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CLACKが東京に新しいデジタル拠点をつくります!

代表の平井です。
今回は、新しく計画している中高生のためのクリエイティブハブについてご紹介します!

新しい拠点をつくる目的は「デジタル技術や生成AIの活用が今後当たり前になる中で、個々の経済状況に関係なくそれらに触れられる機会を提供すること」です。東京の拠点づくりに向けて準備してきたことが揃いだし、やっと実装フェーズに辿り着くことができました!

場所は東京の中野区・鷺宮。
最寄駅に定時制高校、近隣や沿線沿いに専門高校が5校(工科高校3校、商業高校1校、農業高校1校)あり、CLACKとして来て欲しい層の高校生にリーチしやすいこと。

都営住宅が周辺に多いこと。鷺宮地域は中野区と練馬区と杉並区のちょうど境となる場所でもあり、行政の支援からこぼれてしまいやすいこと。また、物件としても、急行電車が止まる鷺ノ宮駅から徒歩1分で、かつ10台以上の自転車を止められる駐輪場があることが、今回の物件にした決め手です。

中高生年代なら、平日週4日 13:00~20:00の開館時間は誰でも無料で利用可能とする予定です。土日は、高校生向けの無料のプログラミング教室「Tech Runway」も、ここで開催していきます。

それでは、構想中のクリエイティブハブについて、詳しくお話していきたいと思います。


◆名称とコンセプト


名前は

テクリエさぎのみや

ロゴデザイン

「テクリエ」は、Tech(技術・テクノロジー)とCreate(つくる)を合わせた造語です。デジタル機材をたくさん揃えたこの場所で、それらを活用して何かを作ることを楽しんでほしい。その活動を通して、好きなことや自分らしさを見つけられる場所になってほしい。そんな意味合いを込めて名付けました。

コンセプトは

「明日もやりたい」ことが見つかる

このクリエイティブハブをいちばん活用してほしいのは、なんとなくSNSや動画を見て時間をつぶし、漠然とした不安を抱きながらも失敗を気にしてなかなか一歩を踏み出せない中高生たち。

スマホネイティブ世代である彼・彼女らの興味関心を引き出しやすい「デジタル」に触れられる環境を用意し、「楽しい!」「自分でもできるかも!」といった気持ちから「明日もまたやりたいな」と思えるものに出会うチャンスを提供できる場所でありたいと考え、決定したコンセプトです。

極端な話、偏愛を楽しむことすらのびのびとできる。自分は、コレが好きなんだ!と、興味をさらけ出す心地よさを味わってもらうのもひとつです。

そして「〜ねばならないこと」は館内ルールを除いてありません。あくまで全て中高生主体。自ら選び取ることだからこそ、ポジティブであり、明日、そしてその先の未来につながる可能性を秘めているのだと思います。

◆そもそも、なぜ「デジタル」なのか


デジタルや生成AIに慣れて一定使いこなせることは、どんな仕事につくとしても必要不可欠な、現代の「読み書きソロバン」となってきています。そしてGIGAスクール構想による1人1台端末のおかげで、家庭の経済状況に関わらずデジタル機器に触れる機会が増えています。

しかし、単にコンテンツを消費するのでなく、デジタルスキルを使いこなせる人になれるかどうかは、周囲の人のデジタルリテラシーや学ぶ環境があるかどうかによって変わります。CLACKがこれまで700名以上の困難を抱える高校生と関わってきた知見からも、家庭環境や発達特性などによる格差は広がっていきやすいものだと感じています。

また、中高生視点でみても、デジタルに触れられ、学べる機会へのニーズは年々高まってきているように思います。スマホネイティブ世代の中高生にとって、YouTubeやTikTok、インスタグラムが日常の中でテレビよりも強い影響力を持っていることがあります。

勉強が苦手でも「デジタルのスキルがあれば食べていけるのではないか」「リモートワークができれば満員電車に乗らずに働けるのではないか」など漠然とした願望を持っている中高生が増えている印象です。

そうした中高生にとって、家から通える距離に、自分が興味のあるデジタルスキルを無料で体験&学べる環境があることは、普段の自分なら踏み出せない一歩を踏み出すきっかけになり得ます。

