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「グリ下」に集う若者の一人になりきり、溶け込んでみた
先日、土曜日の晩に難波(道頓堀付近)で飲み会がありました。集合時間を1時間間違えていて、早く着いてしまったので、「グリ下」に行こうと思いつき行ってみました。
※「グリ下」=大阪道頓堀のグリコ看板のある橋の下
「グリ下」自体は、これまでも何度か遠目から見たりはしていましたが、今回は実際にそこにいる若者と同じ目線で過ごしてみようと思いました。
昨今、若者の溜まり場として東京・新宿歌舞伎町の「トー横」、大阪・ミナミの「グリ下」が取り上げられますが、今回は僕が体験し感じた「グリ下」のリアルを記します。
最近だとこんな記事も上がってましたね。
◇ ◇ ◇
土曜の晩ということもあり、「グリ下」の周りの通路は浮かれ気味の楽しそうな観光客で人が溢れていました。
ただ、「グリ下」においては明らかに違う空気感でした。
うまく言葉で表現することが難しいのですが、服装や年齢層、顔つき、そこでの佇まいが統一感はないのに一目で “それ” とわかる感じの若者が多かったのです。
僕は、その中にあえて歩きスマホをしながら、ぬるっと入っていき、ちょうど空いているスペースがあったので、そこに座り込みスマホをいじりながら、そこにいる若者を観察することにしました。
その時「グリ下」にいたのは、10代後半〜20代前半のいわゆる”地雷系”の女性2人組や、ドンキホーテあたりで売ってそうなフード付のキャラクターのパジャマを来た20代中盤〜後半くらいの男性(以下、パジャマ男性)などがまとまりなくいて、各々スマホなどをいじりながら過ごしている様子でした。
僕がスマホをいじっていると、パジャマ男性の知り合いと思われる雰囲気の似た男性が後からきて、パジャマ男性と話始めました。
会話をしている2人のテンションは明らかに様子がおかしく、お酒を飲んでいるようには見えなかったが、酩酊状態や深夜テンションという表現がデフォルトになっているような絡み方を互いにしていました。
A「死にたい」
B「お、じゃあ死ねよ」
A「生ぎたいっ!!!!」
(神妙な顔で某海賊マンガのセリフを真似した感じ)
このようなやり取りが、誰も見ていないし気にもしていない空間の中で繰り広げられていました。
そこには、年齢不相応の幼さと誰かに構ってほしがっているような独特の自己表現があり、僕は気味の悪さを感じました。
この空気感や感情は、新宿・歌舞伎町の「トー横」や横浜の「ビブ横」に行った時と同じようなものを感じました。
しかし、「トー横」や「ビブ横」と違うなと思ったのは、「グリ下」は文字通り橋の下にあり、外から見えずらい空間になっていることです。それによって、重たい感情を持っている行き場のない子たちにとって自然と溜まりやすい空間を生み出してしまう雰囲気になっているのかなと思いました。
そういったやり取りを目の当たりにする中で、30分ほど体育座りをしながら座りこんでいました。なるべく「グリ下」で過ごしている彼ら・彼女らと近い過ごし方をするようにしていたからか、話しかけられたり、よそ者として排除しようとされることはありませんでした。
話しかけられた場合を想定し、(二郎系ラーメンの注文の際に唱える呪文を自分の番が来るまで待っている時間のように)頭の中で想定問等を用意していたのですがその必要なく終わりました。
今回「グリ下」に行ってみて
昨今、闇バイトが大きな社会問題になっていますが、僕も最近『闇バイト 凶悪化する若者のリアル』という本を読んだり、若者から聞いたりする機会があり、仕組みなどの理解を深めています。
知れば知るほど、闇バイトは今後もさらに軽視することができない問題になるだろうと思いますし、CLACKの活動としても支援する中高生等にとって比較的近い存在となってしまう可能性があることからも見過ごせないなと思っています。
また、今回行ってみた「グリ下」や「トー横」などの場所は、闇バイトだけでなく、何らかの依存症への入り口になり得る要素が多いだろうと感じています。
・・ということで今度は依存症や闇バイトなどについてのnoteも書いていきたいなと思います。
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