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ハナを捨てよ、庭へ出よう/クレマチスの丘編

自分が庭園という定義で一番出かけていることが多い場所は静岡県長泉町にあるクレマチスの丘だと思う。
クレマチスの丘は文字どおり、クレマチスという花を冠にしている庭園と複数の美術館を中心とした文化施設?です。
クレマチスの丘と一口に言ってしまいましたが、ここには庭園を有するヴァンジ彫刻庭園美術館、IZU PHOYO MUSEUMのあるエリアとベルナール・ビュフェ美術館と井上靖文学館のあるエリアがあり、レストラン、カフェ、ショップも併設されていて一日豊かな時間を過ごすことができるスポットです。
その中で、まずクレマチスの丘のメインとも言えるヴァンジ彫刻庭園美術館とその庭園の話をしますね。
花に多少興味がある人にとっては、花のハイシーズン(5、6月)にこれほどの品種があるのかっていうぐらいのクレマチスを一覧できます。
それも百科事典を視覚化したような植物園のような体裁ではありません。
カメラ好きのアマチュアカメラマンが次々シャッター切ってカテゴリーフォトを残して悦にいる感じにクレマチスという花が並べられてるのではなく。
はたまた植物への理解を深めることだけを追求してるわけでもなく。
散策する人が気持ちよく楽しめる場所として設計されていると思います。
クレマチスの丘という名目で、あくまでもクレマチスという花が主役なんだけど、バラも一方の主役になっているし、その他の植物との絡み合いも自然で美しい彩り醸し出しています。
庭に高低差があり、間に美術館という建物を通過するという過程もあって、アトラクション的な楽しさにも満ちています。
美術鑑賞の沈黙と緊張が課せられる時間を通過した後の開放感。
庭の散策に美術の展示というアクセントが加わっていることが良い感じになってたりもするのです。

自分は花屋なんだけど、最初は特にクレマチスの庭園に惹かれて訪れたのではありませんでした。
都市にある美術館とはちょっと違った自然の中に作り上げられた美術館。
興味惹かれますよね。
それと途中通過する富士山は自分の命を支えてくれるほど大切に思っている存在だし。
クレマチスの丘を訪れるモチーフは今も変わっていないのです。
大きな風景の中にある美術館とそこから直接俯瞰できるわけではないのですが富士山を近くに感じられること。
それが自分がクレマチスの丘に吸引される魅力。
でも、それ以外にも、ここの魅力はたくさんあって。
ベルナール・ビュフェ美術館ではビュフェの作品をたくさん観ることができます。
この画家に圧倒されるために年に一度はこの美術館の扉を叩きます。
そして、今は休館中なのですが、IZU PHOTO MUSEUMの展覧会の企画は毎回素晴らしくて、自分的には最重要チェックポイントして毎回ここの展覧会を楽しみにしているのです。
早く再オープンしないかなと心待ちにしています。
それと、NOHARA BOOKS。
自分が行きたいと思う場所にあるもの。
それは書店という要素もけっこう重要であって、ここは大量の書籍の倉庫みたいな大型書店の無味乾燥さがなくて、書架に並んだ本の背表紙が好奇心をぐんぐん刺激してくれます。
本だけではなくカードやグッズ、CDなんかも多彩で目も楽しめますよ。
展覧会を見て、庭を散策して、ここの書店で一冊本を買って、そして駿河湾の風景を眺望する道を下って帰っていくのがいつもの行程です。
クレマチスの丘には様々な喜びと刺激が詰まっている場所です。
訪れる人それぞれに喜びと刺激を与えてくれる場所だと思います。
あなたにはどんな世界が見えるのか?。
クレマチスの丘を訪れて確かめてください。


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