「一歩を踏み出すきっかけ」としては以下のようなケースが想定されます。

・好きなアニメキャラの絵を、本格的な機材を使って描いてみたいけど、
 高価で買えない。
 →テクリエに行けばプロが使うようなペンタブがあり、
  自由にデジタルお絵描きが楽しめるみたいだから行ってみようかな。

・好きなYouTuberのように自分でも動画をつくって公開してみたい。
 →動画編集を1から学べる教材とハイスペックなパソコンが揃い、
  動画制作をサポートしてくれるお兄さん、お姉さんがいる
  テクリエでならチャレンジできそう。

・ゲーム好きが高じて自分でもゲームをつくってみたい。でもプログラミングって一人で勉強できなさそう。
 →プログラミングを学べるパソコンや教材があるのはもちろん、
  自分だけでは挫折しやすいプログラミング学習を一緒に学んでいける
  コミュニティとメンターがテクリエにいるから自分にも
  できるかもしれない。

不登校の子で学校には行きずらいけれど、いろんなデジタルの環境が整っていて自由に過ごせるテクリエには行く。そうした現象は経験上起きやすいかなと思います。

内装工事前のテクリエでアイデアを練る平井

◆CLACKがつくりたい拠点のかたち 


なので、テクリエは、すでにデジタルが好きで、機材さえ揃えたら自分で好きに学んでいける中高生のため”だけ”の施設にするつもりはありません。むしろ、現時点ではデジタル関連のことにほとんど触れたこともないし、なんなら苦手意識を持っている中高生にこそ、テクリエに来てもらい、自分のペースで「明日もやりたい」と思えることを見つけていってほしいと思っています。

テクリエにくる最初のきっかけは何でもいいと思っています。
たとえば、近所に住む中学生が、カフェのワッフル無料券をもらったから食べに来た。そこでテクリエのことを知り、流されるままにVRゲームの体験をしてみたら、思ったよりも楽しくて、ワッフルがもらえなくてもテクリエに行ってみよう、…となるといったパターンも大歓迎です。

近隣や沿線の学校や中高生支援NPO、行政、地域と地道に関係性を築き、テクリエに本当に来て欲しい中高生との接点をオープン前からたくさんつくって、準備しています。

居場所としての心地良さを感じてくれるだけでも嬉しいです。家や学校に居場所がなくても、テクリエがその子にとっての安心できる場所になっていく。そして、小さくてもいいから何か新しいことにチャレンジしてみて欲しい。勇気を出してチャレンジしてみて、もし失敗したとしても、またやってみようと思える。そんな環境をメンバーみんなでつくっていきたいです。

これまで機会に恵まれなかった子でも、自分のペースでデジタルのいろいろなことを試せる。またその中で自分の興味(好き)に気づき、そこから個性や強みを見出したり、気の合う仲間に出会ったりしながら、将来へのステップへと繋げていく。そんなことができる場所であることが理想だと思います。

最終的には、自発的な想いから将来につながる可能性を見出してくれたら、激アツです。

そのために、テクリエは次のような役割を担うと考えています。

◆テクリエの果たす役割


役割は3つあります。

1.「居場所」として、安心する場所を提供する役割
2.「テクリエサークル」で興味の幅を広げる役割
3.「プログラム」で具体的な学びと実践の場を提供する役割

居場所」はその通り、特に用事がなくてもフラッと行ける。誰かとしゃべる。マンガを読みに行く…など、無料で好きな時間を過ごす場所として活用してほしいと思います。いつ来て、いつ帰ってもいい。学校では話しにくいことでもテクリエの人になら話せる。

テクリエサークル」は、テクリエにある機材を活用して、それぞれがサークルをつくり、好きな活動をすることを指します。例えば、動画制作、ゲーム制作といったデジタル系の内容を部活のように毎週決まった時間に集まってやっていくサークルもあれば、ボードゲーム同好会やゆるプログラミング部といったサークルまで、幅広くOKにする予定です。テクリエのクルーや地域のクリエイター主体で作るサークルもあれば、中高生自身がサークルを立ち上げることも可能です。

