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【予算850億の元バイヤーが解説】この商品は素晴らしいシリーズ(ミューズノータッチ:レキッドベンキーザー)

こんにちはのじです。
(私の記事は #NP企画  で検索できます)

大手ドラッグストアで10年化粧品バイヤー、1年半雑貨のカテゴリーマネージャーをしてました。辞める年は850億の予算を管理してました。

今は化粧品メーカーでマーケティング本部のディレクターやってます。

『この商品は素晴らしい』シリーズ

私が使った中でこの商品は素晴らしいと思った商品を紹介していきます。
広告ではないので他社品限定で紹介していきます。

またマーケティングの視点でこの商品の勝利の方程式を作っておきます。

今回は

レキッドベンキーザー『ミューズノータッチ』

公式HPより

↓使い方you tubeりより

子供の手洗い編

選考理由
私は洗面台とキッチンの二ヶ所で使ってますが、これはどちらかというとマーケティング目線で選考した商品です。

ハンドソープ市場の特徴

ハンドソープは使用頻度も高く回転率が高いのですが、そこにパーソナル要素が少ないため、基本機能以外の差別化が要素をつけるのが難しいカテゴリーです。

またビオレとキレイキレイの2強の状態で、そこからお客さんを取るのは低価格帯で攻める以外の選択肢はないというのが定説でした。

さらっと書きましたが

使用頻度が高くて基本機能以外の付加価値がつけにくいカテゴリーは小売の低価格PBが良く売れます。

逆を言うとそのカテゴリーに単価の高い商品で参入してシェアを獲得するのはめちゃくちゃハードルが高いんです。

どちらかと言うと化粧品より雑貨にそういうカテゴリーは多くて、ゴミ袋とかアルミホイルとか水切りネット等がそんな類いになります。化粧品だと寝癖直しとかあぶら取り紙とかコットンとかですね。

規格外の新商品

そこに出てきたのがこのミューズノータッチです。しかも横幅は18センチとビオレやキレイキレイの本体の約2倍です。

しかも売価は1400円前後とこれまたビオレやキレイキレイの3倍以上の価格です。

ハンドソープの棚スペースはそこまで広くないのにスペースは超売れ筋品の2倍、売価は3倍以上の商品を作るなんて、マーケットリーダーならともかくチャレンジャーでこの発想は驚きです。

念入りなマーケティング調査を基に、固定概念にとらわれず『提供する価値に対して価格をつける』、『潜在需要の掘り起こしで市場を活性化する』という考えはさすが外資メーカーです。

ただこれには広告投資も含めて体力が必要なので中小メーカーにはあまりおすすめ出来ません。

3つの素晴らしい点

確か発売当初は泡の色が変わらなかった気がしますがここでは最新のものについて考察します。

①自動で泡が出るから容器まで清潔という訴求

目新しさだけでは飽きられて終わるので、そこに『汚れた手でポンプを触らなくて良い、だから容器まで清潔』という他にはない便益を与えた点が消費者に刺さったと思います。

手の汚れをさっと流すのにかかる時間はたかが知れています。

また実際に使うとセンサーが反応して泡が出てくるまで少し時間がかかります。

そのためお手数とか時短の便益はあまり感じにくいで
す。

②子供の手洗いをさせたい親を応援している点

使うターゲットは子供ですがメッセージは子供を大切に想う親に向けてです。

色が変わるという視覚に訴える点が子供の興味を引く事によって『お母さんこれならお子さんも嫌がらずに手洗いして病気の予防が出来るますよ』というメッセージですね。

自分のためならお金は渋るけど子供のためなら多少高くてもお金を出してもいいと思う気持ちがこの価格を受け入れさせた要因と思います。

③本体には専用の付け替えしか使えないという点

本体を買って気に入った方はこの付け替えを買うしかありません。

カミソリの本体と替刃、プリンターの本体とインクジェットと同じ原理です。

つまり競合品との付け替えの価格競争が発生しないので付け替えは確実に利益が回収できます。

それによってドラえもんやミニオンとのコラボ品などの新規ユーザー獲得に思いきって投資が出来ます。

本体が売れるまで投資し続ける覚悟と体力がないと難しいので、このビジネスモデルを実行した事、また成功してビジネスとして成り立たせている事が本当に素晴らしいと思います。

最後に

WHO(世界保健機構)によると感染症の8割近くは手からの感染だそうです。

ただウイルスや菌はハンドソープで洗い流す事が出来ます。

30秒の手洗いで菌は100分の1に減少すると言われているので、特に免疫力が弱い子供やお年寄りはしっかりと手洗いをすると良いですね。

ということは感染症予防という切り口でお年寄り向けにもニーズがあるかも知れません。



勝利の方程式

基本機能 × 斬新さ× 清潔感 × 親心を刺激 × ビジネスモデル

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最後まで読んで頂いてありがとうございました。

のじ

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