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子育て(独り言)
「見えない暴力・やさしい暴力」
今年も振り返ると様々な事があった。子どもに関する事件や問題、いつの時代にも尽きることはない。ただ一つ言える事は、子どもの行動は大人の行動の縮図であるということだ。彼らの行動は良くも悪くも必ず手本がある。年齢に関係なく、近年の犯罪要因は「やむにやまれぬ」という人の情けが絡む事件より、衝動的であったり、ストレスであったりする。それ以上に、欲求に対する自制心が働かない事件も目立ち始めている。ストーカー事件などはその類だ。すると、そのような事件を引き起こした者の親が取りざたされる。親の責任を問われる。それも広く日本社会から問われるのだから親としては針の筵だ。
皆さんは、我が子をどのように育てたいだろうか。こうした問いに対し直ぐに具体的なことばが出てくるだろうか。この場合「育てる」には2通りの意味がある。一つは「身体」についてだ。我が子の身体の成長に対する関わりで、食事や健康に対する内容がこれにあたる。もう一つが「心」を育てるというものだ。これが一番難しい。心には、性格、人格、そして学力というものまで付いてくる。
胎教でお母さん方に話しをする場合、私は「良い親」になる必要はないと言い切る。殆どのお母さんが「良い母親」になりたいと思っている。実は、そのことが母親を縛り付けることになっている。産後クライシス、育児ノイローゼは「良い母親」になれるのか等、その不安が極度のストレスとなり起きてしまう。母親は、子育ての中で、子どもと一番多く接する機会が多い。それ故、子育ての責任は母親にあるとお母さん自身も思い込んでしまう。
良い母親を意識しすぎると、全てを「子どもの為」と思い込んでしまう。それが子どもの心を縛り付けるという負の連鎖に繋がって行く。たとえお母さん本人の為であっても、「貴方のためだから」と置き換えられてしまうこともある。これが見えない暴力となり、子どもを押さえつけていく。これが「子ども支配」だ。支配からは何も生まれはしない。出てくるのは反発だけだ。しかし、「良い母親」は、気付かぬ内に子どもを支配し始める。自分の思い通りに行かないと暴力を振るうことも出てくる。
母親の立場ほどマルチなものはない。主婦、妻、母親、場合によって社会人、これだけの立場を、毎日休みなく続けなければならない。ストレスが溜まらないわけがない。だから、けして「良い母親」にならなくていいのではないだろうか。
子育ては、両親で行うものが基本だ。ただ、男女は同権だが、同じではない。母親でしかできないことがある。父親でもできることがある。だから、父親、母親それぞれ分けて行う必要が出てくる。また、核家族化が進み、子守の手が足りないという現実がある。昔の時代とは大きく違う点がここにある。今の家族状況では、子育ての手が足りないのだ。この物理的な問題から、保育園という施設が必要となる。これでは子どもはたまらない。こうしてみると、行政も今の母親が抱えている問題を十分理解しているとは思えない。育児休暇も取りにくい我が国では、状況は変化しているのに、子育ての意識は昔と全く変わっていない。以前に増して幼児虐待が目立つのはこうした背景があるからではないだろうか。
子育ては、けしてよい子を育てるために行うのではない。まずは互いに良い親子関係、人間関係を築くことだ。大切なことは、円満な夫婦の関係だろう。そして、子どもの精神的発達を促す環境を整えてあげることだ。少なくとも成人になるまでは、彼らの行動は保護者の責任になる。子どもは環境で育つ。家庭環境、教育環境、人間環境、こうした環境の整備は、保護者である親にとっても重要なのだ。ストレスを感じない家庭環境は、子どもにとっても居心地の良い環境なのだ。子どもが自立の道を歩むためにも、全て子ども中心の家庭ではいけない、親である夫婦も、互いの趣味を持つべきだ。人生をエンジョイできること、その姿を見せるのも大切なことだろう。
私達親は、子どもの為と言いながら、実へ見えない暴力を振るってはいないだろうか、優しい暴力を振るってはいないだろうか。子育ては難しい、しかし、自分自身が逆に育てられているのかもしれない。子ども達から…。
2013/12/28
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
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石川先生監修!
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