして、その問題点は、中学、高校、大学、そして社会へと関わりを持ち進んでいくことになります。

 幼児期の0歳から3歳まで、この時期の子育てほど大切な時期はありません。朝日新聞に、「見えない子」と題した記事が載りました。学ぶ事を奪われた青年の記事です。母親は借金から逃れるため、生まれた我が子の出生届を提出していませんでした。住所がばれるからです。彼は、幼稚園はおろか、小学校も中学校も通わせて貰っていません。20歳で有りながら学習レベルは小学1年生以下だったと記されています。(これは、今、我が国で実際に起きている事実です。)少子化は、大人社会での労働力減少を産み、国を挙げての保育所対策を推進しています。保育所は増える。それは親子の共有出来る時間が大きく減少することを意味しています。こうした状況だけではなく、子育ての商業化が進み、知らない間に親子が引き離されています。子ども達に必要なのは、お母さん、お父さんです。保育所ではありません。このまま行けば、子ども達が社会の犠牲になります。少子化問題(少子化に伴う年金問題、労働力不足、その他)は20年前から問題視されていた筈なのですが。

高度成長を遂げている時代(1954~1973年)から、子育てに変化が出てきました。子育ては人から人へ(親から子へ)伝承される典型的なものでした。お母さんに成り立てでは、子どもの泣き声から何を要求しているのか、何でぐずっているのか解りません。そこで、同居している母親から直接間接に教わったり、指示されました。時には近所のおばさんがその役目をしました。「子育ては教わるもの」だったのです。しかし、時代は大家族主義から核家族化へと急激に変化していきました。この頃から、子育てに黄色信号が出始めました。時代は変化し、人も同時に変化します。現代の若い保護者は、子育ての伝承を受けずに来ています。それ故、育児書や幼児教室に頼わらざるを得ないのかも知れません。子育ては起業より難しいのです。

 子ども達に、指導しづらい子が増えてきたとの報告が相次いでいます。また、後天的とも思える「学習障害児」も増加傾向にあるという報告もあります。その中で、最も多い事例が「人とのコミュニケーションが上手にとれない子」の存在です。調べていくと、親子間でも同じような状況であり、ことばを交わすことが少ないことが解っています。一般的言われている「自閉症」ではありません。しかし、言語性に遅れをとっている場合が多く、また、会話の中で目を合わすことができないことも特徴としてあげられています。つまり、満足にコミュニケーションがとれないのです。また、発することばには「幼児音」と呼ばれるものが多く含まれ、「サ行」「タ行」を中心に「拗音」の発音が多く含まれます。放っておくと、「学習障害」として残る危険性があります。早めに専門機関で検査を受けられるべきでしょう。

しかし、最も恐れることは、自ら無意識に我が子を遠ざけているケースです。自分では十分可愛がり、ことばがけも行っていると思い込んでいるケースです。この場合、本来、赤ちゃんのペースで行われる日常が、保護者のペースで進行しています。赤ちゃんが泣いても「我慢をさせる」と自分に言い聞かせ、赤ちゃんの要求に応じないという例もあります。今の社会自体(人の作る環境や考え方)が「要求」社会です。自分からの要求を前面に出し、要求が受け入れられなければ…。

 子どもの抱える問題は、早ければ早いほど解決が可能です。このままの状態が続くと、近い将来教育機関では学習指導が不可能になる場合も想定されます。子どもに必要な学力以前の人間性、それは、保護者に向けられたものかも知れません。いや、間違いなく向けられているのでしょう。

2014/9/5


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
内容は公式HPへ

相談やお問い合わせ、無料体験教室の申し込みなど最新情報も受け取れる公式LINEアカウントも開設致しました!
ぜひお友だち登録して下さい。


いいなと思ったら応援しよう!