なので、気が向いた時に気が向いただけ遊ぶでもいいですし、しっかり曜日を決めて定期的に集まりガッツリ活動する、でもOK。仲間を募って電子工作や、コンテストへの出品などをすることも考えられます。

サークル活動で興味を持ち、集中して学びたければ、CLACKが主催する無料のプログラミング教室「Tech Runway」や「Be Pro」といった「プログラム」に参加するという選択肢があります。さらに学んだデジタルスキルの実践編として、実際にデジタル関連の仕事を受注し行う「クエスト」というプログラムも用意しています。※

以上3つの役割で、中高生一人ひとりの状況や興味関心に合う「やりたい」気持ちを引き出し、大切に育てていきたいと思います。


※ちなみにTech Runwayは今までプログラミングコースだけでしたが、他のデジタルスキルを学べるコースもどんどん作っていけるように準備しています。

◆テクリエの各フロア紹介

⚫︎1階カフェ(ワッフル屋さん)と小上がりフリースペース

1Fイメージ図

1階は路面店としてワッフルカフェになっています。誰でも入りやすい雰囲気で、ゆったりできる内装にデザインしてもらいました。

奥の小上がり部分はフリースペースとして解放し、カフェの飲食スペースも兼ねたエリアになります。そこには、「【推しの子】」や「呪術廻戦」といった流行りモノから「ブルーピリオド」や「海が走るエンドロール」といったクリエイティブ心をくすぐるモノまで1000冊近い漫画を用意しています。

また、突き当たりの壁にはシェア型本棚を設置し、カフェ利用者の方のこだわりの本や作品を置いてもらえる設計となっています。

カフェのやっていない時間にはダラっと寝転びながら漫画や本を読んだり、ビーズクッションにもたれかかりながら同級生と話したり。近くにいた知らない中高生同士で、ボードゲームで盛り上がることもあっていいんじゃないかなと思っています。

ワッフルカフェの運営や企画、チラシ作りに中高生も関わってもらえたらと妄想を膨らませています。

⚫︎2、3階 デジタルに関するフロア

2Fイメージ図
3Fイメージ図

テクリエのメインとなるのがこのデジタル関連フロア。
2階はハードウェアやデジタル機材が豊富にあり、複数人で話しながらモノヅクリやクリエイティブ活動に取り組む場所です。

2つ部屋があるうちの一つは予約制。動画や音声の配信をしたり、音楽作成やDJブースとして使えたり、VRを気兼ねなく操作できる空間になっています。奥にあたるもう一つの部屋は、談話エリアと3Dプリンターやレーザーカッター、ロボットアームやハンダゴテなどがあり、仲間と一緒に電子工作に取り組める空間です。

一方で3階は、1人でもくもく作業に集中したい人向けの場所です。プログラミングやデザイン、デジタルお絵描きや動画編集、3D/2Dモデリングなどのクリエイティブなことを自分のペースで追求できる空間となっています。

⚫︎屋上 

屋上(農園)イメージ図

鷺ノ宮を一望できる屋上には農園を設ける予定です。地域の人も巻き込みながら、都会の中にシェア農園をつくってみんなで好きな野菜などを育てると楽しそうです。また、農園で使う便利農具も一部は中高生自身の手で作成し、ゆくゆくはIoT農園化ができたら面白いね、とメンバーで話しています。

◆さいごに


2022年から東京でもTech Runwayを継続的に開催しており、関東エリアにも拠点が必要だと常々感じていました。ありがたいことに今回「みてね基金」に採択され、立ち上げのチャンスをいただくことができました。

CLACKメンバー全員が「ワクワク」を抱きながら、この「テクリエ」を創り上げている最中です。新しい情報は随時お届けしますので、ぜひご期待ください!

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CLACKでは、テクリエ事業の全体を統括するコミュニティマネージャーを募集しています。フルタイム契約で、事業責任者候補としての求人です。現在は平井が立ち上げ責任者で、他2人の中心メンバーがいますが、ゆくゆくは平井の後を引き継いでまとめていってくれたらいいなと考えています!

また、中高生のデジタル体験やコミュニティ活動に伴走する大学生インターン(有給)も募集しています。



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